2023.07.03(2023.08.03 更新)
今年のオオルリシジミの発生状況について
調査報告
専門度:
会員の皆様と一緒に植えたクララにやってきたオオルリシジミ(5月28日撮影)
テーマ:生息環境創出絶滅危惧種
フィールド:草原
長野県の安曇野地区一帯のオオルリシジミは絶滅したと思われていましたが、1995年にわずかに生息している個体が見つかりました。そこで「安曇野オオルリシジミ保護対策会議」が結成され、国営アルプスあづみの公園内への保護区の設置、飼育蛹の放飼、春先の火入れ、パトロールなどの保護活動が行われてきました。
NACS-Jも2017年より、この活動に参画しています。2023年の活動状況をご報告します。
今年は成虫の目撃数が減っています
昨年、安曇野市の天然記念物となったオオルリシジミ。ゴールデンウイークが過ぎた5月中旬ごろから、成虫が見られるようになってきましたが、今年は目撃数が極めて少なく、また食草のクララの生育も普段より遅くなっています。
5月28日に行われた国営アルプスあづみの公園主催の調査でも同様の傾向があり、園内の保護区では、産卵数は平年に近い数が確認されていますが、成虫は数頭しか確認できない状況でした。
クララの移植活動で広がる生息地
しかし、NACS-J会員の皆様や地域の方などと協力して国営公園内に移植したクララと、ここ数年継続的に行われてきたクララの配布や植栽活動に参加して自宅の庭や畑に植えていただいたクララの株には、数は少ないものの、オオルリシジミがやってきたとの写真付きの報告がいくつか寄せられています。
小さな保護区だけでこの種を守ることは、気象や生息環境の微妙な変化に対応できない場合がありますが、安曇野市内に広く生息域が広がっていけば、絶滅のリスクが少なくなると考えられます。
安曇野市民への食草のクララの配布活動は今回で4年目になります。今年は岩原の自然と文化を守り育てる会の皆様が育てた苗だけでなく、地域の小学校の取り組みとして生徒が育てた苗も配布します。
また安曇野オオルリシジミ保護対策会議を中心にNACS-Jなどが卵や幼虫の調査を行うなど、一丸となり、本種を守り生息域が広がるよう努力してまいります。引き続きのご支援をお願いいたします。
オオルリシジミの保全活動に取り組む、アルプスあづみの公園管理センターの須之部さん
ご寄付のお願い
保護活動へのご支援のお礼に、特製グッズ・特産品をお届けします。
チョウ保護プロジェクトロゴ入りTシャツ(montbell製)
男性用:ベアスキンコットン(ライトグレー) 女性用:ウィックロン※(カメリア)
※速乾性と通気性を兼ね備えた快適素材です。画像はイメージです。実際の色や印刷サイズとは異なる場合がございます。
安曇野のリンゴ
20年以上、安曇野のオオルリシジミの
保護に取り組み続けてきた地元農家の農園で丹精込めて作られるりんご5㎏をお送りします。香り豊かなりんごをご賞味ください。
※発送は2023年12月上旬を予定しています。
- ご寄付に応じてお礼品をお送りします。10,000 円以上のご寄付の方はお礼品のTシャツをご送付させていただきます。ご希望のサイズを寄付サイトの備考欄にご記入お願いします。
- Tシャツのサイズは、男性用3 サイズ( ライトグレー)M、L、LL、女性用3 サイズ( カメリア)、S、M、Lです。
- お礼品のお申込み期限は2024年2月までです。
- リンゴのお申し込み期限は、収穫時期の関係で2023年10月末までです。
絶滅危惧種の草原のチョウ保護プロジェクトヘの寄付はこちら
※フォーム内の「寄付の使途」は、「08.草原を守ってチョウの絶滅を止める!」をご指定ください。