日本自然保護協会は、生物多様性を守る自然保護NGOです。

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なくなりそうな自然を守る:辺野古・大浦湾の保全

なくなりそうな自然を守る:辺野古・大浦湾の保全

なぜ辺野古・大浦湾なの?

「なくなりそうな自然を守る」は、日本自然保護協会(以下、NACS-J)設立以来の基本的なスタンスです。辺野古・大浦湾は、日本を代表する生物多様性の重要な海域でありながら開発規模が大きく、環境アセスメントの不備など、自然保護問題として重要度が高く取り組みを続けています。

具体的な活動

1.自然環境の調査

NACS-Jは、辺野古では他のNGOはほとんど行っていない海中の調査を行ってきました。2002年に海草藻場の市民参加のモニタリング調査を開始し、工事直前の2012年まで10年間継続しました。日本には海草の研究者は少なく、把握できていたのは本州周辺のアマモで、熱帯性海草は十分な調査すら行われていませんでした。そのため、オーストラリアでの手法を参考に、市民参加型調査を始めました。2008年には大浦湾で発見されたアオサンゴ大群集の規模を明らかにしました。

2.環境保全の科学的な監視

いくら必要な開発でも環境に悪影響をあたえないようにという考え方に基づいて、環境アセスメントが行われています。辺野古では2007年(事前調査は2003年)から2012年まで環境アセスメントが行われ、それを根拠に埋め立ての手続きや工事が進められています。NACS-Jは専門家の協力を得て、環境アセスメントの段階ごとに時には7000頁に及ぶ書類を精査し、具体的に問題点を指摘してきました。計画されていた環境保全措置が、工事の中で実際に効果を発揮しているか科学的な監視を続けています。

3.国内外への保全のはたらきかけ

2000年にWWFJらとともに、沖縄島のジュゴン、ノグチゲラ、ヤンバルクイナの保全を提案、IUCNからの勧告として決議されました。IUCNの総会が世界自然保護会議と名称を変えた第2回目、ヨルダンでの会議でした。その後も、保全の制度、環境保全策などについて具体的に意見をまとめ、事業者、地元自治体、その他関係者に伝え、改善をはたらきかけてきました。最近の5年間だけでも意見書は50本以上になりました。

これからの活動

一刻も早く工事を止め、海洋保護区へ

サンゴ礁の海の埋め立てを一刻も早く止めたい。その思いは変わりませんが苦戦しています。環境保全上の問題を積み残したまま工事が進んでしまないよう、影響を広げないように事業者による環境保全の監視を続けます。また、辺野古・大浦湾には埋め立て範囲外にも多くの重要スポットがあるので、海洋保護区の設定を働きかけていきます。

「政治の話なの?」

「辺野古って、政治の話じゃないの?」そういう声をお聞きすることがあります。ある面に限ればそのとおり。辺野古の基地移設計画は、安全保障の国策から計画されています。ただし、どんな国策でも環境破壊は避けるべきです。NACS-Jの誕生の地、尾瀬のダム計画も阿寒岳の硫黄採掘も、戦後の復興に必要とされた国策で、当時の新聞には、この緊急事態に自然が大事なんて何を言っているんだという批判記事が見られます。しかし、当時の先輩たちが開発を止めてくれて、今があります。辺野古のサンゴ礁は将来世代のために失くしてはいけない、そう確信しています。それでも、国策に対しての強い意見は、純粋な環境保全の主張であっても、反体制的、政権批判、そんな誤解を受けがちです。だからこそ、科学的な根拠と理由を示すことができる主張を大切にしています。
NACS-J は、環境保全を科学的に実施してもらうために活動をしています。

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