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2023.12.27(2023.12.27 更新)

2023年10月、台湾で第3回国際サシバサミットが開催されました

イベント報告

専門度:専門度2

壇上に集まった関係者の写真

市貝町、宮古島市、宇検村、台湾(満州郷)、フィリピン(サンチェスミラ市)の首長と代表者によるサミット宣言(写真:Liao Jung-Hsin)

テーマ:生息環境保全森林保全絶滅危惧種里山の保全

フィールド:国際連携

NACS-Jは、サシバの繁殖地・中継地・越冬地を保全するため、国内外の自治体、NGOと連携して、国際サシバサミットの開催を推進してきました。

2019年に栃木県市貝町で第1回を開催後、コロナ禍の影響を受けつつ2021年に沖縄県宮古島市でオンライン開催。2023年10月は「国際サシバサミット2023台湾」を開催することができました。この台湾でのサミットの様子をお伝えします。

近年渡りのサシバが増加傾向に

サミットの開催地である台湾最南端の墾丁国立公園は、主に中国大陸で繁殖したサシバが越冬地であるフィリピン以南へ渡る中継地に位置し、秋の渡りにカウントされるサシバの数は1シーズンで10万羽を超えることもあり、近年増加傾向にあります。

増加傾向は2017年以降に顕著で、フィリピン北部でNACS-Jを含む日本のNGOが、地域と連携して密猟防止活動を進めてきた時期と重なることから、フィリピンでの密猟防止活動の成果だと考えられています。今回、サミット期間中が、今シーズンの渡りのピークと重なりました。学校を会場に、サミットに合わせて開催されたサシバフェスティバルの間中、上空を大群で飛翔するサシバの数は圧巻でした。

増加傾向を示したグラフ秋の渡りで台湾墾丁国立公園を南下するサシバの数の推移(台湾猛禽研究会)

木に留まるサシバの群れの写真満州郷の山地の水辺でねぐらをとるサシバの群れ

台湾サミットは、国・自治体・地域コミュニティ、NGOが連携して開催され、素晴らしいおもてなしで迎えていただきました。海外からは、日本、韓国、タイ、フィリピンが参加し、日本からは、市貝町、宮古島市に加えて、鹿児島県宇検村、神奈川県横須賀市が参加しました。

サシバと人との関係はそれぞれの地域ごとに異なる面がある一方、サシバが地域の豊かな自然のシンボルであり、サシバの保全が地域の持続的な発展につながるというメッセージについては、各地の発表に共通したものでした。

演奏する子どもたちの写真地元の伝統的な楽器を使った子どもたちの演奏(写真:Liao Jung-Hsin)

参加者の集合写真墾丁国立公園の渡り鳥観察場所(写真:荒井充子)

今年3月にはフィリピンで開催

各国自治体の首長が登壇してサミット宣言を採択し、2024年3月23~25日に第4回サミットをフィリピン・サンチェスミラ、第5回を奄美大島・宇検村で開催することを確認しました。

今回のサミットを通じて、各自治体とその関係者がサシバ保全を通じた地域づくりを推進する意欲を高めることができたと考えています。また、NACS-Jとしても、各国との意見交換を受けて、サシバの繁殖地・中継地・越冬地を持つ日本の役割、特に繁殖地保全の重要性を改めて認識しました。

上空のサシバの群れの写真10月13日早朝、フィリピンへ向かって飛び立つサシバの群れ(写真:Liao Jung-Hsin)

引き続き、サシバ保全のネットワークを国内の自治体に広げていきたいと思います。ご支援をよろしくお願いします。

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担当者から一言

出島さんの顔写真

リポーター
生物多様性保全部 出島 誠一
日本からはじまった国際サシバサミットを台湾の皆さんが受け継いで実施してくれたことに心から感謝したサミットでした。日本の生息地保全を推進することで皆さんの思いに応えたいと思います。

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