2020.12.21(2022.07.20 更新)
サシバ保全活動最前線!
報告
専門度:
テーマ:生息環境創出里山の保全絶滅危惧種
フィールド:里山田んぼ学校
日本自然保護協会(以下、NACS-J)では、絶滅危惧種の渡り鳥・サシバとその生息地の保全のため、繁殖地、中継地、越冬地のそれぞれで地域の皆様と協力して国際サシバサミットの開催ほか、耕作放棄地を田んぼに戻す活動やサシバの繁殖地で生産されたお米を利用した酒造り、サシバ保全の普及啓発活動などに取り組んでいます。
NACS-Jでは、絶滅危惧種のタカ「サシバ」を守るために、「国際サシバサミット」を開催し、繁殖地、中継地、越冬地の自治体やNGOと国際的な連携をしながら保全活動する基盤づくりを進めています。
▲絶滅危惧種の渡り鳥・サシバ(撮影:仲地邦博氏(宮古野鳥の会))
第1回サミットは、サシバの繁殖地として有名な栃木県市貝町にて2019年5月に開催しました。2021年は中継地の沖縄県宮古島の後、越冬地のフィリピン・ルソン島や台湾でも同サミットを開催する予定です。
中継地の宮古諸島では、かつてサシバを捕獲していた方法が国際的にもユニークであることから、捕獲に利用していた樹上の小屋「ツギャ(スギャ)」を縮小サイズで復元し、宮古島市総合博物館で展示が開始されました。
▲復元された捕獲小屋ツギャ
地元小中学校では2019年から開始したスマバンタカ(越冬サシバ)の調査の成果発表会が開催され、宮古諸島でのサシバと人と深いつながりが文化として記録され、地域の教育に活かされています。
▲スマバンタカ調査を発表する結の橋学園の生徒
繁殖地である栃木県市貝町の続谷地区では、新たに「ホタル千匹に舞ってもらうプロジェクト」と題して、耕作放棄地の復田や雑木林や土手の管理が進んでいます。
また、琉球泡盛「寒露の渡り」は、続谷地区のお米を原材料として、サシバの中継地の沖縄県宮古島市伊良部島でつくられており、来年2021年10月8日に販売開始分の仕込み作業が始まっています。
▲「寒露の渡り」と、市貝町農家さん
サシバの繁殖地として再生を目指す神奈川県横須賀市での復田作業も進み、2019年度までに約4000㎡が完了して、8月下旬に渡り途中のサシバが利用される姿も確認されました。
▲復田作業
▲復田した三浦半島の谷戸(やと)
この復田作業は今年もNPO法人生物多様性保全の皆様を中心に実施しており、この田んぼで栽培されたお米は、自然環境の再生につながる原材料調達などの取組み(渡り鳥プロジェクト)をNACS-Jと一緒に進めているLUSHの商品(ドント ルック アット ミーなど)にも活用されています。
サシバが繁殖活動をしてくれる里山になるよう、ご協力頂ける方はぜひご参加下さい!
●NPO法人三浦半島生物多様性保全【参加お申し込み】
https://mbcn-m.com/
サシバ保全 復田活動 詳細は下記をご覧ください。
ササを刈り、田んぼにするため土地を整えます。
1月8日(金):https://kokucheese.com/event/index/605856/
1月16日(土):https://kokucheese.com/event/index/605859/
1月25日(月):https://kokucheese.com/event/index/605860/<2月>
田んぼや畔に生えてきた樹木を伐採し田んぼの整備を進めます。
2月6日(土):https://kokucheese.com/event/index/605861/
2月8日(月):https://kokucheese.com/event/index/605862/
2月20日(土):https://kokucheese.com/event/index/605863/
2月22日(月):https://kokucheese.com/event/index/605864/<3月>
耕した田んぼに水を入れる作業を中心に、田んぼづくりを進めます。
3月6日(土):https://kokucheese.com/event/index/605865/
3月8日(月):https://kokucheese.com/event/index/605866/
3月20日(土):https://kokucheese.com/event/index/605867/
3月22日(月):https://kokucheese.com/event/index/605868/
●「寒露の渡り」販売サイトはこちら。
https://kanronowatari.stores.jp/
●サシバがつないだ国産米の琉球泡盛「寒露の渡り」の紹介動画です。
●NACS-Jも協力してLUSHが製作した自然環境の保全と再生につながる原材料購買活動の紹介動画です。
絶滅危惧種の渡り鳥・サシバ保護活動へのご支援のお願い
日本の里山で子育てを行うサシバ。しかし、近年の耕作放棄や効率化を重視した一次産業の普及等によって、里山の生き物は減り、日本でのサシバの繁殖場所は1970年代の7割以下に減少しました。里山がサシバが子育てのできる、多くの生き物が育まれる場所であり続けられるように、この保全活動をご支援ください。