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2021.01.04(2021.01.07 更新)

赤谷の森のイヌワシが3年ぶりに繁殖成功!

報告

専門度:専門度2

▲2020年に赤谷の森で巣立ったイヌワシ幼鳥(雄)「ミライ」(撮影:上田大志氏)

テーマ:生息環境創出絶滅危惧種

フィールド:森林

群馬県みなかみ町で取り組む赤谷プロジェクトでは、絶滅の危機にあるイヌワシの生息環境を改善するために、皆様からのご支援を活用して、2014年からイヌワシが狩りをする場所の創出試験を進めてきました。

赤谷の森のイヌワシは、2010年以降6年連続で繁殖に失敗していましたが、今年は2016、2017年に続く繁殖成功です。巣立った幼鳥は地元小学生によってミライと名付けられました。

イヌワシが狩りをする場所の創出試験は、2015年に約2haのスギ人工林を伐採し、その後も2018年に約1ha、2019年約1ha、2020年0.6haの伐採を進めてきました。

▲上空から見たイヌワシ試験地(写真:赤谷森林ふれあい推進センター)

これらの伐採地を1km四方の範囲内につくることで、イヌワシが効率的に獲物を探せるようにしています。実際に、伐採地上空でイヌワシの狩りに関する行動は年々増加し、2020年には計20回確認されており、伐採地内の獲物に向かっていく行動も2017年9月以降計3回確認されています。

これらのことから、伐採地の創出が繁殖成功に貢献していると考えており、多くの方のご支援による繁殖成功と言えます。2020年10月で伐採開始後5年が経過したことから、現在、試験結果の取りまとめと、次の5年間の計画策定を進めています。

獲物を探す行動と獲物に狩りをする行動の確認数を示したグラフ

▲2015年9月~2020年9月の5年間に試験地で観察されたイヌワシの狩りに関する行動の回数

イヌワシを絶滅させないために

2020年、日本野生動物医学会誌に「ニホンイヌワシの保全科学:現状と将来展望について」という総説論文が英文で発表されました。

日本のイヌワシの現状を学際的に評価し、保全を進めるための次のステップが提案されています。現在、この論文を基に、専門家と共に具体的な次の保全策や研究について検討を進めています。今年春には発表できる見込みです。引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。

※日本自然保護協会の活動は皆様からの会費やご寄付で支えられています。日本自然保護協会の活動にご支援をよろしくお願いいたします。支援の方法はこちらから

担当者から一言

出島誠一

リポーター
生物多様性保全部 出島誠一
親子が空を舞う姿は何度見ても素晴らしい。皆様に支えられてきた取り組みの成果を次のステップにつなげます。

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