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2009.07.01(2018.06.27 更新)

【自然しらべ2009】みえてきたこと~湧き水でみられる生きもの

調べる対象:湧水

湧き水でみられる生きもの

よく目についたのは、きれいな水辺に代表的な在来種


▲サワガニ(熊本県・類吉さん)

▲カワニナ(長崎県・大埼さん)

水辺に近づいて、水の中や周りに生きものがいないかしらべていただいたところ、約1,300件の情報が届きました。
そのうち多かったのが、サワガニ(76件)、カワニナ(56件)や、セキショウの仲間(28件)。いずれも、水質がよく水温が低い水辺を代表する在来の動植物で、これらの生きものに対する日本人の認識が高いことがうかがえます。
一方で、外来種のアメリカザリガニや、コイやニジマスなど放流された養魚が、人為的な要因で広く分布しているのが目立ちました。これらも、見つけやすく、人々になじ みの深い生きものであることの表れでしょう。トンボの仲間や水生昆虫の報告が思ったより少なく、発見のしづらさや種類の見分けの難しさによるものと考えられます。

 

レッドリストの掲載種が34種も


▲バイカモ(新潟県・山本さん)

▲コウホネの仲間(東京都・萩原さん)

さらに、環境省による最新のレッドリスト(絶滅のおそれのある生きもののリスト)に掲載されている種の報告が、34種・71件ありました。中でも多くみられたのは、東北・北陸・北関東地方の山地から低地に分布するクロサンショウウオや、湧き水ならでは環境に生息するホトケドジョウ、田んぼ・小川などの水辺にくらすトウキョウダルマガエル。植物では、水の中でユラユラと揺れるバイカモやコウホネの仲間が多くの人の目についたようです。
市民の力でこれだけの貴重な情報が集まったことは大きな成果であり、湧き水環境が自然保護上重要な場所である証といえるでしょう。

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