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2021.09.02(2023.09.22 更新)

南三陸でイヌワシ生息環境再生協議会が発足!

報告

専門度:専門度2

▲2019年秋、かつてのイヌワシ生息地内で、株式会社佐久が管理するスギ林(FSC認証林)の伐採・再植林が行われた。

テーマ:絶滅危惧種里山の保全生息環境創出

フィールド:里山森林

 
宮城県南三陸地域にはかつて4つがいのイヌワシが生息していましたが、今はつがいの定着が見られません。NACS-Jでは、2015年より多様な主体が連携したイヌワシの生息環境再生に取り組んでいます。

昨年3月、国有林、民有林、自治体が連携した「南三陸地域森林整備推進協定」が締結され、かつてのイヌワシ生息地内で持続的な林業振興を進めつつ、生息環境を再生する取り組みが具体化されました。今年5月には、林業だけでなく、山を利用する多様な主体を含む「南三陸地域イヌワシ生息環境再生プロジェクト協議会」が発足しました。

この協議会の特徴は、各主体が、山を持続的に利用した多様な産業に取り組み、その産業を通じてイヌワシの保全を行っていることです。国宝重要文化財などの茅葺屋根を補修する熊谷産業(石巻市)による茅場の維持管理や、共有林でのヒツジの放牧、伝統的な山火事対策である火防線の維持管理とそれを利用したレクリエーションなどです。

多様な主体が多様な森林利用によって、イヌワシの生息環境保全と、山の産業の両方を再生する画期的な取り組みです。イヌワシの保全には、このような取り組みが全国に広がることが不可欠です。

 

南三陸を舞台にした絵本『イヌワシの棲む山』

絵本の写真▲絵本『イヌワシの棲む山』。PDFはウェブサイトでも公開されています。

南三陸地域で日本で3番目となるイヌワシの繁殖地を発見し、イヌワシの生態研究に取り組んだ故立花繁信先生を記念した絵本が、6月25日に出版されました。南三陸地域の小中学校や図書館などの公共施設を中心に配布されています。

絵本『イヌワシの棲む山』のPDF版(山さ、ございん)

 
非売品ですが、残部僅少。要望が多ければ予算を確保しての増刷も考えているとのことです。入手やご寄付に関するお問い合わせは、南三陸ネイチャーセンター友の会まで。

絵本『イヌワシの棲む山』に関する問い合わせフォーム

 

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担当者から一言

担当者の顔写真

リポーター
生物多様性保全部 出島誠一
鈴木さん(協議会会長)と佐藤さん(副会長)にお会いし、7年をかけて発足した協議会は私にとっても感慨深い!

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