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2021.01.27(2021.04.02 更新)

中池見湿地で水環境の変化をモニタリング中

調査報告

専門度:専門度2

▲湧水が減少している、通称「お地蔵さんの谷」

テーマ:里山の保全

フィールド:里山湿地

 

2020年に北陸新幹線のトンネルが開通

中池見湿地(福井県敦賀市)は世界的にも希少な約10万年の歴史を持つ40mもの厚さの泥炭層が堆積する湿地で、トンボなど生物多様性豊かな環境が評価され、2012年7月にラムサール条約の湿地として登録されました。

しかし、登録直後に湿地を貫通する北陸新幹線のルートが公表されました。NACS-Jは地元市民団体と共に保護活動に取り組み、2015年に環境影響がより少ないルートへの変更が実現しましたが、湿地の水源となる山をトンネルが貫通することは回避できませんでした。

その後、NACS-Jなどの働きかけにより国内で初めてとなるラムサール条約ガイドラインに基づく「環境管理計画」が策定されました。トンネルの掘削工事が2019年1月からスタートし、2020年8月にはトンネルが貫通し、現在は漏水を遮断する工事が進んでいます。

12月13日に中池見湿地のモニタリング調査結果を話し合う専門家委員会があり、今のところ重要な湿地本体の水環境の変化は生じていませんが、湿地本体の水の唯一の出口となっている谷に流れ込む湧水が減少していることが分かりました。

▲2013年9月16日通称「お地蔵さんの谷」。水が豊富に流れる。

▲2020年12月12日通称「お地蔵さんの谷」。水はほとんど流れていない。

地元団体で調査した結果、希少種も見つかっていることから、市民・事業者両方で水みちが変わっていないかなど、今後も現場の状況を注意深く観察し、関係者で協力していくことが確認されました。

トンネルの防水工事も4月上旬頃(工程遅延により変更)に終わることになっており、保全対策も正念場となっています。NACS-Jは、引き続き今後の見本になる「環境管理計画」の実施に向けて地元市民団体をサポートしながら中池見湿地の保全を進めていきます。

 

これまでの活動

北陸新幹線トンネル工事で中池見湿地のマンガン採掘坑の生き物はどうなる?(2017年7月)
ラムサール条約「中池見湿地」において国内初の環境管理計画づくりが実現(2019年1月)
北陸新幹線が貫通する「中池見湿地」のトンネル工事現場を視察(2020年4月)
中池見湿地の水環境調査のため、旧マンガン廃坑に入ってきました(2021年2月)

2017年より前の活動については下記をご覧ください

中池見湿地の保全

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担当者から一言

福田さんの顔写真

リポーター
市民活動推進部 福田真由子
中池見湿地の旧マンガン坑内に、調査のため勇気を出して初潜入。頼るはスマホのライトのみ。貴重な冒険でした!

 

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