日本自然保護協会は、生物多様性を守る自然保護NGOです。

  • 文字サイズ

モニタリングサイト1000里地調査

2019.03.27(2019.03.28 更新)

埼玉県飯能市
2019年3月16日

早春の里山でアカガエル類調査講習会!

関連イベント

専門度:専門度2

屋外で調査する参加者(写真)

こんにちは、自然保護部の後藤ななです。

「里山」では、田畑やため池などの水辺、そして雑木林といった森林など、様々な環境がモザイク状にまじりあっています。そうした複雑な環境を調査するために、モニタリングサイト1000里地調査(以下、モニ1000里地調査)では、9つの調査項目で総合的に里山の自然環境の調査をしています。

その9つの調査項目のなかの一つに「カエル類調査」があります。カエル類調査では、森林と水辺の連続性の指標種として、早春に卵を産むアカガエル類の卵塊数を調査します。

今回、3月16日に、埼玉県飯能市にある一般サイト「天覧山・多峯主山周辺緑地(以下、天覧山)」にて、このカエル類調査の調査講習会を開催しました。関東の全都県から参加者約20名が集まりました。

アカガエル類には、本州から四国、九州地方に分布する種に、ニホンアカガエルとヤマアカガエルというよく似た2種がいます。モニ1000里地調査の調査サイトでもこの両種ともが生息している場所もあり、これまでも2種の見分け方についてご質問をいただくことが多くありました。そこで、今回の講習会では、2種が生息している天覧山を会場に、これらの見分け方について実際に現場でみてみることにしました。

講習会の当日は、やや雲の多い晴れの日となりました。午前の回と午後の回として、2回講習を行い、屋内で調査の目的や手法について簡単にご説明したのち、屋外実習として、実際に現地で記録の取り方等について確認しながら、実際のアカガエル類の卵塊をじっくり観察しました。

講師には、カエルの研究をされている東京農工大学の休場(やすみば)聖美さんにお越しいただき、カエルの詳しい生態などの話も交えて解説していただきました。

ヤマアカガエルとニホンアカガエルについて見極めるときには、卵塊を持ち上げてみたときの感触(ニホンアカはプルンと持ち上がる、ヤマアカは持ち上げることは困難で指の間から抜け落ちていく等)や、発生の進んだオタマジャクシの模様や周辺の成体の確認、その地域での2種の分布状況なども総合的にみていくことが大事というお話もしていただきました。

 

ニホンアカガエルの卵塊(写真)
▲ニホンアカガエルの卵塊の観察。しっかり持ち上げられる

 

講習会当日は3月中旬ともなり、アカガエル類の産卵のピークは過ぎたかなと話していたのですが、ちょうど、午後の屋外実習のときにパラパラと雨が降り出し、その瞬間、里山のあちこちからクゥルルルル…と一斉にヤマアカガエルたちの合唱が聞こえてくるという嬉しい出来事がありました。

さらには、卵塊の観察中にピョコンとニホンアカガエルの雄も登場してくれました!

 

ニホンアカガエル(写真)
▲ニホンアカガエルの男の子!

 

講習会の最後には、関東各地からお集まりいただいた皆さんで、お互いの活動を紹介しあう小さな交流会を行いました。参加者の方からは「カエルたちが、これからも里山で住みやすく暮らしていける環境を残していきたい」という言葉もあり、皆で、里山を守っていく活動への想いを確かめ合い、励まし合う場となりました。

お集まりいただいたサイトでは、まだ雪が積もっているというところもあり、4月に入ってから調査をするという場所もありました。これからが本格的な調査となるかと思いますが、今後ともNACS-Jとモニ1000里地調査をどうぞよろしくお願いいたします!

お集まりいただきありがとうございました!

 

交流会の様子(写真)