2025.08.25(2025.08.25 更新)
「(仮称)苫東厚真風力発電事業」が計画取り止めに!
報告
専門度:
新千歳空港付近の上空から、計画予定地付近を撮影
テーマ:絶滅危惧種
日本自然保護協会(以下、NACS-J)が2024年9月に中止を求めていた「(仮称)苫東厚真風力発電事業」(北海道勇払郡厚真町)の計画取り止めが発表になりました。
この計画は大阪ガス株式会社の完全子会社であるDaigasガスアンドパワーソリューション株式会社が計画していたものです。NACS-Jは、国内希少野生動植物種で特別天然記念物のタンチョウ、国内希少野生動植物種のオジロワシ、オオワシ、クマタカ、チュウヒ、ハヤブサ、渡り鳥などへの影響の懸念があり、更には、アセス準備書掲載の調査内容にも多くの誤りがありました。
そのため、NACS-Jは調査のやり直しおよび、計画そのものの中止を求めていました。
気候変動対策と生物多様性保全は両輪です。気候変動対策によって、深刻な生物多様性の毀損があってはいけません。Daigasガスアンドパワーソリューション株式会社は、取りやめの理由に生物多様性の保全を挙げていませんが、今回の一件は、ネイチャーポジティブの実現に向けた英断だと評価できます。
今後、自然環境に十分に配慮した適切な場所で、風力発電をはじめとした再生可能エネルギー推進が図られることを期待します。