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2022.12.26(2023.09.20 更新)

宮古で、サシバの記念講演会開催 &俳句コンテスト入賞作品発表

イベント報告

専門度:専門度2

会場の写真

▲サシバ飛来数調査50回記念講演会

テーマ:絶滅危惧種里山の保全

絶滅の危機に瀕している渡り鳥「サシバ」は、日本の里山で繁殖し、冬は東南アジアに渡りをする絶滅危惧種のタカです。沖縄県宮古島市は、サシバの重要な中継地で毎年サシバが飛来します。宮古島市とサシバは、古くから深い関わりがあり、かつては貴重なタンパク源とし捕獲して食べていたことも含めて「宮古のサシバ文化」が育まれてきました。

宮古島市伊良部島での飛来数調査50回目を記念した講演会を開催しました。また、5回目を迎えたサシバ俳句コンテストの受賞作品を発表します。


記念講演会開催

伊良部島では、1973年からサシバの飛来数調査が沖縄県と宮古野鳥の会によって実施され、2022年で50回目を迎えました。半世紀にわたる科学的な調査は、日本で最も歴史のある自然環境調査であり、その調査データは、日本で繁殖するサシバの個体数を指標するデータとして、環境省レッドリストの絶滅危惧Ⅱ類指定の根拠になりました。

2022年10月16日、50回記念講演会を宮古島市、宮古野鳥の会、NACS-Jとの共催で開催しました。サシバの研究者である岩手大学の東淳樹さんの基調講演では、半世紀に渡って調査が続けられてきた価値をたたえるとともに、減少し続ける飛来数を増加させる取り組みの必要性を訴えました。それに答えるように、伊良部島小中学校児童生徒会の発表では、サシバ保護の取り組みを続けていくことが宣言されました。

サシバの森づくり

NACS-Jは、伊良部島でサシバと地域の生物多様性を保全することを目的とした「サシバの森」づくりを進めています。2022年は新たに0.06haの場所を設定し、宮古森林組合に協力いただいてギンネムを除去し、三菱地所グループ社員の方々と共に高木性のテリハボクを植栽しました。今後、地域の方々と連携して保全作業を進めていきます。

①サシバ(写真:仲地邦博)、②サシバの森づくり。テリハボクを植栽中、③サシバ俳句コンテスト応募票

俳句コンテスト

NACS-Jは国際的なサシバの保全活動を進めており、2019年5月に栃木県市貝町で国際サミットを開催、2021年は宮古島市で開催しました。サミットに合わせ、宮古島市の子どもたちにサシバへの思いを俳句にしてもらい全国に届けたいと考え、2018年より市内の小中高校生を対象に「サシバ俳句コンテスト」を開催しています。5回目の開催となる今回は、新たに大人からの応募を受け付けたほか、「宮古島市長賞」「宮古島市教育長賞」「宮の華賞」を創設しました。今回は小学校15校、中学校12校、高校4校、大人58人から、過去最高となる1025件の応募をいただき、大賞はじめ入賞句を決定しました。

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担当者から一言

三好さん顔写真

リポーター
自然のちから推進部 三好紀子
今年は平和への願いをサシバにのせて詠んだ俳句も目立ちました。大変多くの皆様からのご応募、本当にありがとうございました!

出島さんの顔写真

リポーター
生物多様性保全部 出島誠一
2022年の伊良部島へのサシバの飛来数は約8千羽でした。かつての5万羽までは難しくても回復基調にするための活動が必要です。

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