日本自然保護協会は、生物多様性を守る自然保護NGOです。

  • 文字サイズ

スタッフブログ

Home 主な活動 スタッフブログ 絶滅寸前の四国のツキノワグマ現地調査

スタッフブログ 一覧へ戻る

2020.12.04(2020.12.07 更新)

絶滅寸前の四国のツキノワグマ現地調査

報告

専門度:専門度2

テーマ:絶滅危惧種

フィールド:森林

こんにちは!広報会員連携部の後藤ななです。

日本自然保護協会(以下、NACS-J)では、2017年より絶滅寸前となっている四国のツキノワグマの保護を目的に、日本クマネットワーク四国自然史科学研究センターとともに活動を進めています。

四国のツキノワグマの保護活動3年間の活動報告 ~剣山系付近にのみ16~24頭生息~

今回、10月14日~16日に、これからの四国のツキノワグマの活動をどのように発信していくか検討するために、徳島県、高知県にまたがる生息地付近に行ってきました。

この視察では、現地で活動を進めている四国自然史科学研究センターの安藤喬平さんにご案内いただき、地域で活動されている様々なセクターの方にお会いすることができました。その様子を、4回に分けてご紹介します!

四国ツキノワグマ 調査現場へ同行

▲写真1:森のなかにセットされた自動撮影カメラ(右奥)とツキノワグマを誘引するための仕掛け(中央)

2日目、次に向かったのは、四国のツキノワグマの個体識別のために、森のなかにセットされた自動撮影カメラの場所です。

自動撮影カメラは、木で骨組みされた仕掛けの正面に設置されています(写真1)。木で骨組みされた仕掛けの中央には、ワインとはちみつをまぜたものが入った容器が設置されています(写真2)。

ツキノワグマは鼻がよく利くため、このワインはちみつの香りに誘引され、木の仕掛けに手をかける形で容器に口を近づけます。

簡単には開かない構造になっていて、クマが容器を開けようと手間取っている間に、そのツキノワの模様を撮影するという仕組みになっています。

▲写真2:ツキノワグマを誘引するための仕掛け(拡大)※中の容器は回収後

これらのカメラは、四国のツキノワグマの個体識別をするために設置されています。ツキノワグマの名前の由来である胸元のツキノワの模様は、個体ごとに異なります。

森の様々な場所に仕掛けられたカメラで撮影をすることで、どの場所にどの個体が来ているか、繁殖して子連れかどうかなど、クマの行動や個体数の把握をしているのです。

▲写真3:仕掛けに付着したクマの体毛を回収

この日は、仕掛けにクマの体毛がついていたので、DNA調査のためのサンプルとして回収もしました。

写真による個体識別は有効な手段ですが、体毛を採取することで、個体特有のDNA情報を蓄積したり、写真では見分けの付きづらい個体を特定することができます。

野外に長く置かれてしまった体毛はDNAが劣化してしまって検査できない場合もありますが、個体数の少ない四国のツキノワグマの生態等の解明のために、写真撮影や体毛、その他捕獲個体からの血液採取など、一つひとつがとても貴重な手がかりになります。

2019年には、これまでの地道な調査をもとに、四国全体でのツキノワグマの個体数が推定されました。

四国のツキノワグマ3年間の調査結果 剣山系付近にのみ16~24頭生息

四国のツキノワグマは、この結果から16~24個体しか生息していない危機的状況が明らかになりました。

一方で、ツキノワグマの適切な保全や絶滅回避をするためには、さらなる調査と把握も重要になっていきます。

つづく

「四国ツキノワグマ保護活動」現地視察記 こちらもどうぞ

  1. 那賀町木頭 柚子色の「未来コンビニ」
  2. ツキノワグマと共生する養蜂
  3. 四国ツキノワグマの調査
  4. 「クマ剥ぎ」の現場

 

NACS-Jでは、日本クマネットワーク、四国自然史科学研究センターと協力して「四国ツキノワグマ保護活動」を進めています。

世界で最も小さい島に生息するツキノワグマを守り続けるために、皆さまからのご支援をよろしくお願い致します。

四国のツキノワグマ3年間の調査結果 剣山系付近にのみ16~24頭生息

スタッフブログ 一覧へ戻る