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2020.09.16(2020.09.18 更新)

新型コロナウイルスによる野外活動への影響アンケート調査報告

調査報告

専門度:専門度2

新型コロナウィルス感染が拡大していた2020年3、4月頃から自然観察会など野外活動にも自粛をはじめさまざまな影響がありました。

NACS-Jでは、会員・指導員・関係者の方から、環境の変化や活動の困りごとなど現場の声を多く集めることを目的に、1ヶ月間(6月19日~7月20日)にアンケート調査を実施しました。

回答や呼びかけのご協力に感謝申し上げます。そのアンケートの集計結果を報告します。


新型コロナウイルスによる野外活動への影響アンケート調査報告

1.背景

新型コロナウイルス感染症対策本部は2020年4月7日に緊急事態宣言に発出した。その後、5月25日まで続いたが、宣言の始まりと解除は都道府県によって異なり、表1のように期間と対象日数に差があった。
新型コロナウイルス感染防止のために、上記の緊急事態宣言期間を中心とした外出自粛期間から数か月、日本自然保護協会(以下、NACS-J)の会員・自然観察指導員・関係者の方から、活動の変化や、困りごとなど、現場の声が寄せられてきた。

NACS-Jとしてウィズ&アフターコロナの社会に向けた政策提言や保護活動の支援のために、より広範囲にわたって、地域の活動の実態の状況と地域の声を集めたいとの想いから、アンケート調査を行った。

表1.緊急事態宣言対象地域と対象日数

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2.アンケートの概要

呼びかけた媒体:NACS-J会報7・8月号付録(11,302件)、メールマガジン「しどういん徒然」(受信者7,760名)、モニタリングサイト1000里地里山の調査員へのメール連絡(約230名)、いずれもNACS-J会員が占める割合が多く重複をしている。

期 間
2020年6月20日(土)~7月20日(月)
対象者
NACS-J会員と自然観察指導員、および活動に関わる関係者
設 問
  1. ご自身で参加したり活動している種類を教えてください。(複数回答可)
    自然観察会、自然環境の調査活動(モニタリングサイト1000を含む)、雑木林や水田など里山の保全管理、自然学校や野外教育施設などでの野外活動、学校での授業や部活動の指導、ネイチャーツアーガイドやダイビングのインストラクター、外来種や鳥獣被害の防除活動、希少種や絶滅危惧種の保全、自然公園や緑地の巡視、その他
  2. コロナ危機の前と今を比較して、ご自身の活動(※)の状況を教えてください。
  3. コロナ危機によって生じた、活動の困りごとやその対応を教えてください。
  4. コロナ危機によって生じた、活動地(フィールド)での良い影響、悪い影響を教えてください。
  5. コロナ危機を乗り越えるために、工夫した活動や行動、暮らしについて教えてください。
  6. コロナ危機後に向けて、活動を進めるうえで必要な情報や支援、有益な情報の共有、ご意見ご要望などがあれば、教えてください。

※「活動」とは自然保護の活動全般(観察会、保全活動、保護活動、ガイド、施設や団体運営など)です。
① NACS-Jの会員、②年齢層、③住んでいる都道府県、④市町村区、⑤連絡先(メールアドレス)

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3.アンケートの結果

3-1.回答者の属性

アンケートの回答数は177件、うち4件は二重回答のため、有効回答数は173件であった。
回答者の属性は、自然観察指導員が141件(81.5%)、一般会員が27件(15.6%)、非会員が5件(2.9%)であった。回答者の年代は、20代が1件(0.6%)、30代が8件(4.6%)、40代が19件(11.0%)、50代が44件(25.4%)、60代が67件(38.7%)、70代が31件(17.9%)、80代以上が3件(1.7%)と60歳以上が60%近くを占めていた

回答者の地域は37都道府県に渡り、北海道・東北地方が9件(5.2%)、関東地方が67件(38.7%)、北陸・甲信越地方が8件(4.6%)、東海地方が31件(17.9%)、近畿地方が17件(9.8%)、中国・四国地方が29件(16.8%)、九州が12件(6.9%)であった。

特に緊急事態宣言対象期間が30日以上であった9つの都道府県の回答者数は、北海道が4件、埼玉県が7件、千葉県が10件、東京都が28件、神奈川県が11件、京都府が3件、大阪府が8件、兵庫県が4件、福岡県が2件で合計77件であった。

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3-2.活動への影響 ~活動の休止・縮小が82%~

活動の状況は拡大が1件(0.6%)、休止44件(25.4%)、縮小98件(56.6%)、変化なし30件(17.3%)となっており、普段の活動が休止および縮小となったのは82%と大きな影響を受けていることが明らかとなった(図1)。

中国・四国地方では変化なく活動している割合が8%と低く、北海道・東北地方と北陸・甲信越地方では20%以上と高い傾向にあった。関東地方と東海地方では活動そのものが休止になっている割合が30%以上にのぼり、地方による活動状況の差がみられた。

図1.地方ごとの活動状況

特に緊急事態宣言が1か月以上発出されていた9都道府県では、1か月以内の都道府県に比べて、活動休止となっている割合が約31%と高い傾向にあった。

一方で、変わりないと回答した割合は緊急事態宣言の期間の長さによる違いはあまり見られず、感染のリスクの低いとされる地域では、活動を休止せずに縮小して継続してきた傾向にあった(図2)。

図2.コロナ禍における活動状況

活動内容ごとの影響であるが、希少種や絶滅危惧種の保全外来種・鳥獣被害防除の取り組み、里山の保全管理自然環境調査などの、継続して行わなければいけない取り組みは、コロナ禍にあっても、変化なくもしくは縮小しながらも活動をしていた。

一方で、自然観察会、学校や部活動の指導、自然学校などでの野外活動などの、人と接する取り組みは変化なく取り組んでいる方の割合は少なく、大きな影響を受けている(図3)。

図3.活動内容とコロナ禍における活動状況(クリックすると拡大します)

特に回答者の約84%が普段の取り組み内容として記述している自然観察会も大きな影響を受けている活動の一つである。

ここ数ヶ月の間に、コロナ禍前と変わらずに継続して実施してきた割合は全体の約3%に過ぎず、休止した割合は全体の約65%、縮小して実施した割合は約31%であった。特に地方別に比較をしてみると関東地方でその傾向があった(図4)。

また、緊急事態宣言が長く継続した地域では約78%が自然観察会そのものを休止した、一方でやや短かった地域では休止は約57%であり、こちらも縮小して実施してきたことが分かる(図5)。


図4.自然観察会の開催状況の地方別比較(クリックすると拡大します)

図5.コロナ禍の自然観察会の実施状況

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3-3.自然への影響 ~人の利用によって影響も様々あった~

自然への影響についての(アンケートの取り方が)良い点と悪い点双方を同じ回答欄に記入するようになっていた。173件の回答のうち、36件は空欄もしくは自身の活動フィールドに行けていないために状況が不明であった。

残りの回答を良くなかったか、悪くなったかの記述を主観的な分類を行った。その結果、良くなった点のみを挙げている回答が50件、悪くなった点のみを挙げている回答が41件、良くなった点と悪くなった点双方を挙げている回答が9件あった。一方で変化なしとの回答も37件あった(図6)。

図6.自然環境の影響

良くなった点として多く記入されたのは、人の立ち入りが減った18件、生物が増えた16件、自然に親しむ人が増えた10件であった。一方、悪くなった点とし多く記入されたのは、管理が不届きになった15件、人の立ち入りが増えた12件、盗掘が増加した10件であった。

このように活動してきたフィールドへの人の立ち入りの数の変化を認識していることが明らかとなった。人の立ち入りが減少しているケースの場合は、良化と捉えている場合が多いが、人の立ち入りが増えているケースでは、悪化と捉えている場合が多いものの、良化と捉える場合も一定数みられた(図7)。

図7.活動フィールドへの人の立ち入り変化による評価

緊急事態宣言が長期に渡って発出された都道府県ではフィールドへの人の立ち入りが増加したとする回答者の割合が多い傾向にあり、緊急事態宣言が1か月以内の都道府県では減少したという回答が多い傾向にある(図8)。これは都市近郊の公園に人混みを避けて訪れる人や、自宅付近で過ごす人が増えたことにより散歩などにより自然に親しもうとする人が増えたことを示していると考えられる。

このような緊急事態宣言が長期に渡った地域で外部の人の増加を報告している回答13件のうち10件は影響を悪化としてとらえており、一方で、減少したと回答した9件のうち7件は環境が良化したと捉えている。

同時に、活動し管理を行ってきた人たちのフィールドへの立ち入りも制限がされており、そのことによる管理不足なども生じている。フィールドにどのような人の利用や関与があったかが関係し、表2のように事象を分けることができる。

図8.活動フィールドへの人の立ち入り変化

表2.人の利用や関与の変化による自然環境や
自然のふれあいに生じた事象

その代表的な事象を表2の分類ごとに紹介をする。

(1)人の利用や関与が増加・プラスの事象

  • フィールドに来る人が増え、自然を知らないよりは、いいことだと思う。(福井県敦賀市)
  • フィールドを散策する親子や増えた。(熊本県熊本市)
  • 多くの人が身近な公園や緑地を訪れることで自然への関心の高まり、緑の重要性の理解が進んだ気がする。(東京都日野市)
  • フィールドに普段を上回る人が多く訪れた。地域の自然の素晴らしさに気づいたという声を多く聞いた。(東京都東久留米市)
  • 散歩する人が増えて、自然に興味を持つ人が多くなったように感じる。(東京都国分寺市)
  • 身近な自然に関心が高まった小規模な野外活動に関心が高まった。(山口県)
  • 自身も身近なフィールドに頻繁に通うようになりいつもの年より多くの発見があった。(東京都日野市)
  • いつもは来ない人が自然に接したのは良いこと。(愛知県長久手市)

(2)人の利用や関与が増加・マイナスの事象

  • コウボウムギなど植物へのインパクトが強くなり成長が遅れている。(兵庫県西宮市)
  • 海岸草原などで車中泊キャンプをする人が出てゴミや野火などの問題が起きた。(北海道浦幌町)
  • 迷惑駐車やゴミの投棄、植物採取など公園が一層荒れた。(群馬県藤岡市)
  • 盗掘や採集が増えた。田畑や散策路外に入る人が増えた。(神奈川県横浜市)
  • 禁止されているトレランやマウンテンバイクが入るようになった。(神奈川県横浜市)
  • ビオトープ池のオタマジャクシがすべて持ち去られた。(神奈川県鎌倉市)
  • 普段山などへ来ないため、自然との適切な距離感を知らない人が増えた。(神奈川県鎌倉市)
  • 里山に来る人が増えゴミが増え今までになかったところに道ができた。(大阪府岸和田市)
  • 自然愛好家以外に散歩者や自転車愛好家なども増え、公道でないところに道をつけて困った。(神奈川県横浜市)
  • 森への出入りが多くなり、山菜などの持ち去りが増えた。(北海道帯広市)
  • 盗掘が増えた。(千葉県松戸市)
  • 盗掘されてショックだった。(島根県益田市)
  • 希少種の採種が増えて困る。(滋賀県、大津市)
  • 希少植物の写真やアクセス情報が容易にばらまかれている。(神奈川県相模原市)
  • コロナ難民による自然環境負荷の増大。(長野県軽井沢町)
  • 自然公園内の人出が増えて野草などへの撹乱が増大した。(千葉県佐倉市)
  • 干潟では、かえって採捕者人数が増えた。二枚貝類の乱獲傾向促進。海岸の不法駐車増加。(岐阜県神戸町)
  • 子ども連れでの山菜採りなどが増えたように感じた。(広島県広島市)
  • 身近なフィールドが行き場を失った人の散歩などの場所となり、観察がしにくい箇所も出てきた。(熊本県熊本市)
  • 普段人のいない緑地にも多くの人が訪れ、盗掘が増えた。(東京都日野市)
  • マナーの悪い利用者が目についた。園路外への立ち入りや採集禁止の場所にも関わらず網を持ってくる親子など。(東京都日野市)
  • 河川敷にも人が多く集まり、河原で繁殖する野鳥(チドリ類やヒバリ)への影響が懸念された。(東京都日野市)
  • 職員に余裕があったのか草刈がしっかり行われ、観察対象が減っていた。(愛知県岩倉市)
  • 一時期、公園などは人がたいへん増えたので、観察会には利用しづらい時もあった。(熊本県熊本市)
  • コロナ中でも採集は,いつものようにあった。(広島県三次市)
  • いつもは利用していないマナーを知らない人がたくさん訪れた。(神奈川県横浜市)

(3)人の利用や関与は変化なし

  • 人の手による環境保全は継続していたので、特に悪い影響はない。(青森県階上町)
  • 特に今のところフィールドへの影響は感じていない。(群馬県太田市)

(4)人の利用や関与が減少・プラスの事象

  • 夜空の星が綺麗になった。公害や光害の減少が痛感できた。(石川県金沢市)
  • 行政が三密を避けるために海浜でのBBQを禁止にした結果ゴミが減った。(兵庫県西宮市)
  • 海岸に流れ着く漂着ゴミの量が一時的に減っていた。(静岡県御前崎市)
  • 砂浜でコアジサシが集団営巣を始めた。(神奈川県川崎市)
  • 生徒が来なくなった学校の校庭横でキビタキの繁殖が確認された。(兵庫県豊岡市)
  • 2ヶ月人が入らず池にカルガモが巣を作った。(千葉県我孫子市)
  • 今まで営巣していなかった遊歩道にも巣が作られていた。(静岡県三島市)
  • 人出が少なく春の花を長く楽しめた。(徳島県徳島市)
  • 閉鎖期間中は、生き物たちの姿がよくみられた。(青森県階上町)
  • 林内でのカモシカなど動物の出現が増えた。(愛知県名古屋市)
  • 長年の観光客(団体)が立ち入り裸地化していた場所の植生が人の立ち入らないことにより復活し始めた。(栃木県日光市)
  • 草刈りが中止によって、いろいろな花木が自生していることが分かり、今後の里山の花として活かすべく刈られない様に保全を始めた。(滋賀県東近江市)
  • オーバーユースが回避できた。(神奈川県横浜市)
  • オーバーユースは軽減できている。(福島県北塩原村)
  • 人が少ないので歩きやすい気がする。(大阪府枚方市)
  • 大気汚染や水質汚染等の負荷は大きく減った。(群馬県前橋市)
  • 人の影響が排除されて自然環境が回復しているところがあるようだ。(福岡県福岡市)
  • 人が立ち入らない山域ではクマなど野生動物との遭遇が多くなった。(東京都多摩市)
  • 自然環境が回復していると思う。(岐阜県高山市)
  • 利用者の減少に伴い、裸地化が進む登山道に歯止めがかかっている。(福島県福島市)
  • 観光客の減少により、希少植物、昆虫などの盗掘がなくなった。(鹿児島県瀬戸内町)
  • 人の出入りが少なくなり、生き物が、伸び伸びしているように感じた(熊本県熊本市)

(5)人の利用や関与が減少・マイナスの事象

  • ササ刈りなどの作業が停止し光環境が悪化している。(兵庫県三田市)
  • 雑木林に手が入らず、放置されて、暗い森になった。(香川県高松市)
  • 山が荒れてきた。(福島県須賀川市)
  • 里山管理作業はできなくて、草が繁茂してしまった。(東京都日野市)
  • シカや外来動物が増えた。(栃木県宇都宮市)
  • 駆除活動ができないので、外来種が増えた。(東京都三鷹市)
  • 草刈りができなかったのでイネ科植物が繁茂している。(千葉県我孫子市)
  • 草刈りができないところは少し荒れていた。(東京都町田市)
  • 植生管理を休んでいたため樹木草本が繁茂して適正状態に戻すのに苦労している。(東京都武蔵野市)
  • シカの食害拡大に気づかず、対策が後手に回った例があった。(千葉県千葉市)
  • 砂浜の除草作業ができず、草の侵入が進んだ。(三重県津市)
  • 団体の活動が停止されているため、海岸の有害外来植物の増殖が目立つ。(京都府宮津市)
  • 活動していた農地が荒れ放題になってしまった。(兵庫県西宮市)

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3-4.コロナ禍における活動への工夫・今後の要望

コロナ禍において、回答者がどのような工夫をしていたのかとの質問に対する回答内に出現したワードの出現回数を示す(図9)。

図9.コロナ禍の期間の工夫に関する質問内の出現単語頻度(クリックすると拡大します)

観察」「活動」という名詞とともに「できる」「行う」「行く」という行動的な動詞の出現頻度が高い。また、「オンライン」「自宅」というようなコロナ禍に関連が深い単語も多かった。

次に、これらの単語の関連性を図10に示す。出現回数が最も多かった「観察」と最も強く、そして唯一関連がみられたのが「オンライン」であった。次に多かった「活動」はこれも最も強く、そして唯一関連がみられたのが「できる」であった。

コロナ禍においてオンラインでの観察や、できる活動をおこなってきたことが分かる。またオンラインは会議とも関連があり、活動の工夫としてオンラインを使っての観察会や会議利用されてきたのであろう。また情報はSNS、配信、多いとの結びつきが強く、積極的な情報発信を工夫して行うとしていたとみられる。

他には「新しい」と「楽しい」などのポジティブな工夫や、「」と「自宅」、「植物」、「近く」、「身近」など行動圏が狭いなりの活動を工夫して行っていることも分かる。一方で、「避ける」や「やりにくい」と言ったネガティブなキーワードも散見される。

図10.コロナ禍の期間の工夫に関する質問内の共起ワード図
(青:名詞、ピンク:動詞、緑:形容詞)
(クリックすると拡大します)

同じように今後の要望についても出現ワード頻度を図11に示す。

図11.アフターコロナの活動に関する質問内の出現単語頻度(クリックすると拡大します)

こちらも「観察」が最も多く、「活動」も多い点は工夫に関する質問と同じ傾向にある。また「オンライン」「ガイドライン」、「対策」など今後の活動に新しく必要となってくることへの言及も上位にみられる。特にコロナが終息する見込みのない状況の中でオンラインを使用して活動を行っていくことを模索していることが分かる。

一方で、感染対策をした自然観察の開催のガイドラインをNACS-Jに求める要望も強く、8月3日に「コロナ禍における自然観察会の手引き(ガイドライン)」を発行、公表をした。

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4.まとめ

コロナ影響は会員などの活動に大きく影響を与えたことが分かった。特に観察会に代表される人と人が接する活動には大きな影響があったことが示され、特に感染が拡大して非常事態宣言が長い期間発出された地域での活動は、他地域と比べて顕著に中止を余儀なくされていた。その一方で、希少種の保全や外来種対策、里山管理といった継続して行うべき活動は、自粛期間にも可能な限り行おうと努力しており、その悩ましさがアンケートから見て取れる。

自然への影響は人の利用や関与の変化が起こったことにより変化していると感じている人が多く、特に都市部では公園などへの訪問者数が増えたことにより、悪影響があると感じている人が多いようである。一方で、これまで管理を行っていた人自体の立ち入りが制限されたことにより、自然が変化してしまっていることへの危機感を持っている人が多いことも明らかとなった。

そういった厳しい状況の中でも「オンラインを利用する」、「できる限りのことを行う」など何とか工夫をして前向きに取り組もうとしている姿勢がみられる。その一方で、新たに考慮しなくてはいけなくなったリスクに対しても不安が読み取れ、観察会を行う際や保全活動を行う際の注意点やガイドラインが、活動しようとしている方たちの不安を払しょくする一助になると考えられる。

保護部 若松 伸彦
大野 正人

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「コロナ禍における自然観察会の手引き(ガイドライン)」の公開について
社会的距離を保ちながらできる自然観察会プログラムの事例紹介

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