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2020.01.01(2020.01.06 更新)

第6回 会報表紙フォトコンテスト 結果発表

報告

専門度:専門度1

テーマ:環境教育フォトコンテスト

第6回 会報『自然保護』表紙フォトコンテスト結果発表!!

第6回会報表紙フォトコンテストには、198名の方から合計560作品を送っていただきました。自然に何度も足を運び、自然を愛するからこそ撮れたであろう作品を嬉しく拝見しました。また、今年も多くの方がNACS-Jの広報・普及啓発活動に無償で使用してもよいとして作品を送ってくださいました。ご応募・ご協力ありがとうございます。2020年はこれらの受賞作品で会報を会員の皆様にお届けします。

<審査員>
尾園 暁(昆虫・自然写真家)、秋山幸也(NACS-J自然観察指導員講習会講師、相模原市立博物館学芸員)、田中未来(MIKAN-DESIGN)、鶴田由美子(NACS-J事務局長)、道家哲平、渡辺聡子、田口裕美子(NACS-J広報会員連携部)

尾園 暁さん顔写真

講評者:尾園 暁
昆虫・自然写真家。幼少から生きもの好きで、小学生のころトンボのかっこよさに魅かれて以来、筋金入りのトンボ好き。著書には『ぜんぶ分かる!トンボ』(ポプラ社)や、『ハムシハンドブック』(文一総合出版)などがある。
ブログ『湘南むし日記』で出合った昆虫たちを毎日紹介している。

 


■優秀賞(会報表紙賞)

伊藤 孝【ゴマフアザラシ】

浜に横たわるゴマアザラシの写真

【撮影者コメント】
凍る河口でゴマフアザラシが休憩中。夕日があたり赤ら顔になんともいえないポーズ! 恥ずかしがっているように見えたり、何かをおねだりしてるようにも見えたり、でも実際は分かりません。生き物の見せる表情って無限大!

【講評】
ゴマフアザラシの仕草や表情がとてもキュートで、何度も見返さずにはいられない作品です。氷の上で寝そべっているのですがキュッと後足が上がっていて、前足は顔を触っているのか、または何かを招いているのか。見るものの想像力をかき立てる優れた作品となっています。凍てついた氷の世界に差した温かみのある夕日の光が、とてもよいアクセントになってアザラシの表情を引き立てています。

 

有山 誠【ヒナギンポ】

珊瑚の中から顔を出すヒナギンポの写真

【撮影者コメント】
魚の多くは体の色を変えてパートナーを見つけます。このヒナギンポは蝶ネクタイをしてパートナーを呼び込もうとしていたようです。紳士的なアプローチに水中で見とれていました。

【講評】
おどけた表情と鮮やかな体色に目を奪われますが、ユニークで美しい被写体としての魅力と、求愛シーンという生態の面白さを両立していてお見事です。こういった写真は良いポイントで良いタイミングに出会う必要があり、さらには撮影者の被写体に対する知識や撮影の技量が求められるので、一朝一夕に撮れるものではありません。それにしても面白い顔をしていますね。

 

丹羽明仁【ブナの巨木】

巨大なブナを下から見上げるように撮った写真

【撮影者コメント】
新緑がまぶしい奥裾花自然園の遊歩道を歩いていくと、変形したブナの巨木に出合い、その形状に感動しました。奥裾花のブナの森は、人の手が入っていない原生林です。ブナ林は温帯の代表的な森ですが、伐採などでたくさんのブナの森が改変されてしまいました。 全国的にも貴重なこの森の散策を楽しんでいます。

【講評】
ブナの原生林で知られる長野県の奥裾花自然園で撮影されたそうです。幹に大きな瘤ができ、なんとも異様な形になったブナの木を、遠近法を生かして迫力いっぱいに表現されています。苔むして悠久の時を感じさせる大木の幹と、生き生きとした緑の葉との対比も素晴らしいですね。すぐにでも現地に足を運びこの大木を見てみたくなるような、臨場感と被写体の魅力あふれる作品です。

 

人見勝己【キノコ】

キノコ数本を真横から撮った写真

【撮影者コメント】
四季にも入れてもらえない梅雨からの贈り物でしょうか。 湿った土で、コケもみずみずしくて、ふわふわ。触ると気持ちいい!
手前と奥をぼかすことでキノコを浮き出たせ、存在感をアピールしました。

【講評】
緑の苔の絨毯に、かわいいキノコの三兄弟。何か素敵な物語が始まりそうでワクワクさせられます。地面すれすれの低い位置から撮影することで前後が程良くぼけ、キノコの存在感が強調されて印象深い写真になっています。撮影者の確かな技量と自然に向ける優しい眼差しが伝わってきました。

 

石原隆志【スジボソヤマキチョウ】

紫色の背景と黄色い蝶の写真

【撮影者コメント】
毎年9月末ごろにシオンの花が満開になり、多くのチョウが集まります。このスジボソヤマキチョウも普段はあまり見ませんが、この花には毎年確実にやってきます。逆光で見ると薄黄色の翅が透けてとても美しいです。

【講評】
逆光に透けるシオンの花とスジボソヤマキチョウがとても美しく、印象に残る一場面をしっかりと捉えています。花から花へ蜜を求めて移動するチョウを、構図や背景も考えながら撮影するのはとても難しいのですが、作者はさりげなくこなしているようで驚かされます。被写体の魅力を最大限に引き出した、大きく伸ばして鑑賞したい作品です。

 

飯田 貢【オオキトンボ】

夜露が付いた羽に日差しが当たているトンボの写真

【撮影者コメント】
夜中のうちに寝床で休む個体を見つけ、夜露に濡れた身体を朝日が照らし出す瞬間を待ち撮影しました。夜には気温が4℃まで下がり、冷えて身体は動かない状態です。自然界で生きる厳しさを垣間見る場面でした。

【講評】
夜露に濡れるオオキトンボを、明け方の空気感とともにしっとりと描き上げられています。絶滅危惧種のこのトンボを見つけるだけでも大変なのですが、それを夜中のうちに見つけ、冷え込む朝まで待ったという撮影者の熱意に頭が下がります。貴重なシーンをちゃんとその場の雰囲気が伝わるように表現するという、確かな技術も伝わってくる秀作です。

 


■入賞(ポストカード賞)※50音順

金澤勝美【新世界への旅立ち】

頭を下にセミが羽化している写真

【撮影者コメント】
公園を散歩中、ふと頭上を見上げると羽化真っ最中のセミに出合いました。朝の木漏れ日を受けながら、新しい世界に向けてゆっくりと変化を遂げる姿は感動的です。落ちないかとヒヤヒヤしながら、美しい命の営みの瞬間を撮らせてもらいました。

【講評】
下から見上げるアングルと朝の優しい光の組み合わせがとても良く、自分がその場で見ているような感覚になる作品です。夜に羽化することが多いセミですが、たまに明るくなってから羽化する個体がいます。作者はその貴重なタイミングを逃さず、丁寧に撮影されていますね。

 

笹谷康之【水滴の中のコバノミツバツツジ】

枝に付いた水滴に背景の紫の花が写った写真

【撮影者コメント】
冷たい雨がようやく上がった。京都府宮津市の獅子崎稲荷神社で、満開のコバノミツバツツジを眺めながら参道を登り、天橋立雪舟観展望休憩所にたどり着くと、珠玉の水滴が輝きを見せていた。

【講評】
雨上がりの水滴の中に、コバノミツバツツジの可憐な花が写り込んだ様子です。作者の被写体を見つける目、それを作品に昇華させる感覚と技術がこの美しい写真を生み出しています。画面左側に写り込んだ葉が、この作品のよいアクセントになっていますね。

 

中西啓貴【アメイロアリの食卓】

黄色の模様の付いた白い花びらに群がっている蟻の写真

【撮影者コメント】
アケボノソウの花外蜜腺には色々な虫が集まります。この株にはアメイロアリが蜜を集めに来ていました。

【講評】
一見すると美しい花の写真なのですが、そこにアリたちが乗っていることでアケボノソウという植物の生態やアリとの関係を知ることができます。説明的ではないのに自然科学写真としての奥行きと深みが感じられるところに、作者の確かな技量と自然への思いが垣間見えました。

 

林 昌尚【イノシシ】

雪の上にたたずむ仔イノシシの写真

【撮影者コメント】
雪の中に落ちた完熟の柿を食べにイノシシの子どもがやってきました。警戒心が強いので物陰に隠れて撮影しました。

【講評】
キリっとした表情の中にもあどけなさが感じられ、文句なしに愛らしい仔イノシシ。雪と柿の色が季節感をもしっかりと表現しています。審査員のほぼ全員が「昨年(亥年)だったら表紙候補だったね!」と惜しむ声をあげた作品。

 

増池ひたき【3羽のサギ】

3羽の大きさの異なるサギが横並びになっている写真

【撮影者コメント】
ダイサギ、アオサギ、コサギ、3羽ともが夕食を懸けてものすごい集中力で水面を凝視していました。

【講評】
3種類のサギがきれいに並んでいるだけでも面白いのに、そのポーズが見事にシンクロした場面を捉えた傑作です。魚を獲ろうと動かずにいるサギたちと、堰堤から流れ落ちる水の組み合わせが画面に動と静を感じさせ、見るものの目を楽しませてくれます。

 


■佳作 ※50音順

荒牧敬太郎【希少種ヤマトセンブリ】

緑の茎にとまっている黒いヤマトセンブリを撮った写真

【撮影者コメント】
再発見され新種として認められ二十数年経ちますが、いまだに詳しい文献が少なく謎の多いヤマトセンブリ。大規模な開発から免れた貴重な環境に生きる小さな昆虫、この地がずっと守られることを願います。

 

須田 淳【ウスキキヌガサタケとイシガケチョウ】

黄色い網笠の上に蝶がとまっている写真

【撮影者コメント】
圧倒的存在感で、薄暗い照葉樹林内で輝いて見えました。ウスキキヌガサタケの放つ臭気に誘引されて南方系のチョウ、イシガケチョウが飛来。美しいだけでなく、きのこと昆虫の深いつながりについて考えさせられる光景でした。1時間後にはたくさんの昆虫に食べられ、きのこはバラバラに。美しいものの儚さも実感しました。

 

林 一茂【稲架(はで)場作り】

稲架場とその上に乗り手を振る6人の男性の写真

【撮影者コメント】
島根県の出雲地方では、日本で数少ない無農薬手作業の稲『イセヒカリ』をつくっています。稲架場(刈り取った稲を干す為の木組み)は、この地方特有の気象である強風多湿という条件で稲を乾燥させるため、他の地方より背が高い事が特徴です。この米で出来た日本酒を『幸の縁(さきわいのえにし)』と言います。噂を聞いてこの日本酒を呑んでいたところ、お米の生産者から「稲を刈り取るので、その稲架場作りを手伝って欲しい」と声が掛かりました。その時の完成風景を撮りました! 日本のこのような農村風景はもちろん、無農薬手作業の伝統も守りたいと感じ応募しました。

 

綿雲まもる【おはよう!まだまだ元気だよ!】

花びら越しに顔を出すショウリョウバッタ

【撮影者コメント】
10月、少し冷え込んで霜が降りた朝、まだバッタが元気に活動していて野草越しにかわいい顔をのぞかせてくれました。

 

和田貴美子【コシワツバタケと高校生きのこ博士】

キノコと中腰の息子さんを一緒に撮った写真

【撮影者コメント】
息子は高校生。砂浜のきのこを研究していますが、遠征先で珍しいきのこに出合えてニッコリ。スマホ撮影ですが、だからこそのローアングルです。

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