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2017.04.07(2017.04.07 更新)

今日からはじめる自然観察「おいしいタケノコ観察」

読み物

専門度:専門度2

テーマ:環境教育

会報『自然保護』No.556(2017年3・4月号)より転載


このページは、筆者に、教育用のコピー配布をご了解いただいております(商用利用不可)。
ダウンロードして、自然観察会などでご活用ください。

今日からはじめる自然観察「おいしいタケノコ観察」(PDF/2.12MB)

本コーナーは、エプソン純正カートリッジ引取回収サービスを利用されたお客様のポイント寄付によるご支援をいただいております。

おいしいタケノコ観察

あなたのイメージするタケノコはどんなタケノコでしょうか?

スーパーで売られているものの多くはモウソウチクという種類ですが、おいしいタケノコはほかにもあります。

生える時期も味も皮の手触りも違うのです!


タケは草なのか木なのか?

タケの仲間(ササも含む)は「イネ科」に属します。多くのタケは、節で仕切られた、冬でも枯れない「稈」と呼ばれる硬い茎を持ち、内部が空洞になっています。そして、タケノコから成長する1年目で太さが決まり、その後は太くならず、年輪もできません。草や木と共通する性質よりも共通しない特異な性質を持つため、この仲間は、草でもない木でもない「タケ」という植物で、タケ科という独立したグループとする考え方もあるくらいです。

なぜ驚異的なスピードで成長できるのか?

タケの繁殖の過程で地上に発生するタケノコ。そこには不思議がいっぱい詰まっています。
まず、タケの節となる部分はタケノコの時からその数が決まっています。タケノコを縦に切った断面を見てみると、節で仕切られた部屋はまるでタケノコの中の高層ビルのようです。ひとつの節には必ず1枚の皮が付いていて、節の数だけ皮が付いていることになります。
先端と各節の上部には成長点があり、そこで同時に細胞分裂が起きるため、節と節の間が同時に成長します。そのため順調に伸びるタケノコの成長スピードは驚異的で、たった1日で1m以上も伸びる場合もあるのです。
また、もうひとつ驚異的な成長を支えているのが土中の水です。例えば、モウソウチクは、1本のタケノコが成長するために1日に約20‌ℓの水が必要とも言われています。

 

さて、不思議いっぱいのタケノコはアジア各国で食され、日本では、昔から春を告げる食材として親しまれてきましたが、シホウチクなど、種類によって夏から秋にかけて発生するものもあります。また、タケノコの皮には殺菌効果が認められ、昔からおにぎりやちまき、梅干しなどの食品を包むなど有効利用されていました。
タケノコを食用とするのは人間だけではないようです。近年、地域によっては、タケノコ採りの最中に、タケノコを食べているクマやイノシシとバッタリ!などという報告もあります。動物との遭遇に注意するとともに、マナーに十分留意して、採取や観察を楽しみ、さまざまなタケノコをぜひ味わってみてはいかがですか。

 

(↓画像をクリックすると大きくなります)

 

 

 

亀山 浩二

茨城県石岡市立石岡小学校教員(元ミュージアムパーク茨城県自然博物館主任学芸主事)

クイズの答え:b

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