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2021.07.26(2021.08.10 更新)

「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産の登録決定への声明

写真:奄美大島 住用川・役勝川河口のマングローブ群落

本日7月26日(日本時間18時42分)に、ユネスコの第44回世界遺産委員会が「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界遺産への登録を決議しました。これに関して日本自然保護協会は、下記の声明を公表します。

「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産の登録決定への声明

主な内容

・琉球諸島の世界遺産リストへの記載を歓迎
・世界遺産リスト登録後の保全上の課題と長期的な保全管理の仕組みの充実の必要性を指摘
・世界遺産地域のみならず、周辺管理地域や海域も一体となった奄美琉球諸島の自然の保護を期待


2021年7月26日

「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産の登録決定への声明

公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章

 日本自然保護協会は、1990年7月に日本政府に対して世界遺産条約の早期批准の意見書を提出し、白神山地などとともに南西諸島の世界自然遺産の登録を要望しました。以後、奄美・琉球諸島の森林とサンゴ礁の生態系の豊かさを守るため、科学的な調査や森林伐採・埋め立てなどの開発問題への対応、人材養成などに取り組んできました。このような立場から、一度はIUCN(国際自然保護連合)による登録延期の評価を受けたものの、指摘された課題に応えて再申請を行い、この度世界遺産リストへの登録が決定されたことは大変感慨深いものと受け止めています。
 それぞれの地域の自然の価値を守るために尽力されてきた方々、自然保護団体、研究者、地方自治体、政府関係省庁など多くの関係者の努力の成果に、敬意を表します。

 世界遺産はリストへの登録で終わりではなく、世界遺産委員会で決議された勧告にもあるように、観光によるオーバーユースへの対策、絶滅危惧種の交通事故死の防止、人工的な整備がされた河川の再生、緩衝地帯での森林施業の改善などに取り組まなければなりません。特に、沖縄県と鹿児島県のそれぞれの自治体の関与が不可欠であること、自然と密着してきた地域のくらしや文化があること、やんばるでは米軍北部演習場と隣接していることなど、これら地域特有の課題や特異性を踏まえた取り組みが求められます。長期的な自然環境の保全と持続可能な利用の実現に向けて、地域連絡会議、科学委員会を中心とした遺産地域管理の仕組みをしっかり機能させていくことが必要です。
 今回の登録では、小笠原諸島に続き「周辺管理地域」を取り入れた包括管理計画が世界的に認められた事例となりました。遺産地域と緩衝地帯の外に位置する「周辺管理地域」についても自然環境の保全と持続可能な利用が求められています。
今後、奄美・琉球諸島の重要な自然の構成要素である海域の生物多様性を守るうえで、海域も一体として保護し、将来的に世界遺産地域を拡張していくことを期待しています。

 私たち日本自然保護協会は、世界に認められた自然の価値を将来にわたって損なうことがないよう、引き続き、これらの地域で自然環境の調査にもとづく保護活動や人材養成、教育活動など、地域とともに取り組んでまいります。

以上

<参考>

世界遺産条約の早期批准に関する意見書(1990)

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本リリースに関するお問合せ

日本自然保護協会 保護部 大野正人 
ohno@nacsj.or.jp  080‐3455‐7945
〒104-0033 東京都中央区新川1-16-10 ミトヨビル2F
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