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2015.03.09(2021.01.27 更新)

ラムサール条約湿地「中池見湿地 」の北陸新幹線ルートの見直しについて要望書を提出しました

2015年3月10日

公益財団法人日本自然保護協会

特定非営利活動法人ウェットランド中池見


福井県敦賀市の中池見湿地は2012年7月に世界的にも重要な湿地であるとしてラムサール条約に登録されましたが、翌8月に北陸新幹線の新たな計画路線が公表されました。現在、事業者の鉄道建設・運輸施設整備支援機構によって、建設工事の影響評価・予測のために事後調査検討委員会が設置され、2015年3月15日の委員会で結論が出される予定となっています。

 

事業による湿地の自然環境への影響を回避するためには、少なくとも表流水の集水域となっている条約登録湿地の範囲である稜線内の路線建設を避ける必要がありますが、第3回の委員会で認可ルートよりも動植物への影響が小さいとされた「環境アセスメント時の計画ルート(アセスルート)」であっても稜線内を貫通するため、水文環境への影響は避けられません。

 

また、湿地の自然環境への影響を回避するためには、複数の具体的な工法やルートの選択肢が示され、その評価や検討に十分な時間をかけることが必要不可欠です。複数のルートの選択肢については海外の専門家からもシンポジウムで指摘がなされています(参考資料1)。

 

しかし、2015年1月14日に北陸新幹線の開業を3年間早めるという合意がなされたことにより、10万年の歴史をもつ中池見湿地への影響回避が十分行われないまま事業が進む恐れがあります。そこで、日本自然保護協会とウェットランド中池見は、国および事業者、事後調査委員会に対して、次のことを求める要望書を提出しました。

 

  1. 新幹線ルートは、自然環境への影響が大きい認可ルートを回避するとともに、ラムサール条約登録湿地の範囲外に変更すること。

  2. 湿地の自然環境への影響を回避するルートや工法を検討する時間を十分確保すること。

以上


ラムサール条約湿地「中池見湿地」の北陸新幹線ルートの見直しについての要望書はこちら(オフィシャルProへ移動します)

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