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2025.04.28(2025.04.30 更新)

ユネスコエコパークの強化に向けた5年間の活動

報告

専門度:専門度3

日本のユネスコエコパーク10地域を示した地図

テーマ:ユネスコエコパーク

地域の自然を守る(回復する)制度「ユネスコエコパーク」

NACS-Jは、文部科学省からの委託を受け、5年間にわたり「ユネスコ未来共創プラットフォーム事業」を実施しました。この目的は、国内のユネスコエコパーク(以下、BR)の管理運営に携わる関係者に最新の国際情報や優良事例の提供を行い管理運営に活かしてもらうことです。

ユネスコは、自然の保全と利用の調和を図るため、地域の生物多様性保全や、保全した自然を活かした持続可能な地域づくり、研究や研修活動支援を目的とするMAB(Man and the Biosphere)計画を1971年に始動しています。BRはそのMAB計画内の保護地域に関する枠組みです。世界には136カ国759地域、日本には10地域がBRとして登録されています(2025年3月現在)。10地域を構成する基礎自治体は56にのぼります。

ワークショップ開催、海外情報の収集、情報発信

BRの強化を図るため、具体的には、多様な有識者によるワークショップの開催(33回、参加者延べ人数501名)、ユネスコ国際調整理事会の決議や定期報告書などの海外情報の収集(9編)、BRの情報誌『Info MAB』(No.44~48)の発行を通じた日本のMAB活動の発信を行いました。

情報誌『Info MAB』表紙画像

昨年開催された第35回ユネスコ国際調整理事会では、「MAB戦略」と「昆明-モントリオール生物多様性枠組(GBF)」との対応が示されました。生物多様性を守る世界目標の達成に向け、BRが実践の場となるよう、期待が表明されています。

ワークショップでは、こうした国際的な動きに対応して、OECMと自然共生サイト、昆明・モントリオール生物多様性枠組、NbS、EcoDRR、GBFなどテーマに選び、関係者に伝えました。

BRがネイチャーポジティブを進める実践の場に

生物多様性の損失を止め、回復させる「ネイチャーポジティブ」の実現に向け、BRでもさまざまな取り組みが進んでいます。2024年2月に、BRの自治体ネットワークである日本ユネスコエコパークネットワーク(JBRN)は「ネイチャーポジティブ宣言」を行うとともに、NACS-Jと連携協定を結び、連携・協力することになりました。

また、2025年4月にNACS-JはBRの只見町とみなかみ町を「ネーチャーポジティブ認証自治体」に認定しました。

10年に1度開催されるBR世界会議が、今年9月に中国・杭州市で開かれ、新しいMAB戦略・行動計画が発表されます。生物多様性を守る世界目標達成に向け、BRのさらなる取り組みが期待されます。

研修会で訪問したBRの画像JBRNによるBR実務担当者向け研修会の様子。NACS-Jも協力

担当者から一言

朱宮さんの顔写真

リポーター
生物多様性保全部 朱宮丈晴
9月のBR世界会議で決定される新戦略は、よりアグレッシブになりそうです。大会の様子も会報で報告します。

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