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2021.03.01(2021.03.02 更新)

【NACS-J創立70周年記念】 香川照之さんからのスペシャルメッセージ

読み物

専門度:専門度1

香川照之さんの写真

テーマ:環境教育子育て

日本を代表する俳優・香川照之さんは、昆虫をこよなく愛する昆虫少年でした。多忙な生活を送る今でも昆虫観察が大好きで、教育番組で昆虫の魅力を発信する香川さんは、子どもたちからも親しまれています。

2018年、香川さんは、昆虫をモチーフにした子ども服中心のアパレルブランド「Insect Collection(インセクトコレクション)」を立ち上げ、その売り上げの一部をNACS-Jに寄付してくださっています。そして2020年には、インセクトコレクションに続き、昆虫をテーマとした絵本ブランド「INSECT LAND(インセクトランド)」や、大人向けアパレルブランド「Insect Garden(インセクトガーデン)」も誕生させました。

自然との触れ合いが減っている今、さまざまな世代に日常生活の中での自然と触れ合う機会を生み出そうとブランド展開する香川さんに、自然への思いを語っていただきました。

 


50年間、虫を見続けて生まれた想い

僕は50年間、ずっと虫を観てきました。特にカマキリが大好きです。長年同じ虫の観察を続けていると、その虫を通して取り巻く環境が変わっていくことがよく分かります。

たった50年で、子どもの頃にはよく見かけた虫を見なくなくなったり、反対にこれまで見かけなかった虫に出合うようになったりしています。普通に生活していると、虫の変化なんて関係ない話のように聞こえるかもしれませんが、これは大きな問題です。

私たちは自然に守られて生きている生き物です。自然があるから人間も生きていられること、その自然が変化していること、そうしたことについて多くの人に知ってもらいたいと思っています。

インセクトコレクションは、昆虫を通して自然について知る場を子どもたちに提供したいという思いから立ち上げました。毎日着る洋服を通して、何気ない日常の中の感覚でいいので、人間も他の生き物と同じように自然に生かされているのだ、ということを子どもたちに訴えたいと思っているんです。

 

ゴミを出す生き物は人間だけ

去年の春、新型コロナウイルス感染拡大のための自粛期間中、自宅にいる時間が長かったのもあって、世の中では「断捨離ブーム」とか言って盛り上がっていましたよね。僕は、あの時、ゴミの日に出されるポリ袋の数々をよく見ていました。洋服とか、色んなものが、ものすごい量が捨てられていました。うちのマンションのゴミだけでもあんなにあるなら、日本では、さらに世界ではどれだけのゴミが捨てられているのかと想像すると寒気がするほどの量です。

地球の資源を使って、ゴミを出す生き物って人間だけなんですよね。昆虫だって他の動物だって地球の資源を食べるけど、フンを出す。それらの排泄物を食べたり・分解する生き物がいる。死骸だって分解する生き物がいる。生き物は、こうしたサイクルの中で、生かし生かされて暮らしているんです。

人間だけが大量に資源を使い、自然に還元できないどころか自然を壊すゴミを出している。それらのゴミはどうやって生産されたものなのか、ゴミとして捨てられたものの行先がどうなっているのか。大人も知らないといけないし、子どもたちにもちゃんと伝えるべきだと思います。

アパレル業界でも、売れ残った商品の廃棄は大きな環境問題です。だからインセクトシリーズをプロデュースしました。インセクトコレクションでは、この2年間で約30万点の商品を流通させていますが在庫ロスはゼロ。商品に使う素材も生物多様性に配慮したものを使用、包装についても無駄な包装をしない、リサイクル・自然素材を使用するなど、できる限りの環境配慮をしています。大人も子どももこうした商品から環境問題を意識するきっかけになってくれればと思っています。

 

コロナによって人は考えを変える時代が来た

最初にも言いましたが、僕は虫を50年間観察し続けてきました。タマムシの光輝く体、カミキリムシを持ったときキィーキィー鳴く声、もうこれらは都会ではお目にかかれないです。僕たち人間が、そういう虫たちを排除したんです。人間が虫をはじめいろいろな生き物を一方的に絶滅に追い込んできました。

今、僕たちはコロナウイルスに生活を脅かされています。青天の霹靂です。けれど虫たちは、生き物たちは、ずっと人間に脅かされ続けてきました。ひっそりと絶滅していった生き物もいます。このコロナ時代は、人間が他の生き物にしてきたことを考える、地球の生物の一種であるということを改めて考える時期にきていると思っています。

 

NACS-Jと自然観察指導員の皆さんへ

NACS-Jでも、里山の調査を続けて身近な生き物が減っているという調査結果が出たそうですね。僕は虫好きだからその変化を感じているけれど、普通の生活をしていると気づかない人がたくさんいると思います。気が付いたらいつのまにか身近な生き物が全然いなくなってしまった、とならないよう、そういった情報を発信してほしいし、環境を守る活動を頑張ってほしいです。

自然観察指導員の方には、周りの子どもたちに自然観察を通してそうした生き物たちの魅力を、いかに大切な命なのかをぜひ伝えてほしいです。

自然観察指導員とは

 

香川さんプロデュースのインセクトシリーズ

Tシャツを着ている子供の写真

Insect Collection

(インセクトコレクション)

https://insect-collection.jp/
虫をモチーフに子ども向けの洋服・雑貨を中心としたブランド。NACS-Jに、1点64(ムシ)円のご寄付をいただいています。

虫のキャラクターが描かれたイラストの写真

INSECT LAND

(インセクトランド)

https://insect-land.com/
2020年に出版を開始した絵本ブランド。カマキリ、カブトムシ、テントウムシなど虫が主人公となり、子どもたちの生きる力を育み、自然について学べる、シリーズ絵本。

デザインされたTシャツの写真

Insect Garden

(インセクトガーデン)

https://insect.garden/
カナダ・モントリオール在住のアーティスト井上羅来氏とコラボレーションした、植物と昆虫をモチーフにした大人向けアパレルブランド。


ご参考

香川照之さんプロデュースの昆虫モチーフブランド『Insect Collection』が日本自然保護協会に寄付!

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