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2018.05.01(2018.04.26 更新)

干潟に残る「生活のあと」【今日からはじめる自然観察 ~観察会の味方!ピクチャーカード~】

観察ノウハウ

専門度:専門度2

テーマ:環境教育

フィールド:干潟

初夏の大潮は昼間に長時間潮が引くので、干潟の観察に適しています。干潮時刻を調べて、干潟に出かけてみませんか。干潟をゆっくり見渡して、生きものの「生活のあと」を探し、どんな生きものがどんな生活をしているのか想像してみましょう。


【ピクチャーカードの解説】
①ツメタガイの卵塊:「スナヂャワン」と呼ばれることも。よく見ると砂を固めてできているのに気づく。卵は小さすぎて肉眼では確かめられない。

②スゴカイイソメの棲管※:貝殻のかけらや小石、植物片などをうまく利用して巣をつくっている。
※棲管:動物が体表から分泌する物質でつくったすみかとなる管。

③コメツキガニの巣穴:砂質の地面に、周りに砂のだんごをばらまいた穴をつくる。

④チゴガニの巣穴:餌をこし取った砂や泥をだんご状にし、巣穴の周りに置くが、コメツキガニほどだんごがはっきりしない。

⑤ヤマトオサガニ・オサガニの巣穴:泥質なところに斜めに開いた穴をつくる。U字型になっていることが多く、海水が溜まっている。

⑥ツバサゴカイの棲管:離れて2本の棲管がのぞいている。

⑦ヘナタリやウミニナなどの巻貝がはったあと:泥質なところでみつかる。

⑧タマシキゴカイ(クロムシ)のフンと卵塊:タマシギゴカイは砂を食べ、その中の栄養分を吸収して生きていて、巣穴の出口にスパゲティ状にフンを積み上げる。巣穴から出ている透明な袋状のものは卵塊。

⑨ニンジンイソギンチャクなどの穴:直径1~2㎝の小さなくぼみは、ニンジンイソギンチャクやスナギンチャクが触手を縮めて潜んでいるところ。どちらも砂の中の小石などに体をくっつけている。潮が満ちてくると、触手を広げて獲物を待ち受ける。

⑩貝の穴:小さな穴が隣り合わせであいていたら、アサリなどの二枚貝の水管が伸びていた証拠。ヒョウタンの形の穴はマテガイのもの。塩を穴の中にパラパラとまくと、潮が満ちてきたのかと思い飛び出してくる。

 

【今日からはじめる自然観察 ~観察会の味方!ピクチャーカード~】干潟に残る生活のあと

 

 

※本コーナーは「NACS-Jピクチャーカード作成委員会」が制作したものを編集して掲載しています。すべてのピクチャーカードは、NACS-Jウェブサイトの「会員コンテンツ」でご覧いただけます。

 

本コーナーは、エプソン純正カートリッジ引取回収サービスを利用されたお客様のポイント寄付によるご支援をいただいております。

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