2017.08.31(2017.08.31 更新)
海洋生物レッドリストの見直しを
解説
専門度:
環境省版では宝石サンゴのアカサンゴやシロサンゴが準絶滅危惧種に指定された。
テーマ:絶滅危惧種海の保全
2017年3月に環境省と水産庁がそれぞれ、これまで日本ではつくられていなかった海洋生物のレッドリストを公表しました。
水産庁は水産資源評価を実施している種や小型鯨類など合計94種を評価し絶滅危惧に指定されたのは0種、環境省はそのほかの海洋生物を評価し絶滅危惧に56種を指定しました。
今回、環境省と水産庁は別々に評価を行いましたが、魚類・甲殻類・サンゴ類などの生物は、海の中では密接に関係して海域生態系をつくり上げていて、別々に考えられるものではありません。
日本自然保護協会は、海洋生物の生息状況が適切に把握され、効果的な生物多様性保全を行っていくために、まずは省庁の縦割りをやめて、海域のデータを総合的・科学的に評価することなどを求めて要望書を提出しました。
また、今回のレッドリストは、世界基準とされる国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストと同じ評価項目を用いながら、日本独自の評価ルールを設定しているため、世界的なレッドリストの評価基準を満たしていない部分があり、信頼性を損ねます。早急な評価の見直しが必要です。
担当から一言
保護室 辻村千尋
日本独自基準は時には良いのですが、今回はいただけません。国際的な信頼を損なってしまうことが心配です。
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