2017.02.24(2025.04.25 更新)
辺野古の埋め立てに向けた作業が再開されてしまいました。
解説
専門度:
▲汚濁防止膜のフロート(手前)と、固定するための巨大コンクリートブロックを積んだ大型船。(写真:北上田毅)
テーマ:生息環境保全
フィールド:辺野古・大浦湾
昨年12月20日に日本政府が沖縄県を訴える辺野古違法確認訴訟の判決が出て、沖縄県は敗訴となりました。それを受ける形で、同月26日に沖縄県知事により辺野古の埋め立て承認の取り消し処分の取り消しがなされました。
この判断により、政府の埋め立て工事を行う権利が復活し、翌27日から埋め立て工事に向けた作業を再開。2月6日からは汚濁防止膜を固定する約11~14トンの巨大コンクリートブロックの投入も始まりました。
NACS-Jは、工事をすぐに止める方法として沖縄県に岩礁破砕許可の即時撤回および埋め立て承認の早期撤回を求めました。沖縄の市民団体も埋め立て承認の即時撤回を求めています。
また昨年12月にはMV22オスプレイが名護市東海岸安部(あぶ)に墜落したという事故がありました。
安部はジュゴンが利用する藻場があるので、一歩間違えばジュゴンの上に落下していた可能性もあります。実際に事故現場には多数の機体の残骸が今も残り、機体の破片が刺さったウニが確認されるなど生物に影響を与えています(2/13時点)。NACS-Jは地元の環境団体と一緒に在日米軍と日本政府あてに、事故現場付近の環境への影響の調査とジュゴンの保護の徹底の要望を求めました。
一方で辺野古の埋め立て予定地や高江のヘリパッド建設地と隣接する沖縄島北部を含む奄美・琉球を世界自然遺産登録する動きがあり(正式名称:奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産)、日本政府は2月1日にUNESCOに世界遺産一覧表記載推薦書を提出しました。NACS-Jもこの地が推薦されるに十分値する場所であると考えていますが、同時に米軍北部訓練場との関係など、いくつか自然保護上問題となりうる点について同科学委員会に質問状を提出しています(1/12)。
年明けから良い話と悪い話が飛び交う沖縄。今年も大変な年になりそうです。