2023.03.13(2023.03.13 更新)
自然と親しみ、防災を考える「親子で川のしくみと人々のくらしを学ぼう!~酒匂川~」を開催しました
こくみん共済 coop
対象:一般市民ファミリー子ども学生
貢献:自然を活かした地域づくり自然の守り手拡大SDGs
日本自然保護協会(以下、NACS-J)は神奈川県酒匂川中流付近で、自然と親しみ防災を考えるイベント「親子で川のしくみと人々のくらしを学ぼう!~酒匂川~」を開催しました。
NACS-Jが自然観察に防災の視点を組み込んだプログラムを行うのは今回が初めてです。小学4~6年生の子どもとその保護者が参加し、川の魅力を観察しながら自然災害との向き合い方も考えました。
今回の「親子で川のしくみと人々のくらしを学ぼう!~酒匂川~」のプログラムを開発するにあたっては、こくみん共済coopからのご支援いただき、また大井町教育委員会おおい自然園園長の一寸木 肇さん、東北学院大学教養学部准教授の目代 邦康さんに企画段階から相談と下見を繰り返し、実施しました。
川の景色を眺めてみよう!
まず、酒匂川に沿って歩き、野鳥を観察しました。次に橋の上に移動して、川が山から流れてきている景観をみて、川の「瀬(せ)と淵(ふち)」を確認しました。そして、橋の上から川原を眺め、石の大きさや植物の生え方が場所によって違うこと、その原因が増水時の水流や水のあたり方の違いにあることを学びました。
河原におりて自然観察!
河原へ降りて、それぞれ好きな石を拾ってきてもらい、みんなで石の色の違いや、叩いたときの音から硬さの違いを比較しました。酒匂川で見られる岩石には、「凝灰岩」「ホルンフェルス」「石灰岩」などがあり、それらがどこの山地ででき流れてきたのかを学びました。
防災の歴史を学んで今に活かそう!
昔から酒匂川で堤防を守るために使われた防災用具「蛇籠(じゃかご)」の実物に触れてみたり、水の勢いを弱めるために切り出した木に土のうをつけて川の中に流す「木流し」について学びました。
お昼には、お湯を沸かしてココアをいれ、地域の自然のめぐみが詰まったお弁当をみんなでいただきました。
川のはたらきを学んでみよう!
午後は、川に見立てた模型を使って水流実験を行い、流れる水によって土砂がどのように流れるかを学びました。川は蛇行して石を運び、地形をつくる本来の姿を「川の気持ち」になって、想像することができました。
防災減災と自然観察会
川の自然観察をしながら地域の歴史や暮らしにも目を向けると、防災についても考えてもらうことができたようです。人々が暮らすうえで、土木技術で川を治め、川を利用して、魚や稲作など自然のめぐみを得てきました。しかし、時として台風や大雨で川が暴れて、水害が起こります。気候変動により災害が激化するこれからは、溢れることもあることも前提で、暮らし方を考えないといけない時代になりました。また、今、生態系の機能を活かした防災減災(Eco-DRR)が世界で注目されています。
未来を担う子どもたちが、今回のように川のしくみを体験的によく知り学ぶことは、防災のうえでも大切です。
感想の一部をご紹介
- 鳥や石について、解説していただきながら観察ができたのが楽しかったです。また、川の流れ、特性から、水が溢れやすい場所、その場所はどう使われてきたのかも、知ることができて、楽しかったです。
- 川を見て、住んでも安全な場所か、川の水が流れて来てしまう場所か分かるようになりました。
- 楽しく、防災を考える機会になりました。
開催概要
「親子で川のしくみと人々のくらしを学ぼう!~酒匂川~」
公益財団法人日本自然保護協会 自然のちから推進部
担当:原田、三好、若松、大野
03-3553-4101 shizen@nacsj.or.jp