2022.04.06(2022.04.06 更新)
島根県で砂浜ムーブメント。4か所の砂浜と海岸でビーチクリーンや生きものしらべに取り組みました
株式会社バイオーム、株式会社ピリカ、こくみん共済coop、株式会社サニクリーン、OXOなど
対象:一般市民ファミリー子ども学生
貢献:SDGs愛知ターゲット自然の守り手拡大
日本自然保護協会(以下、NACS-J)は、多くの企業や団体の皆さまと連携して、自然海岸の減少や海ごみの問題など、海や砂浜が直面している課題の解決を目指して「全国砂浜ムーブメント」(以下、砂浜ムーブメント)を主催しています。
2021年度の砂浜ムーブメントは、2021年12月31日をもって無事に終了しました。温かいご支援ご協力、本当にありがとうございました。最終的な活動報告の前に、NACS-Jが全国で取り組んできた活動について振り返ります。
2021年度の活動では、NACS-Jのスタッフが島根県内にある4か所の砂浜と海岸を訪れ、ビーチクリーンや生きものしらべなど砂浜ムーブメントのアクションに取り組みました。
※新型コロナウィルスの感染対策には細心の注意を払い活動していますが、写真撮影時のみマスクを外している場合がございます。
砂浜ムーブメントでは、海や砂浜が直面している課題の解決を目指して、3つのアクションを呼びかけ、全国の皆さまに参加、活動いただいています。新型コロナの影響でたくさんの人が集まっての活動ができないのは残念でしたが、NACS-Jのスタッフも全国の砂浜を訪れ、3つのアクションに力を注ぎました。
砂浜を守る3つのアクション
- 砂浜ノートを子どもたちに届けよう!(目標は5万人)達成!
- 砂浜のいきものをしらべよう!(目標は5000データ)達成!
- 砂浜や街中でごみを拾おう!(目標は200万個)達成!
島根県では4か所の砂浜と海岸を訪れ、ビーチクリーンや生きものしらべなどのアクションに取り組みました。
▲琴ヶ浜
1か所目は、大田市にある琴ヶ浜。
全長約2kmにわたり、歩くとキュッキュッと琴の音のように鳴る、微小貝を含んだ「鳴き砂」の浜として知られています。
「日本の音風景・百選」「日本の渚・百選」にも選定されているだけあって海と砂浜は美しく、毎年多くの観光客が訪れるそうです。
▲海岸保全区域に指定されており、砂の採取などが制限されている
▲量は多くないが、たくさんの種類の貝殻がみられた
▲カメガイを発見!実はクリオネと同じカメガイ科の貝。クリオネは成長するにつれて完全に貝殻を失うので、和名は「ハダカカメガイ」という
▲ハマヒルガオ、ハマボウフウ、ハマニガナ・・・多くはないが、海浜植物も頑張って生きている
みつけた生きものは、いきものコレクションアプリ「BIOME(バイオーム)」に登録!生きものの写真を投稿すると、AIが名前を推測してくれるので、簡単に生きものしらべができます。
今年度の砂浜ムーブメントでは、5000の生きものデータを集めることを目標として全国の皆さまにご協力いただきました。現在集計中ですが、5000を優に超えるたくさんのデータが集まっています!集めた貴重なデータは、今後の海や砂浜保全に役立てられます。
▲排水路の一部に大量のごみが溜まっていた
排水路がある砂浜ではごみが多く目立ちます。実は海ごみの7~8割は、排水路などから”川を伝って海へ流れ出る” ものによるといわれているのです。排水路を重点的に、たばこやペットボトル、農業用肥料の袋など225Lのごみを回収しました。写真とコメントを、ごみ拾いSNS「Pirika(ピリカ)」に投稿!
2021年度の砂浜ムーブメントでは、200万個のごみの回収を目標としてきましたが、全国の皆さまのご協力のおかげで、なんと300万個を突破!
「Pirika」をつかったビーチクリーンは、全国の仲間と意見交換ができる上に、励ましあい楽しみながら活動することができるのでおすすめです。
▲キララビーチ
2か所目は、出雲市にあるキララビーチ。
道の駅に隣接しており、訪れた人々や、海水浴客やサーファーなど多くの人々に愛されているそうです。海は透き通り砂が綺麗な砂浜でしたが、貝殻などの生きものは少ないようでした。
▲ごみが何か所かに集められている。海水浴場が開設されるシーズンによくみられる光景
▲バーベキュー後の網やペットボトルなどが目立った
人が多く訪れる砂浜では、漂着ごみ以外のごみが目立ちます。それは訪れた人が残していったごみ・・・多くのごみは、一時的に海浜植物の上に集められたり、風で飛ばされ海浜植物にひっかかり留まる場合が多くあります。
ごみの影響で、光合成が阻害されて生育に問題が生じるほか、植物を利用する他の生きものにも影響が及んでしまいます。
▲猪目海岸
3か所目は、出雲市にある猪目海岸。
1,2か所目に訪れた海岸とは対照的に、訪れる人の少ない海岸です。小さな海岸ですが海浜植物は広がり、ごみはほぼみられず綺麗な海岸でした。
「人が少ないからごみも少ない」と単純には言えませんが、1,2か所目の海岸と比較すると明らかな違いがありました。
▲4か所目に訪れた三里ケ浜海岸でみられた海浜植物ネコノシタ
今回は「ごみはどこからやってくるのか」「ごみが砂浜の生きものに与える影響」などを意識して活動しました。海や砂浜はレクリエーションの場として素晴らしい環境で、多くの人々に愛される場所です。
これからも美しい砂浜を守り続けるためにも、魅力や課題を正しく伝え“自分ごと”として捉えてもらい、「海や砂浜は私たちの大切な財産である」ことを多くの方に認識してもらいたい、と改めて感じています。
2021年度の活動ではオンライン講座の開催※に力を入れ、コロナ禍でも多くの方に砂浜の魅力や課題を伝えることが出来ました。今後もNASC-Jでは、あらゆる方法で砂浜を見る目を増やす活動に力を注いでいきます。引き続きご注目ください。
※オンライン講座の様子はこちら。
砂浜のことを楽しく学べるオンライン講座を開催。計11講座、300名もの親子が参加してくれました!
砂浜ムーブメントの特設サイト&チラシ
全国砂浜ムーブメント特設サイトはこちら!
チラシのダウンロード(PDF/854KB)
企業・団体様へ
砂浜ムーブメントは、多くの企業や団体の皆さまと連携して実施しておりますが、現在も、ご支援、ご協力いただける企業や団体の皆さまを募集しています。海や砂浜の自然環境の問題の解決を目指してNACS-Jと連携しませんか!?ご連絡お待ちしております。
企業連携専用のお問合せフォーム
※砂浜ムーブメントで連携している企業や団体様は、特設サイトにロゴを掲載させていただいております。こちらをご覧ください。
公益財団法人日本自然保護協会 自然のちから推進部
担当:櫻井、原田、三好、志村、岩橋
03-3553-4101 shizen@nacsj.or.jp