2021.10.08(2021.10.08 更新)
NACS-J市民カレッジ98「ミクロな世界の不思議な生きもの きのこと仲間たち」を開催しました
三菱商事株式会社
対象:学生一般市民
貢献:日本の絶滅危惧種を守るSDGs愛知ターゲット自然の守り手拡大
日本自然保護協会(以下、NACS-J)は、一人でも多くの方に日本の自然の美しさや大切さ、尊さ、守ることの大切さを伝えたいという思いから、NACS-Jに集う各分野のスペシャリストが講師を務めるオープンカレッジ「NACS-J市民カレッジ」(以下、Nカレ)を開催しています。
98回目のNカレは、秋の食卓を彩るきのこをはじめとした「菌類」について学びました。
講師は、菌類をこよなく愛する白水貴さん。今回はきのこに限らず、広く「菌類」全般についてお話いただきました。
まずは、菌類とはきのこやカビ、酵母・地衣類のグループで、体が細い菌糸でできている生きもの、という基礎的なことから丁寧な解説がはじまりました。驚いたのは、菌類は進化的には植物よりも動物に近い生きものということ。
何となくネガティブな印象を持たれがちな菌類ですが、実は植物の大半が菌類と共生していきており、陸上生態系の中で菌類は分解者として重要な働きをしています。また、プラスチックを分解したり、花に擬態したり、アリに感染してゾンビのように行動を操る菌類の話などが次々に紹介され、参加者の皆さんがとても興味を持たれていました。
最後は、他ではなかなか聞けない菌類研究の最前線まで教えていただき、身近にあってもあまり知られていない菌類について深く学んだNカレとなりました。
感想の一部をご紹介
- 初心者にもわかりやすい講演内容で、とてもおもしろかったです。菌類のことをもっと知りたくなりました!
- 子実体の多様性が真の多様性とはイコールではないとのこと。さらに菌類の奥深さを感じました。私自身がきのこの魅力を発信する活動をしているので、今回の内容は次に活かせるものが多かったです。
- 観察会にぼちぼち出掛けておりましたが、きのこのことがますます可愛く楽しく思えるようになりそうです。ダイオキシン分解や花粉症救世主?など考えたこともなかったです。
- 今まであまり目を向けてこなかった菌類が非常に多様性に富んでいること、まだまだ未知の領域が多いことを知り、これを機に色々調べてみようと思った。
- 菌類の進化系統上の分類など基本的な知識が得られて役に立つとともに、興味が深まりました。菌類は身近な微生物であり、人類は彼らと共生することにより、環境問題を解決できる潜在的可能性を感じました。
- 滅多にない専門的な講演をオンラインで聞けてとても楽しかったです。視聴者からのつっこんだ質問にもタイムリーに答えてくださり、聞いているだけで面白かったです。
300人以上の方がご視聴くださり大盛況に終わった今回のNカレ。ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。
次回のNACS-J市民カレッジもお楽しみに!
※Nカレは、会員、寄付サポーターとしてNACS-Jの活動を支えてくださっている三菱商事株式会社と一緒に開催しています。
公益財団法人日本自然保護協会 自然のちから推進部
担当:志村、三好、櫻井、岩橋
03-3553-4101 shizen@nacsj.or.jp