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2022.08.04(2022.08.09 更新)

外来生物法の特定外来生物に指定されて17年。今なお違法放流され続けているブラックバスの規制・対策について、自然保護4団体と2つの学術学会が国などに要望書を提出

  • ブラックバス(オオクチバス・コクチバス)は、17年前の外来生物法施行時に特定外来生物に指定されながら、違法放流が継続するなど、唯一対策の実効性が上がっていない外来種と言われる
  • 今年5月、国は外来生物法の改正を行い、アメリカザリガニやアカミミガメを含め、規制・対策を強化する方針とした。法施行時から規制対象に指定されているブラックバスについても、実効性のある規制・対策を求め、国などに要望書を提出
  • オオクチバスについては、外来生物法の趣旨に照らし、増殖義務のある漁業権が再度免許されることがないよう、環境省、水産庁、山梨県、神奈川県に要請
  • 環境省と農林水産省(水産庁)には、5月に成立した外来生物法改正法の附帯決議に記載された、生態系等への被害の実態の把握・違法放流の対策強化など、オオクチバス・コクチバスの規制・対策を実行するよう要請

自然保護4団体と日本魚類学会、日本トンボ学会は、2022年8月4日、特定外来生物オオクチバス・コクチバスの規制・対策についての要望書を、外来生物法の主管官庁である環境省、農林水産省(水産庁)、及びオオクチバス漁業権を免許している山梨県、神奈川県に郵送にて提出します。

プレスリリース「外来生物法の特定外来生物に指定されて17年。今なお違法放流され続けているブラックバスの規制・対策について、自然保護4団体と2つの学術学会が国などに要望書を提出」(PDF/390KB)

主な内容

環境省・水産庁に対する要望事項

要望1:
2023年度の共同漁業権免許切替に当たり、特定外来生物オオクチバスを第五種共同漁業権対象魚種に加えないよう指導すること。
要望2:
2022年5月11日に成立した外来生物法改正法の附帯決議に記載された特定外来生物オオクチバス・コクチバスの規制・対策を実行すること。

山梨県・神奈川県に対する要望事項

要望1:
2023年度の共同漁業権免許切替に当たり、特定外来生物オオクチバスを第五種共同漁業権対象魚種に加えないこと。
要望2:
2023年度の漁業権切替に際して、やむを得ずオオクチバス漁業権を継続させる場合でも、漁場管理に見合ったオオクチバス遊漁料の設定及びオオクチバス漁業権に係る収支の公開、漁業権を設定しなくなった際の漁場管理方針の明確化、漁業権免許の期間短縮、などについて検討したうえで明確にし、当該漁協に対して規制または指導すること。

<外来生物法改正法の附帯決議から抜粋>
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
「六、特定外来生物オオクチバス・コクチバスによる生態系や漁業への被害の実態と違法放流の実態を把握するとともに、地方公共団体及び民間団体等と連携して、違法放流の撲滅を目指した対策と防除の取組を強化すること。また、特定外来生物を対象とした漁業権の在り方や「オオクチバス等に係る防除の指針」等のオオクチバス対策の方針を見直し、対策の実効性を高めること」

詳細は、下記要望書をご覧ください。
特定外来生物オオクチバス・コクチバスの規制・対策についての要望書を提出(2022年8月)

参考

外来生物法が改正! 注目点は?(2022年6月)

 

要望書提出団体・学会について

  • 公益財団法人日本自然保護協会

    自然保護と生物多様性保全を目的に1951年に創立された日本で最も歴史ある自然保護団体のひとつ。会員2万4000人。尾瀬の自然保護を皮切りに屋久島、小笠原、白神山地などでも活動を続けて世界自然遺産登録への礎を築き、今も全国で自然を守るための活動を続けている。
    http://www.nacsj.or.jp/

  • 公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)

    WWFは100カ国以上で活動している環境保全団体で、1961年スイスで設立。人と自然が調和して生きられる未来をめざし、サステナブルな社会の実現を推進する。生物多様性回復と脱炭素社会実現に向け、希少な野生生物の保全や持続可能な生産と消費の促進を行なっている。
    https://www.wwf.or.jp/

  • 公益財団法人日本野鳥の会

    1934年設立の日本最古最大の自然保護団体。「野鳥も人も地球のなかま」を合言葉に、野鳥や自然と人間が共存する豊かな社会の実現をめざす。独自の野鳥保護区による絶滅危惧種保護活動のほか、野鳥の楽しみ方を普及するイベントや冊子発行も。会員・サポーターは5万人。
    https://www.wbsj.org/

  • 一般社団法人日本魚類学会

    魚類学の進歩と普及を目的に1968年4月3日設立。2017年9月より一般社団法人。大学等の研究者や学生ほか多彩な分野の会員から成る会員約1300名団体会員含む)。秋の年会約4日間では総会、研究発表会、シンポジウム、講演会などが行われ、一般向けシンポジウムも。
    https://www.fish-isj.jp/

  • 日本トンボ学会

    トンボに関する研究や研究者の親睦を目的とした学会。1957年に日本蜻蛉学会として設立され、現在は日本トンボ学会と改名す。会員数は400名。会誌『TOMBO』と連絡誌『Pterobosca』の発行、大会の開催、トンボの生息環境の保全などを行っている。

  • 全国ブラックバス防除市民ネットワーク(ノーバスネット)

    2005年、外来生物法の成立後、ブラックバス問題に関する情報交換と相互協力を目的に設立。会員は各地で水辺の生きもの保全活動に取り組む団体がほとんど現在43団体。互いの情報交換と相互協力のほか、要望書の提出や各種報告書の発行などを行っている。
    http://www.no-bass.net/

メディア関係者向け勉強会「今求められる外来生物ブラックバスの規制と対策」を開催

今回の要望書提出に関連して、長らくブラックバスの規制や現場の最前線の課題に関わってきた団体および外来生物問題の専門家より、現在の課題の整理や今後の問題解決に向けた提案を行います。ぜひご参加ください。

◆講師:
全国ブラックバス防除市民ネットワーク半沢裕子/滋賀県立琵琶湖博物館中井克樹ほか調整中
◆内容:
各話者から20分程度話題提供をしたのち、質疑応答30分程度を予定
◆日時:
2022年8月19日(金)14時~16時(最大)
◆会場:
オンライン会議ZOOMを用いての勉強会です。
◆対象:
メディア関係者(※一般向けの公開シンポジウムではありません)
◆申込み:
定員30名(先着)/事前申込み・参加費無料

8月19日 勉強会 参加申込フォーム

◆申込み〆切:
2022年8月17日(水)23:59まで
上記申込みフォームにアクセスできない方は、恐れ入りますが社名・部署・名前・連絡先(Email・電話)と、件名に「ブラックバス勉強会参加申込」とご記入の上、press@nacsj.or.jpにご連絡ください。
お申込みをいただいた後に、後日、当日使用するZOOMのURLをお知らせいたします。
■ 本リリースに関するお問合せ
全国ブラックバス防除市民ネットワーク(担当:半沢)
fukuchang23@yahoo.co.jp

■ メディア関係者向け勉強会に関するお問い合わせ
日本自然保護協会(担当:後藤)
press@nacsj.or.jp
〒104-0033 東京都中央区新川1-16-10 ミトヨビル2F
※スパムメール対策のため@を大文字にしています。小文字に修正して送信してください。

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