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2017.12.05(2017.12.14 更新)

辺野古・大浦湾のアオサンゴ、独自の遺伝系統を持つことが判明

公益財団法人日本自然保護協会(会員約2万4千人、理事長:亀山 章)が保全を進める辺野古・大浦湾(沖縄)に生育するアオサンゴ群集が、同じく沖縄の勝連半島、石垣島の白保に分布するアオサンゴ群集とは異なる遺伝系統を持つことが判明しました。

気候変動による影響で、いずれの場所のアオサンゴ群集も白化現象が記録されており保全が必要ですが、全群体がクローンでできている大浦湾のチリビシのアオサンゴ群集は、環境の変化への耐性が弱いことから、とくに保全が重要であるといえます。


アオサンゴ(Heliopora coerulea)は地理的に離れた局所的な海域を含むインド・太平洋全域に広く分布しています(Zann/Bolton 1985)。しかしながら、 アオサンゴはIUCN(国際自然保護連合)のレッドデータリスト絶滅危惧Ⅱ類に掲載されるほどに世界的に危機的状況にあります。
2008年に行われた遺伝子解析で、沖縄島大浦湾のアオサンゴ群集と石垣島白保のアオサンゴ群集とは異なる遺伝子構成をもつことが判明していました(琉球新報2008、Yasuda et al 2012, 2013)。

今回、従来用いられていたマイクロサテライト方法とは異なるMIG-seq法(Suyama et al. 2015)を用いることにより、大浦湾のアオサンゴは、同じ沖縄島の勝連半島のアオサンゴと異なる遺伝系統を有することが判明しました。今回の調査結果は宮崎大学(安田仁奈氏)の調査グループによるものです。

今回の解析結果より、大浦湾アオサンゴ群集は、石垣島の白保に分布する群集だけでなく、同じ沖縄島の勝連半島とも別の遺伝系統であることがわかりました。アオサンゴはすでに絶滅危惧種であることから、3地域のアオサンゴとも可能な限り保全していくことが重要であるといえます。
昨年から、気候変動による影響でいずれの場所のアオサンゴ群集でも白化現象が記録されており、保全が急務ですが、全群体がクローンでできている大浦湾のチリビシのアオサンゴ群集は、環境の変化への耐性が弱いことから、とくに細心の保全が重要といえます。

日本自然保護協会が度々指摘してきたように、米軍基地建設のための辺野古の埋め立て工事は直接の改変地のみならず辺野古・大浦湾の広範囲に影響を及ぼすことが予想されるため、ただちに工事を中止すべきです。

以上


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