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2025.06.11(2025.06.11 更新)

【連載】遺贈寄付を知ろう「第25回:【インタビュー】祖父・父の遺した財産を、想いを託せる寄付先へ遺贈する準備ができ安心しました!」

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専門度:専門度1

遺贈寄付を知ろう〜あなたの想いと自然を未来につなげるために

NACS-Jではここ数年、遺贈寄付に関するご相談が寄せられることが多くなってきました。まだ元気なうちに人生のエンディングの準備を進め、遺産の活かし方をご自身で決める方が増えているようです。

遺贈寄付とは、人生の最後に財産が残った時に、その一部を公益団体などへ寄付をすること。自分の想いを未来に託し、自身亡き後に財産を社会に有効に活かす方法の一つとして、注目が高まっています。ご相談事例や最新動向などから、お悩みや不安の解決につながるヒントをご紹介します。


【連載】遺贈寄付を知ろう ~ あなたの想いと自然を未来につなげるために

第25回 【インタビュー】祖父・父の遺した財産を、想いを託せる寄付先へ遺贈する準備ができ安心しました!

日本自然保護協会には、さまざまな想いが込められた遺贈寄付のご相談が寄せられます。

なかには、相続人や受遺者が、遺言者ご自身より先に亡くなられたり、何らかの事情で相続・遺贈を放棄される場合などに備えて、さらにその先の相続・遺贈先をご自身であらかじめ指定しておく「予備的遺言(補充遺言)」を希望される方もいらっしゃいます。

このたび、予備的遺言の遺言書を作成された中根雅子さんと和彦さんご姉弟が、寄付先の一つに当会をお選びくださり、その経緯や想いを『遺産で貢献する新しい終活 遺贈寄付ブック』(2025年、齋藤弘道監修、主婦の友社刊、1320円)にてお話くださいました。

そのインタビュー記事が雑誌『健康』の公式note(主婦の友社)にも掲載されましたので、抜粋をご紹介いたします。

* * *

金融機関からの紹介で初めて知った「遺贈寄付」

中根雅子さんと和彦さんご姉弟お話を伺った中根雅子さん(左)と和彦さん(右)

自分が亡くなったあとのことを考え始めたのは、弟が脳梗塞を患ったことが理由の1つです。私たちには子どもや孫はいませんので、「私が先にいなくなって、体が不自由になった彼が残ったとき、どうするのが一番いいのか」が心配だったのです。

ちょうどその頃、名前が気に入って利用していた金融機関「きらぼし銀行」の方が、「遺言のことなら」と提携している相続コンサルタントのキャストグローバルを紹介してくださり、さらに、遺贈寄付の専門家である齋藤弘道先生を紹介していただきました。

齋藤先生とお会いして「どうするのが一番いいのか」を相談するまで、「遺贈寄付」という方法があることは知りませんでした。先生のお話を聞き、「このままでは国庫に入ってしまい何に使われるかはわからないけれど、自分で使い道を選べるなら、せっかくだから少しでも社会の役に立ててほしい」。そう考えて、遺贈寄付をすることに決めたのです。

斎藤茂吉さんに師事し歌集を出していた祖父

祖父は金融関係の仕事に就いていた一方で書道や詩といった芸術方面にも長けた人でした。一時期、近所に歌人の斎藤茂吉さんが住んでいらっしゃって、祖父は、直接歌の指導を受けていたんです。祖父自身も歌集を出版していて、臼杵市の公園には祖父の歌碑が建てられています。

臼杵市の小学校では、地元の名士として祖父を紹介してくださっていることもあり、私たちの手元に残っている祖父の歌集や書物などを臼杵市の図書館に寄贈することにしました。

父は昆虫学者で、研究一筋の人で、膨大な量の標本や文献がありました。私たちではその管理が行き届かないのは目に見えていたので、父が学位を取った北海道大学の図書館に寄贈することにしたのです。

臼杵市も北海道大学も、「ここがいい」と希望したのは私たちですが、遺贈までの道のりは齋藤先生がつくってくださいました。それぞれに連絡をとり、遺贈が可能かどうか、使い道についても確認し、「寄付申込書」や「承諾書」のやりとりまで。おかげさまで、安心して遺贈を決めることができ感謝しています。

中根さまの標本(左)祖父の中根貞彦氏は、東京帝国大学卒業後、日本銀行に入行し、のちに三和銀行を設立。臼杵市の公園にある「ちちのみの 父は吾を見ず ははそばの 母は吾知らず 恋しき父母」という歌碑は、幼い頃に中根家の養子となった貞彦氏が両親への思いを綴ったもの。
(右)昆虫学者だった父・中根猛彦氏の標本画。北海道大学に寄贈した研究遺産は、昆虫標本194箱、総数約20万点に上る。

専門家を通じて寄付先が決まって得た安心感

非営利団体は、不動産を含めた遺贈を受け入れる団体として紹介してくださった中から、国際医療技術財団と日本自然保護協会に決めました。

国際医療技術財団は弟の意思が多分にあります。弟は子どもが好きで、困った状況にある子どもや病気の子どもを助けたいという気持ちを強く持っていました。私自身は同財団の「医療そのものだけでなく、医療者を育てる」という点をいいなと思い、決めました。

日本自然保護協会は、昆虫学者だった父が自然を愛していましたので、日本の自然を守るために活動している団体として、思いを託そうと決めました。

今回、弟とそれぞれ遺言書を作り、公証役場に行ってすべてをやり終えたとき、「やってよかったな」とほっとしました。もし私と同じように「どうしようかな。誰に相談しようかな」と迷われている方がいるならば、少しだけ踏み込んで、信頼している方や、信頼できる金融機関の方にお話ししてみてください。糸口が見つかるかもしれません。

* * *

予備的遺言は、お子さんがいないご夫婦や、お独り身の兄弟姉妹、事実婚の方などが、それぞれの遺言書を一緒に作成される際によく利用される方法で、私たちの会ではありがたく予備的遺言による遺贈寄付もお受けしています。使い残した財産の活かし方のご希望を、ぜひご相談ください。

日本自然保護協会の活動はすべて、多くの方からのご寄付に支えられています。少額の募金寄付から、人生最後の社会貢献である遺贈寄付まで、ご支援のカタチはさまざまです。
遺贈寄付や相続財産からのご寄付は、法務・税務・終活等の専門家と連携し、丁寧かつ慎重にご相談を重ね、最適な形で実現するためのサポートを行っています。どうぞお気軽にご相談ください。
お問合せは以下のEメールまたはTELまで。ご案内資料の送付を希望される場合は、ご住所とお名前をお知らせください。

公益財団法人日本自然保護協会(NACS-J) 遺贈・遺産寄付担当(芝小路、鶴田)
E-mail memory@nacsj.or.jp/TEL 03-3553-4101(代表受付、平日10:00~17:00)

遺贈・遺産寄付についてくわしくは・・・

コラム「遺贈寄付を知ろう」 連載目次ページ

https://www.nacsj.or.jp/news/2023/10/37315/

あなたの想いを日本の自然のために遺す、遺贈・遺産・生前のご寄付のご案内

https://www.nacsj.or.jp/support/bequest/

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