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2021.06.28(2021.07.07 更新)

【配布資料】今日から始める自然観察「青く輝くウミホタルの観察」

観察ノウハウ

専門度:専門度2

テーマ:自然観察ツール

フィールド:水路

【今日から始める自然観察】青く輝くウミホタルの観察(PDF/1.8MB)
<会報『自然保護』No.582より転載>
このページは、筆者の方に教育用のコピー配布をご了解いただいております(商用利用不可)。ダウンロードして、自然観察などでご活用ください。

陸で光る生物にはホタルの仲間やホタルミミズ、ツキヨタケなどがいますが、海にもたくさんの発光生物がいます。ウミホタルのいる海岸では夜に遊泳中の個体が渚に打ち上げられ、青い光の粒や筋が見えることがあります。今回はウミホタルに注目します。

鍋島靖信 大阪市立自然史博物館友の会会長・外来研究員専門は水産生物学)


夜の海で光るといえば、ウミホタル。この神秘的な青い光はきっと忘れられない思い出になるでしょう。しかし、実物を知る人はあまり多くありません。2枚の薄い殻の間からヒゲ(触角)と足が出る最大3・6㎜ほどの甲殻類で、二枚貝のような形から貝形類といいます。目で光を感知し、暗くなると砂から出て、底層水中を泳ぎ、死んだ動物の肉を食べます。

黒潮や対馬暖流が流れる沖縄から青森の水深20mより浅い海や、瀬戸内海の潮通しの良いきれいな砂浜にすんでいます。河川の水が流れ込まない塩分の高い海域で、貧酸素水塊の影響がない場所を好み、海峡部など潮流が速すぎると流されてしまいます。生息する環境条件が明確な生物です。

ウミホタルは敵に捕食されるなど、危険な時に大量の発光液を出します。これは捕食者の口を光らせ、脅して吐き出させるという説や、仲間に危険を知らせ、敵を大型の魚に襲わせて仲間を守るという説、オスとメスが繁殖のため居場所を知らせる合図に使うなどの説がありますが、まだ明快な答えが出ていません。

ウミホタルは米粒大の甲殻類で、春から秋に繁殖し、寿命は4~6カ月です。メスは背甲内に30~50個の卵を宿し、約2週間で親と同じ形状の幼体となってふ化します...。

たくさんの発光生物がいる海

海にはウミホタルのほかにも、さまざまな発光生物がいます。ウミホタルと間違われやすい、原生生物渦鞭毛藻類の夜光虫は、海水が入り込む場所であれば、東京や大阪の海近くの水路でも、水をかき混ぜると発光が観察できます。

刺胞動物のオワンクラゲ、ウミサボテン、環形動物のツバサゴカイ類、軟体動物のハナデンシャ、ヒカリウミウシ、イカ類、節足動物のアミ類、魚類のマツカサウオ、深海生物なども発光します。このほか、魚介類の体表の発光細菌も光ります。イカを真水で洗わず海水が付いた状態で、涼しい場所に置いておくと、発光細菌が繁殖すれば、青く光ります。

夜光虫は藻類だが、光合成をせず、他のプランクトンを食べます。体は水風船のような球体で、春から夏に海面でオレンジ色の赤潮となります。その夜は、海面を泳ぐ魚の姿、石を投げた波紋、海岸に打ち寄せる波も青く光って見えます。

ウミホタルトラップ

トラップを作ってウミホタルを採集しよう。じっくり観察し、終わったらその場で海に戻してあげよう。ウミホタルは分散力が低く、地域による遺伝形質などの研究のため、他の場所へ放さないでください。夜の海は危険なので、子どもは大人と一緒に観察しよう。

ウミホタルトラップの作り方解説の画像

ウミホタルトラップのより詳しい作り方は、>>大阪市立自然史博物館友の会のウェブサイト<<に紹介されています。

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