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2021.04.30(2021.05.06 更新)

熊本を訪れ、川辺川「流水型ダム」に対する要望書を提出しました

報告

専門度:専門度1

大野が熊本県の職員に要望書を手渡している写真

テーマ:自然環境調査川の保全

フィールド:ダム

こんにちは、市民活動推進部の浅岡です。

今日は自然保護に関する活動をお知らせします。

NACS-Jでは、3月12日に熊本県知事、国土交通大臣、環境大臣へ、要望書を提出しました。

要望書『川辺川における「流水型ダム」に対する住民参加手続きと環境影響評価法による環境アセスメントを求める要望書』(2021年3月)

この時、熊本へ出張して、地元の自然観察指導員熊本県連絡会のみなさんと一緒に、熊本県球磨川流域復興局の方へ要望書を直接お渡し、市民の声を熊本県知事へ届けました。

このときの様子が、NHK熊本放送局の夕方のニュースにも流れたんだよね!

ベンジャミンのひとこと解説

2020年7月の豪雨を受けて、球磨川流域の治水対策について話し合う場が設けられました。
熊本県と国(国土交通省九州地方整備局)によるその協議会では、「川辺川に流水型ダムをつくる」ことが前提となって話し合いが進行しています。
NACS-Jは「ダム建設を本当に住民が望んでいるのか、生活や環境面からメリット・デメリットを示してダムありきではない複数の案を考えた上で、最善のものを選択すべき」だと伝えています。また、環境影響評価法による環境アセスメントを行わず、過去の自主的な調査と補足的な調査ですませようとしていることにも問題があると指摘しました。

要望書の提出の後は熊本県庁で記者会見を行いました。

NACS-Jは自然観察指導員熊本県連絡会と20年以上にわたり、希少猛禽類のクマタカをはじめ、水生生物、九折瀬洞など、この流域の自然環境に関する調査を独自に行ってきたことなども伝えました。

要望したポイントは下記の2点です。

  1. 「流水型ダム」建設を前提にせず、ゼロオプションを含む複数案の検討を住民参加で行うこと
    建設の検討には、国土交通省が定める「 公共事業の構想段階における住民参加手続きガイドライン」にのっとり、住民参加手続きをすすめ住民の意見を十分に反映させるべきです。
  2. 「川辺川ダム」事業に対し、環境影響評価法による環境アセスメントを行うこと
    生物多様性の保全の観点からも、住民をはじめとする国民が意見を提出する機会を設けることからも、法にもとづく環境アセスメントを実施することが必要です。

翌日の熊本日日新聞、朝日新聞でも掲載され、熊本県民に広く伝えることができたのではと思います。

また、翌日は阿蘇郡西原村にある風力発電施設を自然観察指導員熊本県連絡会の方々と視察。こちらの風力発電は、さらに大型のものに建て替えが予定されています。

途中で熊本のゆたかな水源地、白川水源に立ち寄ってほっとひといき。写真中央の青く見えている部分から、湧き水が絶え間なく出ていました!すごい!

もちろん11月20日(土)〜21日(日)に、熊本県宇城市(豊野青少年の家)で開催する自然観察指導員の講習会会場も下見と打合せをしてきました。

ゆたかな自然があふれる会場は自然観察にぴったりの場所でした。

「水の都」の熊本がこれからも続いていきますよう、自然観察指導員の仲間を増やしながら、地元のみなさんと一緒に活動していきます。

お近くにお住まいのみなさま、ぜひ自然観察指導員講習会にもご参加お待ちしています!

 

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