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2020.05.12(2020.05.12 更新)

【おうちで自然観察】ウエちゃんの「自然の世界に連れていってくれる」絵本紹介♪

自然観察指導員観察ノウハウ

専門度:専門度1

テーマ:環境教育自然観察ツール子育て

なかなか外に出られない日も、絵本で自然の世界を旅してみませんか?
絵本をふんだんに使って、子どもたちを自然の世界に引き込む自然観察会の達人のウエちゃんが、今だから読み聞かせたいおススメ絵本をご紹介します。


 

のにっき -野日記-

著者:近藤薫美子
価格:1550円
発行:アリス館

これは私がすごい感動した本です。
この本にはほとんど、文章が出てきません。
ある日、小さな動物、たぶんイタチじゃないかなと思うんですけど、死んじゃうんです。この死んじゃった生きものの亡きがらがどうなっていくかっていうカレンダーです。自然の中では、死体さえもこんなにいろんな生きものたちの役に立っているんだっていうことが分かる。
私が感動したのは、ラスト。だんだん季節が移っていって、これは私の想像ですが、お母さんの亡きがらの栄養で育った木イチゴを食べたネズミを捕ってるんですよ。それで自分の子どものところにいく。ああ、生命がつながってるっていうことだと思うんです。
近藤薫美子さんは琵琶湖のほとりに住んでいる方で、趣味がウルトラマンと自然観察だそうです(笑)。とっても面白い絵本を書いています。


くぬぎの木いっぽん

作者:近藤薫美子
価格:1540円
発行:ブックローン出版

ある日、1匹のアリンコがクヌギの木の前に「立ち入り禁止、森林伐採」って書いてある立て札を見つけるんです。
それを伝言ゲームで、このクヌギの木に住んでいる生きもの全部に伝えていく。
クヌギの木1本に、どれだけたくさんの生きものがいるのか、クヌギの木1本が伐られることで、どれだけの生きものに影響があるかを伝えてくれる絵本です。


たべたのはだれ?

作者:藪内正幸
価格:1210円
発行:童心社

いろいろな動物の食べた跡(食痕)について、「食べたのだれ?」って同じパターンで見せていく絵本です。
「クルミを食べたのだあれ?」ーーーーー 「リス!」っていうふうに。
小さい子にはワンパターンってすごく魅力的なんですよね。
この本の特徴は、1ページ1個というところ。ここが本当に小さい子向けです。大きな子だと、たくさん載ってても全然平気なんですけど、小さな子は情報が少なくないと、きついんですね。
小さな子と散歩しながら、動物の痕跡なんかを見つけたら、「これかな?」「あ、違うねえ」「じゃあ、これかな?」ってこの本を使うといいと思います。 同じ図鑑形式でも、ちょっと、表現の仕方がほかの絵本と違います。


月夜のみみずく

著者:ジェイン ヨーレン
イラスト:ジョン ショーエンヘール
翻訳:工藤直子
価格:1320円
発行:偕成社

翻訳者の工藤直子さんは 『のはらうた』(童話屋刊)などを出されてる詩人ですが、この方が訳しているのもいいです。
月夜の晩に、お父さんと一緒に小さな女の子がみみずくに会いに行くっていうお話です。自然観察のワクワクとか、ドキドキとか、そういうのがすごく伝わってくる。ああ、この自然観察の楽しさがあるから真っ暗でも我慢できるんだよね、寒くても我慢できるんだよねっていうところまで伝わってきます。
お父さんがホーホーって呼ぶ。みみずくが、なかなか出てこないところがまたいいんですね。で、みみずくがようやっとやってきて、それにお父さんがバッとライトを浴びせるんですよ。これを最初に見たときにはぞくぞくっときました。
この本はもう1回読み直すと面白いです。女の子は気づいていないんだけど、ページのいろんなところに動物が隠れている。そんなのも見つけながら読むと、すごく面白いですよ。


虫のくる宿

著者:森上 信夫
価格:1650円
発行:アリス館

これからの時期、夜、家の明かりは虫たちを呼んでくれます。網戸や窓ガラスにどんな虫が来るかを家の中からスマホで撮影してみると、いつもとは違った姿が見られて面白いですよ。この写真絵本は、泊まった宿の街灯や窓ガラスで出会った虫たちのことを紹介してくれています。みんなも真似して「家で見つけた虫」を観察してみるのも楽しいと思います。

泊まった宿の街灯や窓ガラスで出会った虫たちのことを紹介した写真絵本。

 

オススメ絵本の案内人


植原 彰(うえはら あきら)
NACS-J自然観察指導員/乙女高原ファンクラブ」代表/山梨県内の小学校の先生。
自然観察会で絵本をふんだんに使って、子どもたちを自然の世界に引き込む達人。自然に関する絵本を1000冊以上所蔵し、自身でも環境教育の本を複数執筆。

 

 

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