日本自然保護協会は、生物多様性を守る自然保護NGOです。

  • 文字サイズ

壊れそうな自然を守る

Home 主な活動 壊れそうな自然を守る 保護林制度改定を受けた全国の保護林の再編成が進んでいます。

壊れそうな自然を守る 一覧へ戻る

2017.02.24(2017.04.02 更新)

保護林制度改定を受けた全国の保護林の再編成が進んでいます。

解説

専門度:専門度5

テーマ:森林保全

フィールド:森林全国

林野庁が管理する全国の国有林には、学術研究、野生生物の生息地の保護、風致の維持などを目的とした「保護林制度」に基づく、多種類の保護林(森林の自然保護地域)があります。会報No.554でもお知らせしたとおり、今年度、これまで7種類あった保護林を3種類に再編する作業が進められています。今までは保護林であった場所を記念物や協定の森など別の制度に乗り換えさせて森を維持していく場所もあります。

 

再編は保護林の設定、管理、モニタリングの方法などを検討する「保護林管理委員会」が森林管理局ごとに設置され、有識者・第三者の意見を加えながら進められます。

 

日本自然保護協会では、北海道、関東、中部森林管理局管内の保護林の再編作業に参加しています。
再編案の例としては、関東森林管理局管内では、「南アルプス南部光岳森林生態系保護地域」に西端の白倉と中ノ尾根山にあった別の保護林が合体されます。また福島県会津では「奥会津森林生態系保護地域」では、これまで保護林の中にありながら外されていたブナ林に囲まれた大小の沼が「森林生態系保護地域」の一部として合体されることになりそうです。重要湿地が合体することは、保護地域の質の向上に大変役立つことです。

 

北海道では、「大雪山生態系保護地域」に十勝川上流の「森林生物遺伝資源保存林」が合体されます。利尻島と礼文島ではそれぞれ独立した「生物群集保存林」になるとともに、礼文島にあった2つの保護林は合体されて礼文島に広いひとつの保護林がつくられることになりそうです。また、日高山脈では、中央部の「日高山脈森林生態系保護地域」に、東側と西側にそれぞれふたつあった「森林生物遺伝資源保存林」が合体され、日高のひとまとまりの保護林とすることが検討されています。

 

このように今年度は全国7局とも既存の保護林の再編を中心に検討し、今年度中に結論が出せずに宿題になった保護林の措置と新たな場所への設定は、来年度に予定されています。再編案は、各森林管理局のウェブサイトで掲載されていく予定です。
自分の地域の保護林指定地がどのような保全や管理を必要としているか、ぜひ会員の皆さんも注視してください。

この記事のタグ

壊れそうな自然を守る 一覧へ戻る

あなたの支援が必要です!

×

NACS-J(ナックスジェイ・日本自然保護協会)は、寄付に基づく支援により活動している団体です。

継続寄付

寄付をする
(今回のみ支援)

月々1000円のご支援で、自然保護に関する普及啓発を広げることができます。

寄付する