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2020.04.03

環境省「令和元年度ジュゴン生息緊急調査業務」結果概要を受けて担当者のコメントを発表します

ジュゴンとウミガメ
▲ジュゴンとウミガメ(撮影:東恩納琢磨)

3月31日に環境省が「令和元年度ジュゴン生息緊急調査業務」の結果概要を公表しました。ジュゴンが海草を食べたとみられる跡が沖縄県の伊良部島と波照間島の沿岸で初めて確認されました。

それを受けて担当者コメントを発表します。


環境省の結果概要より波照間島と伊良部島でジュゴンの食み跡(はみあと)が発見されたということがわかった。日本にとって世界にとって大変喜ばしいニュースである。IUCNの調査計画書に従い、伊良部島や波照間島など八重山諸島にて環境DNA調査、ドローンによる調査、市民の協力を得るなどを実施した点については環境省の努力を高く評価したい。一方で、沖縄島については同省が本気でジュゴンの生息の有無を確認する気があるのかどうか疑問である。報告書によるとジュゴンの食み跡調査は年に2回しか実施していない。食み跡はジュゴンが海草を食べて2〜3週間しか存在しないので年2回の調査ではジュゴンの海域利用状況は把握できない。

これではパフォーマンスという位置づけになってしまう。なぜこれらの海域では環境DNAやドローンなどのテクノロジーを活用しないのか。また以前に生息が確認された沖縄島中部の勝連半島や目撃情報があった中南部について聞きとり調査も行っていない様子であるのも不自然だ。

環境省は真剣に日本に生息するジュゴンの全ての個体数を早急に把握し保護対策を取る必要がある。少し前までジュゴンが利用していた沖縄島が重要であることは言うまでもない。また現在八重山諸島にいるジュゴンが沖縄島に移動する可能性もあり、そのときに餌場の海草の有無は重要になってくる。

今回は「緊急調査」で「概要」の公表であるとのことから、きちんとした調査報告書が後日公表されることを願う。防衛省や沖縄県と役割分担をして調査をしているというのであればその詳細を明記すべきである。

(保護部主任 安部真理子)

<関連リンク>
◆ジュゴン、沖縄2島に生息か 海草食べた跡を環境省が確認 (東京新聞 2020年4月1日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202004/CK2020040102000262.html

◆令和元年度ジュゴンと地域社会との共生推進委託業務 令和元年度ジュゴン生息緊急調査業務報告書
http://www.env.go.jp/nature/kisho/r1_jyugon.pdf

◆日本産ジュゴン個体群の調査計画(IUCN海牛類専門家グループ)
http://locus39.net/Japanese_Dugong/(英語)

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