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自然環境行政・環境基本計画への提言

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2020.01.10

種の保存法の改正案に対してパブリックコメントを提出しました

トウキョウサンショウウオの写真
▲トウキョウサンショウウオ(写真)

生物多様性保全の基本のひとつである、通称 “種の保存法” の指定種が63種追加されることになりました。

種の追加は必要なことで賛同するとともに、生息地の保護までは十分できていないなどの課題に対して日本自然保護協会として意見や提案を提出しました。

また、今回追加された約1割の6種は市民からの提案です。市民提案は、日本自然保護協会が提案し採用された制度で、きちんと機能していることを評価するとともに、市民調査の結果などに活用していきたいと考えています。

みなさんもぜひ提案してみてください。


「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令(案)」に対する意見

公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章

    1. 国内希少野生動植物種として新たに63種を指定することに賛同します。
      今回の指定では、固有種や、洞窟に生息する生物、淡水魚など保護の必要性の高い種が多くあり、これらの指定は重要であると考えます。今回新たに「特定第二種」というカテゴリをつくり、3種を指定することについても、二次的自然に依存する種として、重要かつ指定の効果が期待できるため賛同します。
    2. 「特定第二種」の対処は基本的には個体の捕獲、譲渡し等において原則禁止とし、生息地等保護区の指定や保護増殖事業は必要に応じて行うとされています。トウキョウサンショウウオのように生息地が激減しているところに捕獲圧が加わり大きな脅威となっている種においては、捕獲や譲渡しの禁止も重要な事項ですが、加えて生息地等保護区の拡大も必要な措置であると考えます。今回の63種の選定要件は「ウ 分布域が限られており、かつ、生息地等の生息・生育環境の悪化」とされる種が多く、特定第二種は3種すべてが「イ 全国の分布域の相当部分で生息地等が消滅しつつある」のカテゴリでした。いずれの種においても生息地等保護区の拡大が必要です。
    3. 絶滅危惧種は増え続けており、それらの種を本質的に保護するためには、種の指定と共に生息地等保護区の拡大や保護増殖事業の対象種も拡充させることが必要です。そのためにも、指定された種数に応じて予算を増加することが必要と考えます。
      また、「特定第二種」においては、二次的自然である農地等を生育地とする種が多く、例えば、農地の多面的機能・環境保全型農業直接支払制度での活動項目における保護活動の明記など、他省庁間の連携の具体的な検討を求めます。
    4. 種の保存には生息地の保護が必要不可欠であるため、指定種は環境影響評価法において開発の回避をより厳密に行うなど、環境政策全体としての手立てが必要と考えます。
    5. 市民提案制度が機能し、市民からの提案の半分が指定されていることは評価できることと考えます。アマミチャルメルソウ始め、今回の63種の1割相当の6種は市民提案とのことで、今後も積極的に呼びかけていただきたいと考えます。一方で、市民による調査等に限界があり把握の難しい環境(例:沿岸域、海域、高山域等)では、生物種の科学的データが得づらく保護の必要性の把握も遅れがちだと考えます。必要に応じて、NGO や地域の研究者などの調査研究を補助するなど、調査にかかわる人材の裾野を広げる必要があると考えます。

以上


(ご参考)
「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令(案)」に対する意見募集(パブリックコメント)について
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=195190081

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