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東日本海岸調査~東日本大震災と防潮堤計画

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2013.03.04

宮城県仙台海岸の防災林事業の問題点と改善策を協議しました。

1月15日、宮城県仙台海岸の防災林事業の修正にかかわる2回目の協議を仙台森林管理署にて行いました(前回協議についてはこちらを参照)。
NGO側は、NACS-J、エコトーン・モニタリングにかかわる大学研究者、日本蝶類保全協会や仙台湾の水鳥を守る会、宮城昆虫地理研究会、宮城植物の会などの13人。行政は、林野庁本庁、東北森林管理局の20人とオブザーバーとして宮城県、仙台市、環境省東北地方環境事務所から8人の40人を超える協議会合でした。長大な防潮堤をつくりつつある国土交通省にも同席を求めましたが、残念ながら不参加でした。
今、防災を理由に海辺と平行に高い盛土をして(この点が、かつてあったマツ林と大きく異なります)のクロマツ植林が計画されていますが、もしこれを機械的に進めてしまえば、海と陸の自然性は完全に切り離されてしまいます。しかし、津波だけでなく潮害・飛砂・風害などの恒常的な海の悪影響は避けたい農地などがすぐ近くに迫るのもまた事実。被災した海岸防災林跡地に時間の経過とともに自然の回復が見られていることを共有した中で、厳しい意見交換を4時間続けました。
結果は、①生物多様性の保全策と事後モニタリングの方法を考える専門家会合を設ける、②この中で、仙台工区と重なったNGOによる自主的なエコトーン・モニタリングサイトの保全策も検討する、③2013年度の事業計画も、生物調査を行いつつ同様の方法で善処を図る、となりました。後日、協議参加のNGOから動物・植生・モニタリングサイトの3人の専門家がこの専門家会議に入ることになりました。東北森林管理局では仙台市域の海岸林復旧において考慮が必要な自然性に関する各分野の地域有識者へのアンケート調査を始めました。
NACS-Jも、防潮堤と防災林の復旧事業に対して政府の関係大臣あてに意見書を出しました。
自然保護にはこのような意見の表明と具体的な協議が常に必要です。
会員の皆さんの継続的な支援をぜひお願いいたします。
(常勤理事・横山隆一)
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▲2012年9月の名取海岸。渚・砂浜・砂丘・海浜植生・海岸林・湿地・池や水溜りなど多様な環境とそこに暮らす生きものたちが戻ってきていた。

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