日本自然保護協会は、生物多様性を守る自然保護NGOです。

  • 文字サイズ

生物多様性を脅かす外来種問題

Home なくなりそうな自然を守る 生物多様性を脅かす外来種問題 ニュース&トピックス 外来生物法・特定種の選定について パブリックコメント提出

生物多様性を脅かす外来種問題 ニュース&トピックス 一覧に戻る

2005.03.10

外来生物法・特定種の選定について パブリックコメント提出


1:意見の対象となる種(資料中のどの生物についての意見か、標準和名で記載してください。)
2:意見の概要(100字以内で記載)
3:意見及び理由(可能であれば、根拠となる出典等を添付又は併記してください。)

オオクチバス
本種の特定外来生物に指定に賛成。抜け道をつくらないためにも「オオクチバス(亜種フロリダバスを含む)」と明記して指定とすべきである。
かねてから、全国的に在来の生態系への被害が問題視され、ブラックバス小会合においても、研究者や日本魚類学会から生態系への被害や違法放流による分布拡大の実態を示す資料が提出されており、本法律の精神である生態系への被害を第一義としている点からも、施行時の第一陣に指定されることは当然の判断である。今後、社会的な合意形成を図りながら、防除計画をどのようにすすめていくかが大きな課題であり、防除の方針や漁業権魚種として指定されている湖での対応についても、科学的な検討を公開で行わなければならない。
また、今回、オオクチバスを指定するにあたっては、近年、琵琶湖などで違法放流による分布拡大と交雑が指摘されているフロリダ半島産亜種フロリダバス(M.salmoides floridanus)も、指定しておかなければ、外見上の区別が難しいなか、フロリダバスなら違法にならないという抜け道をつくってしまうことになる。したがって、「オオクチバス(亜種フロリダバスを含む)」と明記すべきである。
当協会では、オオクチバスの問題について、下記のように会報を通じて、オオクチバスの問題について警鐘を鳴らしてきた。
参考文献:
横川浩治・中井克樹・藤田建太郎(2004)近年の琵琶湖におけるフロリダバスの大規模な侵入.
2004年度日本魚類学会年会講演要旨.
会報「自然保護」No.450.2000.10. 特集「エイリアンスピーシーズ」釣り人気の的、ブラックバスが在来魚を食べる,
会報「自然保護」No.479.2004.3・4. 特集「侵略的外来種」ブラックバス・ブルーギル(寄稿:中井克樹)
日本自然保護協会・WWFジャパン・日本野鳥の会(2004).「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」における特定外来生物に、指定すべき提案リスト.
グリーンアノール
本種の特定外来生物の指定に賛成。外来種対策が急務とされている小笠原において、拡散防止策を早期に講じるべきである。本州での逸出・遺棄についても警戒が必要。
父島・母島では、グリーンアノールの補食によって、固有昆虫種の絶滅が危惧されるまでに影響を及ぼしている。近年では補食対象の昆虫が大型化してきており、小笠原の秋の風物詩であったオガサワラゼミも、ごく一部地域に残存している状況で、小笠原在住者の自然的な体験や文化にも影響を及ぼしつつある。今後、属島への拡散防止策と具体的な駆除方法の確立と体制を講じるためにも特定外来生物の指定すべき種である。小笠原においては、世界遺産登録にむけて、外来種対策が課題の一つにあげられており、今後、環境省として展開される自然再生事業のなかでも、本法律をうまく活用をし、具体的な方策を講じるべきである。また、ペット利用もしくはハ虫類用の餌として本種が利用されており、今回の指定によって遺棄される可能性が十分にあるため、本州でも普及啓発と逸出・遺棄の防止を徹底させなければ、本州での生態系への被害の可能性は否定できない。餌利用について注意が必要である。
参考文献:
苅部治紀・須田真一(2004)グリーンアノールによる小笠原の在来昆虫への影響.小笠原における昆虫相の変遷-海洋島の生態系に対する人為的影響-,神奈川県立生命の星・地球博物館年報.10:21-30.
日本自然保護協会・世界自然保護基金ジャパン・日本野鳥の会(2004).「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」における特定外来生物に、指定すべき提案リスト.
アライグマ
本種の特定外来生物の指定に賛成。各防除事業への長期的な予算と支援が必要である。
当協会では、会報を通じて全国の会員等へ、アライグマの問題について警鐘を鳴らしてきた。ニホンザリガニやエゾサンショウウオなど在来種の補食、アオサギのコロニーの消滅などが北海道で報告がされているが、現在定着を拡大している各地でも、繁殖力が非常に高く、天敵がいないため、北海道同様に在来生物への影響が明らかになりつつあり、特定外来生物に指定し、遺棄の防止や防除をすすめていかなければならない。分布が急激に拡大しはじめた自治体などでは、有害鳥獣捕獲で農業被害や家屋被害等の場合に対応するにとどまり、今後、本法律を活用した計画的な防除計画づくりが必要である。しかし、そのための予算が十分に確保されていないのが現状である。国としても、今後、地域主体の合意形成を含めた広域的な防除モデルを行ったうえで、各防除事業への長期的な予算と支援が必要と考える。
参考文献:
会報「自然保護」No.329.1989.10. 「アライグマが野生で繁殖」,
会報「自然保護」No.450.2000.10. 特集「エイリアンスピーシーズ」アライグマに乱される生態系と農業,
会報「自然保護」No.479.2004.3・4. 特集「侵略的外来種」アライグマ(寄稿:中尾睦子)
日本自然保護協会・世界自然保護基金ジャパン・日本野鳥の会(2004).「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」における特定外来生物に、指定すべき提案リスト.
ナガツルノゲイトウ、ブラジルチドメグサ、ミズヒマワリ
水草3種の特定外来生物の指定に賛成。要注意種について、広範に被害を及ぼしている種のため、注意喚起や普及啓発が重要。他の侵略的な水草や陸上植物についても、指定の可能性を速やかに検討すべきである。
水草3種の特定外来生物の指定に賛成。アクアリウムの愛好家や販売業者のなかで、分類を明確にせずに取り扱っているという情報もあるため、指定される三種の認識を深めるための周知が規制と同時に必要である。今回、要注意種とされたオオフサモ、オオカナダモ、ホテイアオイ、ボタンウキクサについて、使用者等に遺棄をしないよう注意喚起や普及啓発が重要であり、今後も特定外来生物の指定の可能性を継続して検討すべきである。
また、水草だけの検討にとどまらず、陸上植物についても、指定にむけた検討を早期にはじめ、今回、要注意種とされたシナダレスズメガヤなどの緑化植物は、特定外来生物に指定されるよう規制体制の確立を促すことこそが必要である。
参考文献:
会報「自然保護」No.479.2004.3・4. 特集「侵略的外来種」外来水草(寄稿:角野康郎)
日本自然保護協会・世界自然保護基金ジャパン・日本野鳥の会(2004).「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」における特定外来生物に、指定すべき提案リスト.

生物多様性を脅かす外来種問題 ニュース&トピックス 一覧に戻る

あなたの支援が必要です!

×

NACS-J(ナックスジェイ・日本自然保護協会)は、寄付に基づく支援により活動している団体です。

継続寄付

寄付をする
(今回のみ支援)

月々1000円のご支援で、自然保護に関する普及啓発を広げることができます。

寄付する