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生物多様性を脅かす外来種問題

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2004.10.27

予防原則を重視した指定を!特定外来生物の選定に向け、NGO3団体が「指定すべき提案リスト」を作成・提出

国は、今年5月に成立した「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」による特定外来生物の選定作業を行っています。10月27日からは、選定のための専門家会合が始まりました。


日本自然保護協会、WWFジャパン、日本野鳥の会の3団体は、この選定作業にむけ、『特定外来生物に指定すべき生物の提案リスト』を取りまとめました。
●NGO3団体作成『特定外来生物に指定すべき生物の提案リスト』

 

リスト全文は、WWFジャパンのホームページからダウンロードしてご覧いただけます
http://www.wwf.or.jp/activities/lib/wildlife.html


2004年10月27日

環境大臣
小池 百合子 殿


特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律による
特定外来生物の選定に関する要望書

(財)世界自然保護基金ジャパン
(財)日本自然保護協会
(財)日本野鳥の会

拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。日頃、野生生物の保全にご尽力下さり誠にありがとうございます。

ご承知のとおり、我が国は生物多様性条約の加盟国として、国内および世界の生物多様性の保全において、その役割が大いに注目されてきているところです。

さて、特定外来生物の取扱いについては、第6回生物多様性条約締約国会議における「生態系、生息地及び種を脅かす外来種の影響の予防、導入、影響緩和のための指針原則」で「環境と開発についてのリオ宣言の原則15にふくまれる予防的アプローチ」の考え方が重要と明記されております(末尾参照)

先般、閣議決定された「特定外来生物被害防止基本方針」では、「背景」として、『国際的にも生物多様性条約第8条(h)において、対応の必要性が位置づけられ、予防的な観点に立って、侵入の防止、早期発見・早期対応、防除(影響緩和)を図ることが重要であるとされている。』と予防原則の考え方が明記されました。また、特定外来生物に該当する外来生物の選定に関して『生態系等に係る被害又はそのおそれに関する国内の科学的知見を活用する。なお、被害のおそれに関しては、現に被害が確認されていない場合であっても既存の知見により被害を及ぼす可能性が高いことが推測される場合には、その知見を活用するものとする。』と被害が確認されていない場合であっても既存の知見により被害を及ぼす可能性が高いことが推測される場合には、選定対象とすることが明記されました。

自然保護団体として、以上のような観点から特定外来生物が限定されたものにならないよう予防原則を重視し、国内で影響を及ぼしている、もしくは及ぼす可能性がある外来生物を挙げ、特定外来生物に指定すべき種のリストを作成しました。

我が国の生物多様性を保全する上において、特定外来生物の指定は、大変重要な行程であると認識しております。

つきましては、下記の事項について要望致しますので、ご検討の程お願い申し上げます。

 

敬具

1.特定外来生物の選定について:特定外来生物の指定にあたって主務大臣は、学識経験者の意見を聴くこととされていることから、「特定外来生物等専門家」および「専門家グループ」による選定において、『「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」における特定外来生物に、指定すべき提案リスト(以下、指定すべき提案リスト)』を参考にすること。

2.未判定外来生物の選定について:未判定外来生物の選定については、今回、魚類など一部の種のみ、指定すべき提案リストを作成したが、魚類以外の生物群においても同様に我が国に導入された場合における影響の実態を把握した上で検討すること。

3.国内移動・家畜・家禽の対処について:在来生物(家畜・家禽を含む)を国内の他の地域に持ち込むことにより生じる問題については、法律上対応していない。しかし、中央環境審議会野生生物部会外来生物対策小委員会委員長談話「外来生物問題に関する総合的な取組について」でもまとめられた通り、外来生物法の運用上、規制対象とはならない生物についても、他地域への導入の問題は重要な課題であるため、具体的な対策を明示すること。

 

以上

※「生態系、生息地及び種を脅かす外来種の影響の予防、導入、影響緩和のための指針原則」(生物多様性条約第6回締約国会議決議)

 

指針原則1 予防的アプローチ

非意図的な導入の特定と予防においては、意図的な導入に関する決定と同様、侵略的外来種の経路と生物多様性への影響が予測不可能だとすれば、特にリスク分析に関しては、以下の指針原則に従った予防的アプローチに基づいて努力すべきである。予防的アプローチは、1992年の環境と開発に関するリオ宣言の原則15及び生物多様性条約の前文で明らかにされたものである。

また、予防的アプローチは、すでに定着してしまった外来種の撲滅、封じ込め、予防措置を検討する際にも適用されるべきである。侵入種の様々な影響に関する科学的な確実性が欠如していることを、必要な撲滅、封じ込め、予防措置をとることを先延ばしにしたり、あるいは措置をとらない理由とすべきでない。

指針原則10 意図的導入

2)意図的な導入に関する決定は、リスク分析の枠組みを含めて、1992年の環境と開発に関するリオ宣言の原則15及び生物多様性条約の前文で言及された予防的アプローチに基づくべきである。生物多様性の減少若しくは損失の脅威のある場合には、外来種に関し充分に科学的な裏付けがないことや知識が不足していることによって、権限のある当局が、侵略的外来種の拡散と悪影響を予防するために、そのような外来種の意図的な導入に関する決定を下すことを妨げてはならない。

以上

この件に関する問い合わせ先:

(財)世界自然保護基金ジャパン<草刈秀紀>
(財)日本自然保護協会<大野正人>
(財)日本野鳥の会<金井 裕>

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