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吉野川第十堰問題・河口干潟の保全

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1996.12.01

徳島県・吉野川フィールド情報

No.412(1996年12月号)より転載


冬から春のフィールド情報    

日本でも有数の暴れ川として知られる吉野川。徳島平野は、川が分流してできたいくつもの三角州から成り立っています。吉野川と旧吉野川の分岐点近くには、「第十堰」とよばれる堰があります。これは、江戸時代中期に農民の手によって築かれ、以来何度も補修されながら人々の生活を支えてきました。第十堰の特徴は、なんといっても堰本体が砂利と石でつくられていること。上流の淡水が堰を透過していくので、汽水域の環境が損なわれていません。訪れた際は、堰直下の水をなめてみて下さい。昭和40年代にかなりの部分はコンクリートで覆われてしまいましたが、上堰に昔の青石張りの状態が残っており、冬の渇水期には歩いて渡ることができます。また、堰が斜めに渡っているため、右岸側には深み、左岸側には砂州、堰上流には中州と河畔林と、変化に富んだ自然が成り立っています。

第十堰と河口の間には大小さまざまな干潟・砂州・島があり、多数の渡り鳥が越冬します。そのため今春、このうちの約500haが「東アジア-オーストラリア地域シギ・チドリ類保護区ネットワーク」対象区となりました。

一方、国道192号線沿いに河口から40キロほどさかのぼると、両岸に大規模な竹林が見えてきます。これは、阿波町岩津から池田町まで約40kmにわたって断続的に続く、日本最大の水害防備林です。竹林は、洪水をゆっくりあふれさせ、川の恵みを受け取る究極の近自然工法で、第十堰とともに日本の川文化のひとつとして注目されつつあります。

何が問題になっているのか?

第十堰約1km下流に、堰長725mの可動堰を新設する計画があります。現在建設省ではこの事業の必要性を再検討していますが、可動堰の建設が吉野川の自然に与える影響について十分に議論されているとはいえません。情報公開・住民参加など見直し作業のあり方そのものも大きな問題になっています。

出かける際に気をつけたいこと

第十堰を訪れるのに特別な注意はありません。干潟に出かける際は、あらかじめ干潟時刻を調べておく。長靴・帽子・双眼鏡を持参。立入禁止水域もあるので、標識などで確かめましょう。

おすすめのおみやげ    
徳島の名産といえば「すだち」。そのほか、「和三盆」というお菓子や「そば米」「半田そうめん」が好評。地酒では「芳水」があります。

アクセス     
■バスの場合    
JR徳島駅⇒徳島バス二条・鴨島線(西麻植行きまたは市場行き)で⇒約30分⇒第十新田下車、徒歩0分⇒第十堰左岸。バスが吉野川の堤防上を走るので、雄大な景色が楽しめます。
あるいは、JR徳島駅⇒徳島バス覚円駅(不動経由覚円行)で30分⇒第十下車、徒歩5分⇒第十堰右岸

■車の場合
国道11号線の吉野川大橋北詰(左岸)から堤防道路を上流へ約10km
おすすめの宿泊施設      眉山会館(徳島市住吉1-2-31Tel0886-25-7575)、厚生年金会館(徳島市南前川町3-1-22Tel0886-26-1118)など徳島市内に多。

参考資料    
「吉野川BOOK1 いま第十堰を知るために」(ダム・堰にみんなの意見を反映させる県民の会/700円)。また、「吉野川河口の干潟」というパンフレットが 2種類(財)日本野鳥の会徳島支部Tel同右、パンダクラブ徳島Tel0886-25-7439)あります。希望者には無料で分けてくれます。

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