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長野オリンピック会場建設問題

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1990.01.26

長野冬季オリンピック招致委員会実行委員会の 決定に対するコメント

一、「冬季オリンピックにあたって、新たな自然破壊をもたらしてまで開催するのは、自然環境保全上の立場から大きな問題であり、これは近年の国際世論にも反する。したがって、コース開設や施設設置については、新規開削をせずに既存施設を活用することによって自然環境への影響を避けることが開催にあたっての大前提となるにもかかわらず、今回の判断に立ち至ったことはまことに遺憾であり、今後の国内外への影響が憂慮される。

一、「岩菅山変更案は、コース・リフト・駐車場など全面的な新規開設で、標高差800m、距離3Km近くに及ぷ開発となり、自然環境に与える影響は無視できないものがある。純粋に科学的立場から評価するならば、岩菅山案(変更案を含む)がもっとも自然環境に与える影響が大きいことはこれまでの知見からも明白である。(注1)

一、滑降コース予定地は、上信越高原国立公園内に含まれ、高標高地は、特別地域に指定されている。オリンピックによって、国立公園特別地域(第二種あつかい)を含む開発をすることは大きな問題である。

一、当鼓地域は原生林ではな<二次林を含む自然環境だから、あまり重要でないとの考えは、自然環境に対する評価をゆがめることにつながりかねない(注2)。当該地域の重要性は、岩菅山稜線をはさんで広がる魚野川原生流域に隣接する緩衝地帯としての役割であり、しかも、地権者みずからが「和合会の歴史(下)」で指摘しているように、志賀高原全体は過剰利用の状態にあり、そうした中で、面的にまとまって良好な自然環境が維持されているところにある。そのことの評価が、適切に反映されていないことに問題がある。

一、「招致委員会自然保護専門委員会の1月22日付最終判断で、「多数の意見が岩菅山変更案でやむなし」とのことだが、もともと17名の専門委員のうち自然保獲関係者はきわめて少数であり、恣意的な判断にならぎるを得ない委員構成になっている。また、委員長は委員会の席上で多数決判断をしないとの言明をしてきたが、これでは偏った委員会構成の中で事実上の多数決判断がなされたのと変わらないことになる。

一、地球環境の危機が国内外で強い関心をよんでいる折に、新たな自然破壊をもたらしてまでの冬季オリンピック開催を、多くの国民は望んでいないことの現実を、招致関係者はもっと謙虚に受けとめる必要があろう。また岩菅山の良好な自然環境を犠牲にしてまで実施することになれば、オリンピックそのものの権威を失墜させ、国内的にも国際的にも批判が高まることは必死であり、そのことを強<危惧する。

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