
▲本会議でのNGO宣言の発表
2008年10月28日から11月4日、韓国・チャンウォンでラムサール条約第10回締約国会議が開催されました。ラムサール条約は、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地とそこに暮らす生物の保全を目的とする条約です。今回の会議は、「健康な湿地、健康な人々」がテーマで、湿地は人々の生活を支える上でも重要な環境であることに焦点が当てられました。 本会議に先立ち、10月26・27日には、韓国と日本のNGOネットワークが協力して準備してきた「世界NGO湿地会議」がスンチョンで開催されました。NACS-Jは、これらの会議に参加し、国内外のNGOと連携し、ラムサール条約湿地の登録を進め、湿地の保全と賢明な利用を確実に実現するという「ラムサール条約」の実行を締約国政府に働きかけてきました。
2009年1/2月号より転載
世界NGO湿地会議には、世界各地から400名以上が参加しました。日本からは100名以上が参加し、有明海・諫早干潟の再生、沖縄県・泡瀬干潟の埋め立て問題、山口県・上関原発建設問題などを報告しました。
世界各地で起きている問題と湿地保全に果たすNGOの役割を共有し、締約国にNGO・地域住民参加の上での条約の実施、湿地保全の促進を求める「スンチョンNGO宣言」を取りまとめ、本会議に提出しました。 また、このNGO会議を母体として「世界湿地NGOネットワーク(仮称)」が設立されました。今後、市民の積極的な参加でラムサール条約を実行していくため、世界のNGOが連携したことは大きな成果です。
本会議では、ブース展示による発表を行いました。NACS-Jのブースでは、これまで地元の方々と協力して保全活動を進めている泡瀬干潟、吉野川河口干潟の問題と、04年から実施してきた市民参加の海岸植物群落調査を紹介しました。泡瀬干潟を守る連絡会、とくしま自然観察の会と協力し、干潟の生きものの写真やぬいぐるみなども使って展示を盛り上げ、湿地保全の問題を参加者に広くアピールしました。 また、ラムネット(ラムサールCOP10のための日本NGOネットワーク)として、日本の湿地政策について、干潟や湖沼、河川、砂浜、サンゴ礁といった生態系タイプごとに実情を検証したほか、ラムサール条約湿地への登録状況や教育普及活動、自然再生についてもレポートを作成し、発表しました。(下記pdfファイル)。
水田の保全を求める決議(水田決議)が、会議最終日に採択されました。この決議によって、これまで世界的にはあまり注目されていなかった、水田とその周辺の生態系の生物多様性保全上の重要性が、アジアから世界に発信されました。水田という湿地における人と自然との良いかかわり合いによる持続的な利用のあり方は、まさに今回の会議のテーマと一致しています。NACS-Jとしてもこの決議を活用し、全国の生物多様性保全上重要な里やまの保全を一層進めたいと考えています。
(開発法子・廣瀬光子 保全研究部)
←NACS-Jの展示ブース
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