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西表島の生態系保全

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1991.05.01

「西表島の約4割が保護地域に」

会報『自然保護』No.348(1991年5月号)より転載


西表島森林生態系保護地域設定の結果と今後

西表島森林生態系保護地域の設定委員会からの意見書が、平成2年12月19日、熊本営林局長へ提出された。

この設定委員会案では、西表島森林生態系保護地域は、浦内川流域・仲間川流域のほか、古見岳周辺から浦内川にかけての北面の断層崖地帯、南風見海岸を含む、面積約1万1590haの区域となっている。

そのなかで、保全地区は浦内川・仲間川の上流部の御座岳を中心とする古見岳にいたる地域と、仲間川のマングローブ林、浦内川河口部のマングローブ林の2地域約3000haとなっている。保全利用地区は、保全地区を取り囲む約8600haとなっている。

西表島は、周囲が約130km、面積約2万8400haで、このうち国有林が87%を占めている。西表島森林生態系保護地域は、島面積の41%、島内の国有林の47%の割合となっている。

保護地域における植生の概況は以下のようになっている。

保護地域の大部分は照葉樹林によってしめられているが、ツルアダンが高い頻度で出現することなどから、亜熱帯に成立する独特な照葉樹林であるといえる。また、シマオオタニワタリ、リュウキュウセッコクなどの着生植物や、ツルアダン、シラタマカズラなどのツル性植物が豊富で、熱帯的様相が濃い。マングローブ林は4科6種で構成され、大規模な群落がほとんど自然のままの状態で残っている。

西表島の保護地域に生息する動物のうち、イリオモテヤマネコとカンムリワシが特別天然記念物、リュウキュウキンバト、アカヒゲ、カラスバト、セマルハコガメ、キシノウエトカゲが天然記念物に指定されている。

また、コノハチョウ、アサヒナキマダラセセリ、ヨナクニサンは県の指定する天然記念物となっている。
設定委員会の審議のなかでは、次のような意見が出された。

1 西表島森林生態系地域の設定にあたっては、設定委員ならびに西表島住民の要望を受け入れたもので、評価される。

2 保護地域設定の維持管理体制を、引き続き検討して欲しい。また、保護地域は国立公園と重複する部分もあり、林野庁、環境庁は、維持管理について連携をはかるべきである。

3 保護地域の維持管理に当たっては、地元住民の理解と協力が必要である。このようなことから保護地域についてのPRに努める必要がある。

池原貞雄

(いけはら さだお・西表島森林生態系保護地域設定委員、琉球大学名誉教授)

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