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自然を知るWEBマガジン「知ろう、自然のこと。」

日本自然保護協会の魅せ方を追求したい

人のきずな推進部 広報チーム きむ 香星ひゃんそん

「日本自然保護協会らしさ」を表現する仕事

日本自然保護協会(NACS-J)では、広報に関わっており、SNSアカウントの運用や、動画や画像などの、広報で使用するクリエイティブ素材の作成、最近フルリニューアルしたオフィシャルサイトの制作にも携わりました。

NACS-Jには、70年の歴史を感じさせる伝統や重厚感、科学性に基づいて中途半端なことは言わない真摯なイメージがある一方で、職員の皆さんのスタイリッシュさや親しみやすさや仲間感というもうひとつのイメージがあるように感じています。こうした二面性がNACS-Jらしさだと思うので、その雰囲気が伝わるようなブランドイメージづくりを心がけています。

屋外で一眼レフカメラを構える金さんの写真

幼少期の大事な原体験

小さい頃から生きものが大好きった私は、動物が苦手な両親が、唯一飼育を許してくれたクサガメの「くーちゃん」の「研究」に明け暮れた、そんな幼少期を過ごしました。水温に左右されるクサガメの行動変化やそれに伴う病気の出現、生き餌を与えた際に初めて“食う食われる”の関係を目の当たりにした衝撃は、今でも忘れることができません。子どもながらに一生懸命に「くーちゃん」の行動データを記録しました。さらに小学生のころにスクーバダイビングを体験したことで、特に水辺の生きものに関わる仕事をしたいという思いが強くなりました。実は、あの時に見た海の中の豊かな風景、それを取り戻したい、そんな思いが今でもこの仕事を続ける大きな理由となっていると思います。

多様な分野での経験を活かし多様なスキルを培う

大学卒業後、水族館に就職し、カメや魚類の飼育、子どもたちへの生きものの教育、魚のショーなどを担当しました。しかし次第に、ワークライフバランスが取れないことや、娯楽性をさらに強めていく経営方針への転換に違和感があり、転職を決意しました。

数年後には、より近くで野生の生きものと関わりたく、フィリピンのダイビングショップでも働きました。そこで、水中撮影を行うダイバーを何度か見かけたことをきっかけに、撮影の世界に興味が湧いて学び始めました。同時に、もともと趣味で取り組んでいたデザインスキルを活かして、チラシや名刺作りなどを副業としながら生活費の足しにしていました。

生きものの減少。ちゃんと語れる自分になるために進学

そんな中、タイビングショップの同僚たちが「ここ数年、イワシの数が減っているが、原因がわからない」と話しているのを聞きました。その地域は、「イワシトルネード」で世界的に有名なダイビングスポットで、村人のほとんどが、ダイビング関連の仕事で生計を立てていました。生きものが減ることが村の貧困に直結する状況を目の当たりにし、その減少要因を専門的に学びたいと思い、帰国後、大学院に進学しました。

そして、在学中にアルバイトとして「赤谷プロジェクト」を手伝うこととなり、それがNACS-Jと関わった最初でした。アルバイトでは、センサーカメラを設置しに山へ入ったり、カメラに映った生きものの同定作業やデータ整理などを経験しました。そして、卒業と同時に、NACS-Jで動画系の広報担当職員の募集があり「いままで培ってきたデザインや撮影のスキルを、生きものを守る仕事に活かせる!」と思って応募しました。

NACS-Jの多様な働き方と共通した志

広報業務に携わるなか、動画制作と活用についてもっと力を入れたいという思いが次第に強くなっていきました。そんなとき、同じく生物多様性保全に取り組む他団体が動画制作者を募集しているのを見かけ、そちらにも関わりたいと考えるようになりました。周囲とよく相談し、NACS-Jの職員から業務委託という形に関わり方を変更しました。

関わり方が変わっても、NACS-Jで働き続けたいと思った大きな理由は、心地よい仲間意識と職場環境の良さです。「この仲間たちと長く仕事を続けたい」という強い気持ちがありました。特に広報チームは、日頃からコミュニケーションを頻繁に取りながら互いに助け合い仕事を進められる関係性が築かれています。突き詰めて考えてみると、こうした関係性は「自然や生きものを守りたい」「次の世代に受け継ぎたい」という共通の志を元に築かれてきたものです。関わり方が変わったとしても、同じ志を持った仲間たちとこれからも支え合いながら、この仕事に長く取り組みたいと思いました。

会見場でカメラを構える金さんの後ろ姿

推しポイントは「働きやすさ」

また、このような心地よい関係性から、良好な職場環境が生まれるのだと実感しています。例えば、NACS-Jには女性にとっても働きやすい環境が整っています。リモートワークが部署を問わず広く導入されており、在宅勤務への切り替えにも柔軟に対応できます。フレックスタイム制度も積極的に活用されていて、職員時代には、子どもの急な発熱などで早退をした場合に、この制度に何度も助けられました。

持続的に長く粘り強く取り組む自然保護を選択できる環境、これこそがNACS-Jの職場環境の魅力だと個人的に思います。形は変わってもNACS-Jの一員として広報業務に関わり続けたいと思った大きな理由です。

自然保護の魅力をもっと広く伝えたい

NACS-Jの広報で目指すところは、最終的には、活動を支えてくださっている支援者を増やすことだと思っています。「支援者が増える」ということは、NACS-Jが未来の自然保護に必要な団体としてより広く認められることであり、同時に、自然が当たり前に価値あるもの・魅力あるものとして認識された社会づくりの結果だと考えています。

これまでのNACS-Jは、口コミを中心に広がったつながりに長年支えられてきました。ですが、より多くの方々にNACS-Jらしさを知っていただき、このつながりをさらに広げる必要があると思います。SNS等を起点に、日々情報発信の方法が更新され新たなシステムが開発されるなか、良い技術を積極的に取り込みながら、ブランドイメージを崩ずさずに、効果的に自然保護の魅力を伝えられるよう、日々挑戦していきます。

森の中で撮影をする2名の写真