開く閉じる

活動レポート

国有林で生物多様性を高める森づくりを広げるために

2026年11月1日

フィールド

森林(山も含む)

プロジェクト

陸の保護区をつくる

群馬県みなかみ町の赤谷プロジェクトエリア「赤谷の森」は全域が国有林

国有林の管理のあり方を考える委員会

日本の森林面積の約3割を占める国有林は、私たち共通の財産です。その管理のあり方を検討する「林政審議会施策部会国有林小委員会」(以下、小委員会)が設置され、9月1日に第1回会合が開かれました。NACS-Jからは私が委員として参加しています。

小委員会は、今年6月に閣議決定された「森林・林業基本計画」の方針を、国有林の管理施策に具体化する場です。多様性の高い森林づくり、防災・減災、林業経営体の経営基盤の強化、持続的な木材生産への貢献を議論し、2027年春に「国有林野の管理経営に関する基本計画」が変更されます。

林野庁は、生物多様性を高める取り組みを国有林全体に広げる方針を示しています。森林・林業基本計画には、「生物多様性を高める森林づくりが行われている森林の面積割合」を2030年度に6割とする成果指標(KPI)が盛り込まれました。その実効性を確保することは、陸と海のそれぞれ30%以上を健全な生態系として保全する国際目標「30by30」とも関連しているため、小委員会は非常に重要です。

第1回会合では、国有林で多様性を高める森づくりを行うために、人工林として維持する森林のさらなる精査や、天然林へ移行する森林の「見える化」、地域管理経営計画への生物多様性保全に関する事項の追加など、前向きに評価できる方向性が示されました。

資料は林野庁ウェブサイトで公開中

さらに充実した森林管理にするため、NACS-J は、地域ごとの保全目標の設定、絶滅危惧種情報を集積する仕組みづくり、地域管理経営計画策定の検討会への生物多様性保全の専門家の参画、モニタリングの充実などを提案しました。会員の皆さまも、身近な国有林で守りたい自然、管理への疑問、地域での活動経験などを踏まえ国有林に期待することなどをぜひNACS-Jにお寄せください。皆さまの声を今後の議論に生かしていきたいと考えています。

森林林業計画

左:森林・林業基本計画に掲げるKPI、右:国有林小委員会・林政審議会のスケジュール(林野庁の森林・林業基本計画の資料、林政審議会施策部会国有林小委員会資料より一部抜粋しNACS-J作成)
※クリックで大きく表示されます

担当者からひと言

出島さんの顔写真

出島 誠一(でじま せいいち)日本自然保護協会(NACS-J)ネイチャーポジティブ担当

群馬県みなかみ町の国有林で取り組んできた赤谷プロジェクトは23年目。この成果を全国の国有林に広げたいと思います。

このプロジェクトの詳細を見る