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2024.04.25(2024.04.25 更新)

市町村と企業向けに「ネイチャーポジティブ支援プログラム」を開始! 市町村向けには認証制度を創設し、企業向けには貢献証書を発行

ネイチャーポジティブ支援プログラム

  • 日本自然保護協会は市町村と企業向けに「ネイチャーポジティブ支援プログラム」を開始します。地域でネイチャーポジティブを実現するために欠かせない4つのステップに沿って推進します。
  • 地域の自然を活かしてネイチャーポジティブな地域づくりを推進する自治体を認証する「ネイチャーポジティブ自治体認証制度」を創設します。
  • ネイチャーポジティブの実現を目指して生物多様性保全に取り組む企業には、活動による貢献を評価する「ネイチャーポジティブ貢献証書」を発行します。

公益財団法人日本自然保護協会(以下、NACS-J)は、人と地球のために、生物多様性の損失を止め、自然を回復させる「ネイチャーポジティブ」の実現に取り組んでいます。昨年5月に発表した「日本版ネイチャーポジティブアプローチ」(市町村を基にした生物多様性保全)を全国で展開するために、市町村と企業向けに「ネイチャーポジティブ支援プログラム」を開始します。

生物多様性は、地域の自然的·社会的条件によって異なります。ネイチャーポジティブは、地域の生物多様性の特性と、保全のための行政施策の必要性の二つの側面から、市町村を基に実現していくことが重要です。そのため、「ネイチャーポジティブ支援プログラム」は、市町村と企業を対象に、以下の4つのステップ(表1)に沿って、NACS-Jが支援するものです。市町村の生物多様性の重要地域を把握し、その質を高め、面積を拡大していくことで、効果的かつ効率的な生物多様性保全に取り組むことができます。この取組を推進するために、市町村向けには「ネイチャーポジティブ自治体認証制度」を創設し、企業向けには「ネイチャーポジティブ貢献証書」を発行します。

表1.ネイチャーポジティブを実現する4つのステップ

① 地域の生物多様性の現状を評価し、重要な場所や課題を明確化する。
② 現状評価に基づき、ネイチャーポジティブに向けた目標と施策、指標を検討する。
③ 施策の具体化に向けて、関係者と合意形成を図り、取組を進める。
④ 施策や取組の定期的なモニタリング、評価、改善をしていく。

ネイチャーポジティブ自治体認証制度

「ネイチャーポジティブ自治体認証制度」は、市町村が、生物多様性の重要地域と保全上の課題を特定した上で、保全·再生に向けた計画等を策定し、ネイチャーポジティブの実現のための施策を目標に向けて推進していることをNACS-Jが認証する制度です。「日本版ネイチャーポジティブアプローチ」に参加を表明した市町村について、表2に示す基準に基づいて審査し、認証します。「ネイチャーポジティブ支援プログラム」を通じて、計画等の策定と認証取得を支援します。

表2.ネイチャーポジティブ自治体認証の基準

基準Ⅰ 首長がネイチャーポジティブ宣言を行っている。
基準Ⅱ 生物多様性保全上の重要地域と課題が適切な手法で特定されている。
基準Ⅲ 特定された重要地域において、生物多様性の維持回復に資する実効性と持続性がある保全担保措置が計画されている。
基準Ⅳ ① 保全と両立する土地利用、② 生態系サービスの発揮に資する取組、③ 保全に資する教育・人材育成の機会につながる取組が、それぞれ増加する見込みがある。

ネイチャーポジティブ貢献証書

「ネイチャーポジティブ貢献証書(以下、貢献証書)」は、「日本版ネイチャーポジティブアプローチ」に参加を表明した企業の生物多様性保全の取組等について、保全や回復の状況、生態系サービスへの貢献を市町村の目標設定に即して定量的に評価し、NACS-Jと市町村が連名で発行するものです。生物多様性に関する目標設定に向けた支援を、市町村全域の生物多様性と生態系サービスへの貢献として評価します。さらに、昆明·モントリオール生物多様性枠組(GBF)の目標1~8との対応を整理します。「ネイチャーポジティブ支援プログラム」を通じて、企業のニーズに応じた、効果的な生物多様性保全の取組と、貢献証書の取得を支援します。
 


希望に応じて市町村と企業のマッチングを行い、連携協定等によるパートナーシップの構築を推進します。NACS-Jは、「ネイチャーポジティブ支援プログラム」に関心のある市町村と企業を募集します。

「ネイチャーポジティブ支援プログラム」は、環境省が検討している「支援証明書」や、新たに成立した「地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律」に適合させていきます。また、ネイチャーポジティブ支援プログラムで具体化した取組を「IUCN Contributions for Nature Platform」に登録するなど、IUCN(国際自然保護連合)が提唱しているネイチャーポジティブアプローチに適合させ、世界に発信していきます。「ネイチャーポジティブ貢献証書」を発行するにあたって用いた定量評価手法の構築には、総合地球環境学研究所、国立環境研究所、株式会社バイオームの皆さまにご協力をいただきました。

ご参考

公益財団法人 日本自然保護協会について

自然保護と生物多様性保全を目的に、1951年に創立された日本で最も歴史のある自然保護団体のひとつ。ダム計画が進められていた尾瀬の自然保護を皮切りに、屋久島や小笠原、白神山地などでも活動を続けて世界自然遺産登録への礎を築き、現在も日本全国で壊れそうな自然を守るための様々な活動を続けています。「自然のちからで、明日をひらく。」という活動メッセージを掲げ、人と自然がともに生き、赤ちゃんから高齢者までが美しく豊かな自然に囲まれ、笑顔で生活できる社会を目指して活動しているNGOです。山から海まで、日本全国で自然を調べ、守り、活かす活動を続けています。
http://www.nacsj.or.jp/

本リリースに関するお問合せ

公益財団法人日本自然保護協会 担当:出島·高川·原田
TEL:03-3553-4101 (受付時間:10時30分~15時)
Email: naturepositive@nacsj.or.jp
〒104-0033 東京都中央区新川1-16-10ミトヨビル2F

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