赤谷プロジェクト

赤谷プロジェクトは、群馬県みなかみ町の国有林「赤谷の森」で、「生物多様性の復元」と「持続的な地域づくり」を目的に、赤谷プロジェクト地域協議会、林野庁関東森林管理局と協働し森林生態系管理を行う取り組みです。
フィールド
赤谷の森とは
「赤谷の森」は、自然環境の変化に富み、人と森林の関わり方も多様です。
森の入口から主稜線までの標高差はおよそ1400m。周囲を囲む岩峰と奥山に広がるブナ、ミズナラ、トチノキ等の自然林、標高の低い地域には人工林や、かつて薪炭林だったコナラ林が広がります。イヌワシ、クマタカ、ツキノワグマなどの生息地にもなっています。
利根川の上流域にある赤谷の森は、地域の重要な水源の森であるとともに、首都圏の水源にもなっています。また、歴史ある温泉が点在し、エリア中央部にはかつて交通の要路であった旧三国街道が通じており、古くから人びとと深く関わってきた森林です。

科学的根拠に基づく、生物多様性の復元と持続的な地域づくり
赤谷プロジェクトは、地域住民で組織する「赤谷プロジェクト地域協議会」、林野庁関東森林管理局、日本自然保護協会(NACS-J)の3つの中核団体が協働して、生物多様性の復元と持続的な地域づくりを進める取り組みです。これらの中核団体で、それぞれの知識や立場を活用しつつ相互に協力して、「赤谷の森・基本構想 」や各種計画を策定し、調査研究、保全管理や環境教育を進めています。各計画の検討や実施においては、自然環境モニタリング会議とワーキンググループからの、科学的・専門的な知見に基づく助言を得て進めています。
赤谷プロジェクトロゴ


2024年度 赤谷プロジェクト-みなかみ町連携会議の様子
20年以上に渡る取り組みの成果
2023年11月、赤谷プロジェクトは発足から20 周年を迎えました。2024年3月に、20年間の成果と今後の課題や方向性を取りまとめた「赤谷プロジェクト20周年記念成果集」を作成するとともに、過去のモニタリング結果等の資料を赤谷森林ふれあい推進センターのホームページで公開しています。また、「持続的な地域づくり」に関する取り組みを特設サイトで紹介しています。
20年以上にわたる取り組みから、赤谷の森が位置する群馬県みなかみ町全域へと活動を展開し、みなかみ町のユネスコエコパークへの登録 (2017年~)や、みなかみネイチャーポジティブプロジェクト (2023年~)に発展しています。

2006年に自然林復元試験地として伐採したカラマツ林

2023年に17年の歳月を経て自然林へ復元してきた様子