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活動レポート

地域からのネイチャーポジティブ実現に向けた挑戦

2026年7月1日

生物多様性の損失を止め自然を回復させる「ネイチャーポジティブ」を日本全国の市町村から起動することを目指し、NACS-Jは2024年度から「日本版ネイチャーポジティブアプローチ」事業を各地で進めています。自治体や企業との連携を通じて、現在全国18の市町村で取り組みを実践中、もしくは開始準備中です。


NACS-Jは、2024年度にネイチャーポジティブに向けた実効性ある取り組みを進める市町村を認証する制度を開始しました。2026年4月には宮城県南三陸町が海に面した自治体としては全国で初めて認証を取得、これに次いで6月には神奈川県小田原市も認証を取得し、認証自治体は6自治体となりました。

南三陸町では、ラムサール条約にも登録される志津川湾全体の保全を進めています。また、さまざまな団体や専門家・企業などが連携しながら地域の自然を活かす活動に多数取り組んでいます。小田原市では、市内の多数の市民団体・企業などからなる「おだわら環境志民ネットワーク」が中核となって地域の自然の保全と活用やブランド化・資源循環の取り組みを統合的に進めています。認証にあたっては、これらの点が高く評価されました。

「日本版ネイチャーポジティブアプローチ」の実施個所を示した地図

認証を目指す自治体への支援

NACS-Jが定めた4つの認証基準(表1)を全て満たす自治体を認証する制度です。特に「生物多様性保全上の重要地域の特定」や行政による「保全担保措置の計画作り」は地域の生物多様性保全において非常に実効性が高いと考えています。その反面、多くの自治体では人手・情報不足のため基準を満たすことは容易ではありません。

表1.「ネイチャーポジティブ自治体認証制度」の認証基準
基準I 首長がネイチャーポジティブ宣言を行っている。
基準II 生物多様性保全上の重要地域と課題が適切な手法で特定されている。
基準III 特定された重要地域において、生物多様性の維持回復に資する実効性と持続性がある保全担保措置が計画されている。
基準IV ①保全と両立する土地利用、②生態系サービスの発揮に資する取組、③保全に資する教育・人材育成の機会につながる取組が、それぞれ増加する見込みがある。

そこでNACS-Jは、認証取得を目指す自治体に対して、重要地域の特定や計画策定を支援しています。また、支援の一環として、企業からの資金的支援の獲得に向けた働きかけも行っています。近年、企業にはネイチャーポジティブへの貢献が求められているものの、企業単独でできる取り組みには限りがあります。そのため、地域との連携は、企業にとっても効果的かつ意義のあるアプローチといえます。

各市町村の重要地域は、地元で長く活動してきた市民団体や自然観察指導員の皆さんの活動場所であることも多く、このアプローチはNACS-Jに長年協力いただいてきた現場の方々の支援にもつながると考えています。これまでに13市町村の重要地域を新たに把握し、11箇所の重要地域での活動に結び付けることができました。

認証書授与式の様子

南三陸町での自治体認証書授与式の様子。左から千葉啓南三陸町長、NACS-J理事長・土屋俊幸

活動の様子

❶大阪府能勢町でのボランティアによる、ブナをシカの食害から守る柵の設置作業/❷群馬県みなかみ町では、かいぼりを実施/❸和歌山県那智勝浦町の活動地である生物多様性豊かな湿地

ネイチャーポジティブ自治体認証制度の説明会

日 時:
第1回 7月30日(木) 15~16時
第2回 8月19日(水) 15~16時
(※内容はいずれも同じ)
対 象:
市町村職員に加えて本制度に関心ある方はどなたでも参加可能
開催形態:
オンライン会議

担当者からひと言

高川さんの顔写真

高川 晋一 (たかがわ しんいち)日本自然保護協会(NACS-J)ネイチャーポジティブ担当 

各市町村での専門家ヒアリングや現場の調査・保全活動など、あらゆる場面で地元の会員、自然観察指導員、モニタリングサイト1000里地の調査員の皆さんに協力いただいており、ありがたさが身にしみます。さまざまな立場からのご協力を今後もお願いします!

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