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活動レポート

絶滅危惧種イトウの国内最大の産卵地も計画地に

北海道の宗谷地域で、現在稼働中の風車は163基、建設工事中が79基、環境アセスメントの手続き中が454基にもなり過密状態にあります。事業の適地が無くなるにつれて、原生的な森林を対象とした計画が増えています。

2023年9月にジャパン・リニューアブル・エナジー社(JRE社)による「(仮称)宗谷丘陵南風力発電事業」の計画が明らかになりました。計画地はエゾマツやトドマツなどの原生的な森林が広がる国有林で、幻の魚とされる絶滅危惧種のイトウの国内最大の産卵地となっています。

かつてイトウは北日本の50近くの河川に生息していましたが、現在の繁殖地は北海道のわずか10数河川のみです。イトウは母川回帰性が強く、毎年同じ支流のほぼ同じ区間に産卵するため、森林伐採や河川の改変が前提の同計画が実行されれば、イトウの生息に大きな影響が及ぶことは必至です。

9月30日にNACS-Jは事業者であるJRE社に計画の中止を求める意見書を提出し、メディアで大きく取り上げられました。10月には、同地域でイトウの研究をしている国立環境研究所の研究員や日本生態学会北海道地区会からも中止を求める意見書が公表されました。

またJRE社は同時期に、道内の黒松内町にある北限域のブナ林での大規模風力発電計画を公表しており、NACS-Jはこの計画にも計画変更を求める意見書を提出しました。

現在、全国で400以上の大規模風力発電事業が運転中もしくは計画中ですが、ここ2~3年、明らかに自然環境への影響が大きな計画が急増しています。温暖化防止につながる再生エネルギー推進は必要ですが、生物多様性の喪失が前提での再エネ施設の建設は行うべきではありません。

自然に悪影響のある風力発電事業を調査するためのご寄付を募集しています。調査活動へのご支援をよろしくお願いいたします。

イトウの画像婚姻色で赤く色付くイトウのオス(写真提供:国立環境研究所)

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担当者から一言

若松さんの顔写真

若松 伸彦日本自然保護協会 / 保護・教育部

アセス法対象事業の全アセス図書に目を通し、自然環境上問題の再エネ計画については現地調査をしています。