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企業連携事例Corporate Partnership Case Studies

一生ものの自然体験を!福島県内の母子を対象に「母と子のネイチャースクールin只見」を開催しました

連携企業株式会社日清製粉グループ本社

連携・協働事例

2025年12月3日

日本自然保護協会(以下、NACS-J)は、今年も福島県内の母と子を対象に「母と子のネイチャースクール」を開催。ユネスコエコパークに登録されている福島県只見町を舞台に、思いきり自然や文化にふれあい学び、「自然を守ること」や「人と自然のつながり」の大切さ、価値への理解を深めていただく自然体験プログラムを実施しました。今回、過去最高となる200名以上のご応募をいただき、当日は21名の親子にご参加いただきました。


2017年から始まった「母と子のネイチャースクール」は今回で9回目。前回に引き続き、自然環境の保全と人間の営みが持続的に共存している地域として、ユネスコエコパークに登録されている福島県只見町で開催しました。9回目の今回は、ブナの原生林の自然観察や川遊びなど恒例プログラムに加え、休耕田を活用した泥遊びや生きもの調査なども実施しました。

過去開催の様子はこちら
2017年 ▶2018年 ▶2019年 ▶2022年

◆開催概要

開 催 日:
2025年7月19日(土)~21日(月祝)
開催場所:
福島県只見町 森林の分校ふざわ
参加人数:
21名(大人9名、子ども12名)
主  催:
公益財団法人日本自然保護協会
協  賛:
株式会社日清製粉グループ本社
企画協力:
森林の分校ふざわ、只見町ブナセンター、特定非営利活動法人ただみコミュニティクラブ、株式会社一十八日、ティールーム山ねこ、おぜしかプロジェクト、天文学普及プロジェクト「天プラ」、古民家ステイふざわ、福島県立只見高等学校
後  援:
只見町、福島県教育委員会
講  師:
小平 智子(株式会社一十八日 / 会津の香りワークショップ担当)
鈴木 サナエ(自然観察指導員 / 只見カルタ大会、食事担当)
渡部 和子(自然観察指導員 / ブナの森の自然観察会、食事担当)
緒勝 祐太郎(夜の虫の観察会、湿地クリエイタープログラム担当)
内藤 誠一郎(天文学普及プロジェクト「天プラ」/ 星空観察会担当)
三浦 飛未来(天文学普及プロジェクト「天プラ」/ 星空観察会担当)
佐藤 優衣(天文学普及プロジェクト「天プラ」/ 星空観察会担当)
小山 抄子(おぜしかプロジェクト / 鹿革ワークショップ担当)
藤沼 航平(分校ふざわ支配人 / ブナの森の自然観察会、食事担当)
金子 勝之 (ティールーム山ねこ / 2日目の食事担当)
カメラマン:二神 慎之介(プロカメラマン)

1日目

福島駅、郡山駅からバスが出発!まず到着したのは、森林資源の豊かな福島県南会津町。「会津の香りワークショップ」では、福島県産の木材を中心とした10種の香りをブレンドして、世界に1つだけのアロマスプレーづくりをおこないました。国産アロマを取り扱う株式会社一十八日の小平智子さんから、木材それぞれの特徴や効果について教えていただきながら、理想の香りをつくりあげていきます。長時間のバス移動で少し疲れた心身も、すっかりリフレッシュ!

アロマオイル作りをする親子の写真 ワークショップ会場の様子

つづいて「ただみ・ブナと川のミュージアム」へ到着。只見町の自然の魅力や文化と歴史、なぜユネスコエコパークとして認められたのかなどを学びます。ミュージアムの中野さんや、只見町の自然観察指導員・鈴木サナエさんたちのお話に、真剣な表情の子どもたち。これから過ごす只見町の大自然や暮らしに期待を膨らます時間となりました。

展示を見学する様子 カエルの水槽を観察する子どもの写真

2泊3日お世話になる「森林の分校ふざわ」に到着。廃校になった小学校を活用した趣のある宿舎に、子どもたちは大興奮!豊かな里山に囲まれた校舎を探検して、布団をしいて準備を済ませたら、お待ちかねの夜ご飯。只見町のソウルフード「マトンバーベキュー」をいただきました。お肉はもちろん、只見町で獲れた野菜が甘くておいしい!

階段をのぼる子どもたちの写真 食事をする子どもの写真

夜ご飯の後は、分校ふざわの裏山まで探検しながら移動。まずは「星空観察会」からスタートです。天文学普及プロジェクト「天プラ」の内藤誠一郎さんに解説いただきながら、天体望遠鏡で夏の大三角形や北斗七星を観察したり、地面に寝そべって天の川や流れ星を観察したりしました。頭上に広がる満点の星空に、宇宙の神秘や雄大さを感じる時間となりました。

星空の写真

つづいて、只見町より特別な許可を得て「夜の虫の観察会」も行いました。講師の緒勝祐太郎さんとともに、ライトトラップに集まってきたさまざまな昆虫を観察。見られた昆虫は、田んぼや川などの水辺、森や草地に暮らす昆虫など、なんと約20種類!多様で豊かな自然環境が広がっていることを、あらためて実感する時間となりました。

ライトトラップを観察する子どもの写真 ライトを当てて観察する子どもの写真

只見町でのライトトラップ採集は「只見町の野生動植物を保護する条例」により禁止されています。今回は只見町への許可を取得して実施しました。

2日目

朝ごはんをしっかり食べて、「ブナの森の自然観察」へ出発!只見町の自然観察指導員・渡部和子さん、藤沼航平さんに、世界に誇る只見町のブナの森について教えていただきながら、穏やかな川の流れに沿って森を歩きます。ブナの木々の太さや背の高さ、川の水の冷たさ、出会ったさまざまな生きものの姿…五感を使った自然観察を通して、発見や驚きがたくさん!

森を散策する子どもたちの写真 何かを見つけて指さす子どもの写真

森の折り返し地点に到着し、今度はみんなお待ちかねの「川遊び」タイムです!泳いだり、浮いてみたり、生きものを探したり、思い思いの川遊びを楽しみました。そして毎年恒例、川への飛び込みは、なんと子どもたち全員が挑戦することができました。ちょっぴり怖いけれど、みんながいるから挑戦できる!思いっきり自然と向き合い楽しむ子どもたちの姿に成長を感じました。

手をつないで川に飛び込む人たちの写真 川に入って遊ぶ親子の写真

午後には、只見町の子どもたちや、只見高校の皆さんと一緒に、休耕田での「湿地クリエイターになろう!~泥んこあそびと生きものしらべ~」を開催!

只見町には豊かな里地里山の自然環境が広がっていますが、年々休耕田が増えています。田んぼのような湿地環境は、生物多様性を育む重要な場所。使われなくなり乾燥化が進むと、多くの生きものが暮らせなくなってしまいます。そこで昨年から、休耕田を生きものあふれる湿地によみがえらせる取り組みに挑戦しています。

手入れされていない休耕田の写真

休耕田のビフォー

手入れをした休耕田の写真

休耕田のアフター

まずは里山の自然の豊かさや危機について学び、乾燥化した地面を掘り起こして水を入れ、泥遊びをしながら生きもの調査を実施しました。子どもも大人も、「湿地クリエイター」として泥まみれになりながら夢中で活動!この日は34種類の生きものが見られ、湿地面積も広げることができました。はじめて泥や湿地の生きものに触れる子が多く、貴重な体験となったようです。これから生きものがどんどん増えていきますように!

泥だらけになって遊ぶ親子の写真 採集した生きものを観察する子どもの写真

夜ごはんには、柳津町で農家民宿を営む金子勝之さんが、会津野菜と出張ピザ窯を持って登場!自然の恵みたっぷりのピザやパスタを美味しくいただきました。ピザ生地やパスタには、日清製粉グループの製品を活用。食材やレシピのお話も盛り上がりました。

ピザを焼く大人とそれを見守る子どもの写真 日清製粉の商品を紹介する様子

3日目

最終日の朝は、子どもたちだけで「鹿革ワークショップ」を行いました。おぜしかプロジェクトの小山抄子さんを講師に、増えすぎてしまった鹿の革を使ったフォトフレームをつくります。鹿の命を余すことなく活かす取り組みについて学びながら、この3日間の思い出がよみがえる素敵な作品が生まれました。

鹿革で工作をする様子 完成した作品を持つ子どもの写真

子どもたちが取り組んでいる間、お母さんたちだけの「Nature Tea Party」を開催。日々の子育てや自然とのふれあい方、スクールを通じた子どもたちの成長などについて本音トーク!笑あり涙ありの温かい時間となりました。

楽しかったスクールもいよいよおしまい。只見町役場の皆様からご挨拶をいただいた後、カメラマン・二神さん撮影の写真をみながら思い出ばなしに花を咲かせ、分校ふざわを後にしました。身体も心も大自然に触れ、リフレッシュした3日間でした。本当にありがとうございました!!

【参加者の感想(一部抜粋、原文ママ)】

お子様より

  • 普段できない体験ができて、とても楽しかったです。また只見に行って川遊びやどろんこ遊びがしたいです!
  • 川あそびが楽しかった。川におたまじゃくしがいてさわれて楽しかった。どろあそびはタニシをさわれてうれしかった。みんなやさしくてうれしかった。

保護者様より

  • 虫が苦手だったのに、どろんこの中に入り夢中になって虫を観察し触る姿。ブナの森で真剣に話を聞き、自然観察に興味津々な姿。子供の新しい発見や成長がたくさん見ることができました。また親子でたくさん自然に触れ合いたいと思いました。
  • この度の2泊3日のネイチャースクールで親子共にかけがえのない時を過ごさせて頂いた事、とても言葉だけでは表せない位の感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました!自然の少し厳しさと美しさ、改めて食の大切さ、そして人の心の温かさに触れられた事、他では中々体験出来ない事ばかりでした。

開催にあたり、株式会社日清製粉グループ本社の皆様をはじめ、福島県内の自然観察指導員の皆様ほか、多くの皆様にとても温かいご支援とご協力をいただきました。ご参加いただいた皆様、そしてご協力をいただいた皆様、本当にありがとうございました。

今回ご協力をいただいた皆さまのWEBサイトはこちら

株式会社日清製粉グループ本社 株式会社一十八日 天文学普及プロジェクト「天プラ」 SINH FUTAGAMI PHOTOGRAPHY. 森林の分校ふざわ おぜしかプロジェクト 只見町

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