サシバの保全

奄美大島・宇検村では、越冬するサシバを、親しみを込めて
「チョッピー」と呼んでいます。(撮影:与名 正三)
渡り鳥のサシバは、近年、子育て環境である里山の荒廃により、繁殖場所は1970年代の7割以下に減少。また、越冬地のフィリピンでは密猟が明らかに。サシバ保全のために、国を越えた連携で生息環境の保全を推進しています。
フィールド
繁殖地・中継地・越冬地が連携したサシバ保護を推進
サシバは、本州から九州で子育てをし、南西諸島から東南アジアで越冬する、渡り鳥のタカです。サシバを保全するためには繁殖地・中継地・越冬地それぞれでの保全が必要です。日本自然保護協会(NACS-J)は、は各地の自治体や保護団体と協力して保全の取り組みを進めており、繁殖地である神奈川県横須賀市でサシバ繁殖環境再生プロジェクト、千葉県神崎町でのサシバ調査と普及啓発活動、中継地である沖縄県宮古島市でサシバの森づくり、越冬地であるフィリピン・ルソン島でサシバ保護エコツアー等を行っています。

宮古島市伊良部島でのサシバの森づくり
国際サシバサミット開催を通じた国際連携と生息環境再生
サシバの繁殖地・中継地・越冬地で、各地域の方々が、その豊かな自然環境と保全の取り組みを再評価し、誇りを持つ機会となるよう「国際サシバサミット」を開催しています。2019年には栃木県市貝町、2021年に沖縄県宮古島市、2023年に台湾・満州郷、2024年にフィリピン・サンチェスミラ市で開催しました。2025年は鹿児島県奄美大島の宇検村で開催します。各地域で持続的な一次産業を発展させていくことは、サシバの生息地保全に繋がります。さらに、自治体同士がサシバを通じて、地域産業や教育活動等を連携することによって、各地の地域づくりに寄与していくことを目指します。

2024年3月フィリピン・サンチェスミラ市での地域の代表者によるサミット宣言の様子
関連サイト
渡りをするタカ、サシバの繁殖地・中継地・ 越冬地がつながった国産米の琉球泡盛 『寒露の渡り』