各地の
自然保護問題への
対応

中池見湿地(ラムサール条約湿地)全景
日本自然保護協会(NACS-J)は、尾瀬ヶ原、雌阿寒岳、白神山地、屋久島、小笠原など、時代のなかで、未来に残すべきかけがえのない自然を守るために声を上げてきました。
日本自然保護協会の保護運動
1949年、当時水力発電ダム開発の計画にさらされていた尾瀬ヶ原を守る運動をきっかけに「尾瀬保存期成同盟」が創設されました。そして1951年、阿寒国立公園(当時)の雌阿寒岳の硫黄採掘への反対をきっかけに、全国の自然保護を目指し「日本自然保護協会」が誕生しました。その後も、電力開発やインフラ開発のための道路建設・埋め立てなどさまざまな開発計画に対して、自然保護の観点から計画見直しや、調査と対策の必要性を訴えてきました。現在、世界自然遺産として登録されている白神山地や屋久島、知床、小笠原諸島、奄美・沖縄に対しても、時代とともに迫りくる開発圧に対し、科学的な独自の調査や、開発見直しへの働きかけ、保護地域指定の提案などを行ってきました。

1987年白神山地青秋林道建設現場
各地での対応
自然は一度壊すと元通りに戻すにはとてつもなく長い歳月を必要とします。NACS-Jは、時代ごとに、生活改善、経済発展や安全安心といった公益も重要であると認識しつつ、全国的に貴重な自然、生物多様性を失いかねない開発計画には断固としてNOと言い続けてきました。現在も、科学的な視点を重視しながら、専門家や地域の市民と協力し、各地の自然保護問題に対応しています。特に近年では、リニア中央新幹線に伴う関連工事の問題や、大阪・関西万博の会場開発に関する問題、南西諸島の貴重なサンゴ礁に大きく影響する埋め立て工事の問題など、各地の問題に対応しています。